医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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...東京で開催のオレンシアサミットに行って参りました!

...東京で開催のオレンシアサミットに行って参りました!

9月25日の日曜は東京まで往復5時間かけて生物学製剤の勉強会に行って参りました!今回は当院生物学製剤の30%近く使用しておりますアバタセプト(オレンシア®)の超最新の話題てんこ盛り講演会で(他の生物学製剤の勉強会も同様ですが)全国から1000人(@_@)のリウマチ専門医が集まる勉強会です。本日聴講して参りました内容をまとめて御報告致します(^_^)/。
 
オレンシアは高齢リウマチ患者さん限定であり、効果発現が緩やかでTNF製剤に比して効果が弱いというイメージがリウマチ専門医の中で浸透しております。ところがHead to Head試験(アダリムマブ⇒ヒュミラ®とのガチンコ試験)では他のバイオ製剤と比して関節破壊抑制効果、臨床発現効果は劣る事無く(寧ろ上?)を有し結核や重篤な感染症等の副作用の頻度が他剤に比して低い薬剤と言う認識に変わりつつあります。

当院ホームページにも掲載しておりますがhttp://www.touei-clinic.jp/original14.htmlリンパ球の大元の司令官Tリンパ球(T細胞)を制御する事が重要と考えられていましたが、マクロファージ(抗原提示細胞⇒見張り役)T細胞の共鳴(情報伝達)抑制が免疫抑制の基本概念となる...と冒頭で産業医大教授の田中先生がお話しておりました。

自然免疫は好中球やNK細胞といった前線部隊の細胞で、獲得免疫は抗体と言う武器を作って増援部隊として外界から侵入するウイルスや細菌に対して(左図⇓)正常な生体防御反応を起こします。
⇒⇒
これが何らかの免疫異常が生じると総出で骨や関節を破壊してしまう(右図⇑)のが関節リウマチでアバタセプト(オレンシア®)は⓶のマクロファージからヘルパーTリンパ細胞の伝達を遮断します。ちょっと難しいですが、マクロファージの細胞表面に表出する CD80/CD86と言う免疫蛋白 に結合しT細胞の免疫スイッチであるCD28 共刺激シグナルを阻害する事で免疫の活性化や骨を破壊する抗体産生を抑制するのです。

当初は効果が遅いと言われていましたが、もっとも世界中で使用されているアダリムマブ(ヒュミラ®)と効果は(AIM試験)変わらず、獲得免疫系(リンパ細胞系)を抑制しても、好中球やNK細胞といった自然免疫は抑制しない事より他の生物学製剤に比して副作用が低い事が解ってきました。

重症肺炎 TNF製剤が1.3~2.2%に対してオレンシア®0.5%
結核感染 
TNF製剤が0.5~0.1%に対してオレンシア®0.03%

当院でのオレンシア®の位置付けの如く(ホームページhttp://www.touei-clinic.jp/original6.htmlにも掲載)第2選択薬と考えおりましたが効果発現が早く、関節エコー下でも1週間で炎症シグナルが消失(@_@)するそうで、高力価の抗CCP抗体(100以上)高力価のリウマチ因子(75以上)を有する患者さんに於いては『今後は第1選択薬として位置付けを代えていくべきでしょう』と演者の先生が仰ってました。

続いては当院HPにも掲載しております
http://www.touei-clinic.jp/original53.html喫煙とリウマチの発症に密接な関係と最近では歯周病原因菌であるポルフィロモナス菌がリウマチ抗体(抗CCP抗体)を活性化させて発症させる可能性についてのお話でした。

大規模な調査でとある町で健常者から無症候性のリウマチ因子と抗CCP抗体陽性の方が数%おられ、その方々の歯周病の罹病率が有意に高かったとの報告でした。やはり関節リウマチ予防には歯のメンテナンスが重要と言えそうです。

続いて、私が最も聴講したかった演題です(^O^)/

先ほどお話した関節エコー下では上記の1週間で炎症シグナルが消失と言う報告の如く、今回私が最も聴きたかったアゴスティーノ先生
(OMERACT⇒欧州関節エコー学会の重鎮)が招聘講演で来日され、アバタセプト投与下での関節エコーの臨床的研究を御発表されました。

欧州では関節エコーを用いたアルゴリズムが形成され関節エコーで炎症シグナルの状態、改善具合をスコアリングしその結果にて治療の変更も検討するそうです。メソトレキセレート投与が出来ない患者さんに手指、手関節、肘、膝、足趾関節から9関節(両側で18関節)に絞り6か月間関節エコー評価を継続。結果は他の生物学製剤と比較して同様かそれ以上に関節エコーの画像が寛解するコメント。
 
血液検査より先に関節エコーの炎症シグナルが改善し、その後3週間目に滑膜肥厚が改善されたとの事。今後は関節エコーは今回の様に治療の評価は当然ながら、リウマチの診断、治療反応性、骨病変の進行、疾患活動性のモニターリング。また過小評価 過大評価に依る縮小治療や過剰治療にならない為の検査ツールとして非常に重要とお話しておりました。

しかし・・・講演前の公開アンケートで未だに関節エコーを実診療に使用しない先生方が今回のサミットでも3割近くおられた(当地区はリウマチ標榜医の関節エコー普及率は2割以下(T_T)/~~~)のが驚きでありました。
  
                            (オレンシア®メーカーHPのイラスト)
また最新の知見として破骨細胞にもTリンパ細胞と同様に細胞表面にCD86を発言しており、そこにオレンシア®結合する事で有意に骨破壊が抑制される事が判明しました。またマクロファージからヘルパーTリンパ細胞の伝達を遮断するだけではなく、リンパ球の増殖に関与するCXCR5と言う蛋白を多く産生するCD28陽性のTfh細胞にもオレンシア®は選択的に結合しB細胞活性化の減弱、抗体産生抑制に関与するのでは?と言う所までわかってきました。

と言う事で、短時間ながら明日の診療に役立つてんこ盛りオレンシアサミットでした(^_^)/。本日の内容からはアバタセプト(オレンシア®)は治療効果は速いし副作用が少ないし安全でとても良い薬で生物学製剤投与の第1選択薬としては言う事なし!!と締めくくりたいところですが…


しか~し!全ての患者さんに共通してアバタセプトは有効とは限りません。他の薬剤と比してコスト面は?リウマチ因子 抗CCP抗体陰性患者さんの有効性は?休薬できるの?本講演で特に比較されましたアダリムマブ(ヒュミラ®)に於きましては如何にして中止出来得るかの休薬試験を多く実施してされており、(http://dra.e-humira.jp/cms/dra/pdf/event/EULAR2011_PART2_01.pdf#search=%27%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%83%9E%E3%83%96+%E4%BC%91%E8%96%AC%E8%A9%A6%E9%A8%93%27リウマチ患者さんの願いの一つである『バイオフリー(寛解後の生物学製剤の休薬)』の観点ではアバタセプト(オレンシア®)よりも一歩二歩リードしてる感があります。


『関節リウマチ患者に対する関節エコーを用いたアダリムマブ休薬寛解についての検討』として当院も生物学製剤の休薬試験に参加しております。

全ての生物学製剤に優劣はなく、『患者さんのへ安全性を第一』をモットーに主治医として最新の知識を取得し、それらを患者さんに伝えそれぞれの生物学製剤のリスクとベネフィットを十分勘案した上で最良の治療方法(治療薬)を患者さんと共に決定するのが今後も重要と言えるでしょう。
ブログ作成中に早く遊んでおくれ!と見つめるソラちゃん
と言う事で、往復の新幹線の5時間の間に溜まりまくっておりました関節エコーや骨粗鬆症の文献、学会で購入した書籍を読み漁っておりましたら、あっと言う間に1日が終わってました((+_+))。明日からまた頑張ります(^^)/~~~

2016-09-25 22:29:00

講習会・勉強会・資格認定   |  コメント(2)

 
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コメント

肺の病変が悪性腫瘍の場合はオレンシアを問わず生物学製剤の使用は禁忌となっております。肺がんの診断までは主治医とリウマチ専門医と相談の上 抗リウマチ薬⇒可能であればアザルフィジン®、ケアラム®といった免疫調節剤を使用します。痛みや腫れが強い場合はトリアムシノロンアセトニドの局注で対応し免疫が低下しない様 可能な限り経口ステロイドは使用しません。肺がんに対して化学療法が必要な場合はリウマチ治療を中断し化学療法に専念します。肺がんが早期がんで根治的手術が可能な状況で術後に関節リウマチが悪化し免疫調節剤で効果が得られない場合はこちらも主治医とリウマチ専門医と相談の上 発がん性が少ないエタネルセプト(エンブレル®)やアバタセプト(オレンシア®)の使用の選択肢となるかもしれません。まずは肺の影の確定診断が急がれると思われます。またお困りでしたら御相談ください。

東永内科リウマチ科です / 2021-04-20 22:08:17

初めまして、最近母がリュウマチと診断され、オレンシアの治療を受ける為詳しい検査をすると肺に影見つかり、オレンシアは肺がんには使用出来ないのでしょうか。

竹内 緑 / 2021-04-15 07:35:31

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