医療法人 東永内科リウマチ科

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...第40回 日本臨床リウマチ学会にて参加発表して参りました(聴講編 ②)。

...第40回 日本臨床リウマチ学会にて参加発表して参りました(聴講編 ②)。

『聴講編①』に続いてシンポジウム⑤関節エコー・MRIによる早期診断と治療効果判定』を聴講。セッションの筆頭は大阪公立大学 整形外科 特任教授の岡野匡志先生に健康寿命の延長と共に最近増加しつつある高齢関節リウマチ患者の病態と臨床所見に関連する関節エコー所見、鑑別を要する変形性関節症 リウマチ性多発筋痛症  結晶誘発性関節炎の他に付着部炎を主体とした脊椎関節炎 乾癬性関節炎における関節エコーを用いた診断のポイント~ピットフォールについて画像を用いて詳しく御講演されました。

 

続きまして みさき内科リウマチ・関節炎クリニック院長の三崎健太先生の御講演では画像的寛解が重要であり臨床的に深い寛解でも実際は無症状でありながら骨破壊が進行しているケースが多々あり、寛解指標基準として大変厳しいBoolean寛解を満たしても何と!20%が関節破壊が進行(◎_◎;)していると御話されました。関節破壊や軟骨破壊に繋がる炎症シグナル⇒パワードプラ(PD)の赤色の炎症評価のみに重点が置かれがちで、関節腫脹(滑膜肥厚)の評価⇒グレースケール(GS)評価が軽視される傾向にありPDが消失してもGS残存関節にて骨破壊進行を来す場合が多数存在し(◎_◎;)PD消滅GS残存 関節滑膜の組織生検するとPDが示す病的血管が消失していても黒い滑膜組織の中に炎症細胞が多数残存(◎_◎;)関節破壊に繋がる事からGS残存関節要注意GS0PD0で初めて寛解と御話されました。

  

続いて『関節エコーとMRIの使い分け』として獨協医科大学リウマチ・膠原病内科 教授の池田 啓先生に御講演されました。 近年の大規模研究では関節エコーよりもMRIの有用性が強調される文献報告が多関節エコーでは評価が困難な骨炎骨髄浮腫所見MRIのみ描出され又、関節エコーでは困難な股関節や膝関節等の大関節深部の描出が可能であるのがMRI利点とされます。一方で関節エコーの主な利点としては病変部位の異常な血流所見リアルタイムで観察が可能となりMRIでは不可能な多数の関節を網羅的に一度にまとめて観察が可能である事と御話されました。またMRI検査は造影剤が必須であり薬剤を用いず簡便で且つ 低コストの観点からも実臨床では関節エコー有用と考えられます。

  

また最新の知見では関節腫脹の無い関節リウマチのハイリスク患者における関節炎・RA発症予測において関節エコー・MRIの有用性が複数報告されているが、無作為化の臨床試験では関節エコー・MRIともに画像診断の付加価値を示すことが出来ていないものの難治性D2TRAにおける残存関節滑膜炎を含めた炎症判定には関節エコーを用いるべきとエキスパートパネルより提案されており適切な症例選択により関節エコーとMRIの使い分けが必要と御話されました。朝イチセッションを2つ聴講してからお腹がペコペコ状態となり(°_°)ランチョンセミナー④ を聴講すべく第2会場へ移動。最近は健康志向から学会ではあっさり弁当が殆どでありますが、久しぶりに超コテコテ高カロリー弁当を頂き…

  

第1演題として『日常生活を取り戻す 関節リウマチ治療の新基準 ~コホート研究が描く未来展望~』 について大阪大学 大学院医学系研究科 器官制御外科学 准教授の蛯名耕介先生が御講演されました。免疫の基本的機序として骨髄で産生された自然(ナイーブ)リンパ球はノーベル医学賞を授与された坂口志文先生が発見した善玉 制御性Tレグ細胞へと主に分化するのですが、関節リウマチの様な自己免疫疾患を発症しますとナイーブT細胞が悪玉Th17細胞過剰に分化してしまい更に分化したTh17細胞IL-6を分泌することで玉Tレグ細胞悪玉Th17細胞に変えてしまい(-_-;)

   
 
更にIL-6を大量 に産生分泌に由りランクル活性化強力に破骨前駆細胞に作用⇒活性型 破骨細胞増殖超過剰な骨吸収が進行し同時に骨形成作用を有する骨芽細胞まで強く抑制⇒骨粗鬆症急速進行全身に拡大全身の骨がボロボロになるとの事。またTh17細胞がIL-6を大量に産生分泌する事でBリンパ細胞が活性化形質細胞への分化促進⇒リウマチ因子(RF IgM抗体)+抗CCP抗体大量生産⇒RFによる生物学製剤の効果減弱IFNγ増加に由る難治性病態化と抗CCP抗体による急速な関節破壊が進行…

  

これらの異常免疫現象阻止するのがケブザラ・アクテムラといった抗IL-6製剤であります。これらのIL-6製剤を投与することで⇒IL-6制御に由るRANKL活性低下⇒破骨細胞+Th17細胞増殖阻止+活性化低下⇒制御性Tレグ細胞復活し活性化免疫異常抑制に至るとお話されました。JAK阻害剤IL-6を有意に抑止するも抑止力40~60%程度に対しIL-₋6製剤90%抑止するとの事 一方でTNF製剤を含めたIL-6製剤以外の生物学製剤は制御性Tレグ細胞減少させるとの報告があるお話されました。

 

第2演題として『関節リウマチ患者における悪性腫瘍管理〜中長期治療戦略の重要性~』 につきまして川崎医科大学 リウマチ・膠原病学 教授の中野和久先生が御講演されました。 現在の関節リウマチの治療において生物学製剤(Bio)使用非使用では悪性腫瘍の頻度は変わらないもののTNF製剤 vs JAK阻害剤ではJAK阻害剤の方が悪性腫瘍が多い傾向にあったと報告されており、ドイツの医療施設での疫学研究ではJAK阻害剤群 2285例 vs Bio群 4259例を比較解析した結果JAK阻害剤群の悪性腫瘍のハザード比が1.4倍であったとの事。

  

JAK阻害剤中では特にサイトカインの中でIL-15抑止する事でナチュラルキラー(NK)細胞活性が低下⇒発がん性が上昇すると考えられいますが、(私見ですが)JAK阻害剤の中でもIL-15を強く抑制しない発がん性の上昇が見られ無いJAK阻害剤(バリシチニブやフィルゴチニブ)もあり、3000人以上JAK阻害剤投与患者10年近く追跡調査した大規模臨床試験では通常の抗リウマチ薬治療群とバリシチニブ・フィルゴチニブ治療群とでは悪性腫瘍発生率が全く変わらず 又、年齢別65歳以上と以下)や用量別(通常量と半分量)の比較試験では逆に発がん性の低下が示されております。JAK阻害剤(ウパダシチニブ)と生物学製剤との比較試験でも悪性腫瘍発症リスク長期的にも全く変わらない又はハザード比が1.0以下であったとの報告も多数あります。
 
  

現状では乳癌既往の女性リウマチ患者において生物学製剤や特にJAK阻害剤の使用が著しく制限され、結果として疾患活動性の制御困難に寄与しているとの報告があり一方、肺癌合併のリウマチ患者の研究では間質性肺疾患の合併や喫煙歴 癌の組織型等にて疾患活動性の増悪やリウマチ治療の停滞に由り 生命予後を寧ろ悪化させるとの報告があるとお話されました。担癌患者癌既往患者に対して生物学製剤を含めたリウマチ治療の必要性高まり、日本リウマチ学会策定の『関節リウマチ診療ガイドライン2024』でも癌治療担当主治医と綿密なコンサルトの元 慎重生物学製剤を含めた治療を考慮すべきと勧告されているとお話されました。IL-6阻害剤においては悪性腫瘍の発症率低いとされており、またMTXが併用できない高齢リウマチ患者においても比較的高い継続率を示すことが知られており、悪性腫瘍既往または合併例においてもIL-6製剤は有力な選択肢の一つとお話されランチョンセミナーは終了となりました。

会長講演聴講後に口演セッション 『一般演題17 関節リウマチの薬物療法:生物学製剤3』が午後2:55開始となり3番目の発表でありましたが第8会場へ向かう予定でありましたが…

2025-12-21 13:23:00

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