医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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...第18回日本骨粗鬆症学会にて発表、参加して参りました!(後編)

...第18回日本骨粗鬆症学会にて発表、参加して参りました!(後編)

前編に続き、日本骨粗鬆学会レポート後編です。ランチョンセミナーでお腹いっぱいになり、眠気をこらえて次のセッションへ。次の演題は当院と最も関連の深い『ステロイド骨粗鬆症』についてのお話でした。ここで・・・
大腿骨骨折のリスク因子
 
①家族歴 2.28倍
②ステロイド 2.20倍
③リウマチ 1.83倍
④喫煙1.75倍
飲酒2合 1.60倍  この頻度を考慮しますとテロイド骨粗鬆症は非常に骨折率が高いと言えます。骨密度が正常でもステロイドにより骨架橋その物がかなり脆弱化している事より非常に骨折しやすい病態と考えられプレドニン20㎎以上で急激に骨折リスクは上昇し、又少量の5mgでも骨折すると言われています。骨折しない最低量としては71μg➡僅か0.071㎎!?

内服後の3ヶ月以降が最も骨折しやすく早期介入が重要と言えます。男性でもステロイド骨粗鬆症にて無治療にて66%も骨折立が上昇。男性は転倒骨折すると1年で半分以上死亡し大変不幸な転帰を遂げる事となります。膠原病におけるステロイド投与量はかなり多く又、

特にSLE患者さんは日光過敏症から紫外線を避ける必要がありVitD活性低下➡骨密度低下となります。強皮症もステロイド使用患者さんも消化管障害からCaの吸収がかなり低下する為 より易骨折性となります。20~30歳と若い人が多いのですが年齢が若くても早期に治療介入するかが重要と言えます(小児のリウマチ膠原病患者さんにも骨粗鬆症の治療が必要)。


そこで続発性骨粗鬆症として最も多いのがステロイド骨粗鬆症に於いて、2014年に診断治療ガイドラインが策定されました。骨密度測定、X線評価せず治療介入する事が可能となり骨折予測因子を明確化した日本独自のガイドラインなのです。当院HPにも詳しく掲載しておりますhttp://www.touei-clinic.jp/original19.html)。

これだけしっかりしたガイドラインですが 
ステロイド2mgの相対的適応者に対するガイドライン遵守率⇒2%以下
ステロイド5㎎以上の絶対的適応者でもガイドライン遵守率⇒20%以下

とまだまだ十分知れ渡っていない状況です。

治療適応の場合は第一選択薬はビスフォスフォネート剤(BP剤)の中でのアレンドロネート、リソドロネート剤が挙げられます。小児膠原病患者もBP剤有効 妊婦さんは動物実験で胎盤移行性が強い催奇形性が心配されましたがアレンドロネート酸は大丈夫でした。当院のHPのフリーページにも記載してますhttp://www.touei-clinic.jp/original27.html)。


BP剤を内服しても骨折が進行する患者さんもおられ、期間限定のテリパラチドをいつ使うか?ステロイド骨粗鬆症に対してヨーロッパで承認されたデノスマブ(プラリア®)も長期(20年以上)安全性も考慮するどの時点で治療を変更スイッチするか課題も残る状態とも言えます。リウマチ患者さんの7割がビタミンD欠乏状態でビスフォスフォネート剤だけでは骨密度が増えないことも多々ありBP剤とVitD併用が必要とされます。

ステロイド骨粗鬆症治療に於いてもBP剤の治療後先日私も骨粗鬆症シンポジウムで講演しましたテリパラチド(フォルテオ®)➡デノスマブ(プラリア®)が理想と言えそうです。

さてここで、私の発表ですが...

今回の学会抄録 私はP24-1のポスターセッションでの登録で、三重大学➡兵庫医大➡東京大学➡大阪南医療センター➡東北大学➡東永内科リウマチ科➡人吉医療センター➡野上厚生総合病院の順番でした。『東永内科リウマチ科』がちょいと恥ずかしい感じでした(+_+)。
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本来はポスターを添付し、決められた時間に発表と質疑応答をするのですが...

本年4月の日本リウマチ学会            今回の骨粗鬆症学会は質疑応答なくPCで閲覧のみ(-_-;)

折角採用されたポスターセッションでしたので口演発表の上、活発なる意見交換がしたかったところです...。その分シンポジウムの聴講に専念できましたが…。

クタクタ状態で許す時間の最後に聴講しましたのが『糖尿病と骨粗鬆症』でした。糖尿病患者さんに於いては骨密度の正常者が多く骨折リスクが少ないだろうと思われていましたが、骨架橋の悪化が認められ、易骨折性が証明されました。50歳以上の糖尿コントロール不良患者の3分の1に無症候性骨折歴あり 原発性骨粗鬆症は痩せていると骨折リスクが高まりますが、糖尿病骨粗鬆症では体重増加患者程リスクが高いことが解りました。


血糖コントロール不良群ではより骨折リスクが高まりAGEsの骨内蓄積➡ペントシジンの蓄積が高いほど骨折リスクが高くなる。海綿骨内にペントシジン濃度が高くなる事が証明され、ペントシジンが骨芽細胞の活性化を低下させる事も判明しました。チョイと難しいですが骨芽細胞の機能を高めるGH-IGF1の抑制に加えWnt遺伝子から生産されるスクレロチンが増加する事でより骨粗鬆症が進行。またAGEsは筋肉繊維の低下➡サルコペニアを引き起こし、より骨折率が高まる事も解ってきました。
 
2012年に糖尿病関連骨粗鬆症のガイドラインが策定された、三大合併症としてDM性腎症、網膜症、神経症ではなく、4つ目の合併症として骨粗鬆症も大いに取り上げられている様です。『前編』でも記載しましたがHbA1Cが7.5%未満であれば健常者と同じ骨折率となりますが、7.5%以上で骨折率が47%上昇します!

血糖値の変動が心血管イベントを上げるが、空腹時の変動が強いほど骨に悪影響を及ぼすリスクを高める事が解ってきました。いつの間にか骨折は糖尿病でより無痛性と言われています。身長変化 骨折歴 転倒歴 薬剤服用歴 大腿骨骨折の家族歴 50歳以上の糖尿コントロール不良患者の3分の1に無症候性骨折歴あり、血液の栄養タンパク(アルブミン)やCaの値が低い、血液のALP(アルカリフォスファターゼ)の高い人は骨折リスク上昇、叉薬剤別でいきますとインスリン接種者 チアゾリン SGLT-2阻害剤 メトホルミン内服者は骨折リスクが上昇⇑⇑するとの事。

糖尿病コントロール不良➡骨粗鬆症の進行➡大腿骨骨折➡寝たきり➡認知症と辛い経過を辿ってしまわない様、糖尿病の予防治療が重要です。ある臨床研究で3年半程度では血糖強化療法の強弱にて骨粗鬆症発生率が変わらないとの報告でした➡上記の7.5%説が最も信用性が高そうです。

治療面では骨質改善にはSERMが、高回転性骨粗鬆症にはBP剤、ビタミンKやVitDは骨架橋の改善につながる可能性が高い。(BP剤➡)リソロドネート、アレンドロネートも糖尿病患者さんに於いても遜色なく骨密度上昇に有効。BP剤の先行内服が糖尿の発症率や進行を抑制??と言う興味ある内容も!テリパラチド(フォルテオ®)、デノスマブ(プラリア®)糖尿骨粗鬆症にも十分有効との結果でした。

時計は午後4時を回りタイムオーバーとなりました。タクシーに乗り込み仙台駅へ...タクシー運転手さんに『観光はされないのですか?』と尋ねられ『仙台まで来て残念ながら1分も観光できませんでした』と返答しますと、是非せめての仙台土産に『たいりょうばたー(大量バター??)を買っていってください』と言われました。バター大量に買ってもと思いましたが、仙台空港で大量バター?を探しておりますと

大漁バターならぬ、仙台の老舗の蒲鉾やさん鐘崎の大漁旗でした(^^)/~~~

以上、日帰り弾丸骨粗鬆症学会ツアーを報告いたしました~。
来年の学会開催地は大阪の様で、是非学会会場は『なんばグランド花月』でお願いします(^_^)/。

2016-10-16 00:13:09

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