医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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...第31回日本臨床リウマチ学会に参加 発表して参りました!(聴講編)

...第31回日本臨床リウマチ学会に参加 発表して参りました!(聴講編)

発表を終えた後はイブ二ングセミナーと翌日の早朝シンポジウムに参加して参りました!大変なる多忙につき1日目はギリギリ発表で残るイブニングセミナーを。翌日は昼過ぎには大阪に帰らないといけないので早朝の生物学製剤シンポジウムを寸暇を惜しみ目いっぱい聴講して参りました。聴講した時の走り書きをやや支離滅裂的にマトメてみました。

東京女子医大膠原病リウマチセンター 猪狩勝則先生
のお話では、東京女子医大附属病院では全体の約25%にバイオ製剤を使用しているとの事で(当院とほぼ同頻度)使用の頻度としましては
1位ETN エンブレル®
2位TCZ アクテムラ®
やはりコストの安いバイオ製剤を多く使用している印象です


 メソトレキセレートを中心とした薬物治療の進歩とバイオ製剤の薬効からかなり高活動性患者さんは減少したとの事です。リウマチ友の会のアンケートで患者さんの期待は
①痛みと腫れが引く事
②変形した指の整容問題の解決。
③生活機能の改善


との事でした。疾患活動性が高いほど手術に至るケースが多くなり、病状が安定した寛解が続いても20年で1割は人工関節術に至るとの事です(活動性が高い時期が長い患者さん程、特に大関節の手術になる可能性大)。リウマチ友の会の人の半数は手術治療を経験しているとお話しておりました。生物学製剤が登場した2002年から➡2007年で手術件数は半減しているがその後は横ばいとの事。最近に於いては手と足の手術が多くなったとお話されておりました。患者さんの病態やニーズを考慮した様々な手術方法があるようです。



続きましては 関節エコーで大変お世話になりました
北海道内科リウマチ科病院 院長 谷村一秀先生のお話です。こちらの病院でもリウマチ患者さんの生物学製剤使用頻度は全体の25%との事。こちらは
1位ADMヒュミラ® 
2位CZPシムジア®

との事で、現在シムジア®を使用して、どれ位早く関節エコー下での炎症シグナルが消失するかを臨床研究されておりました。生物学製剤を使用して8週間で70%以上の血流シグナルが消失しないとその関節の骨破壊が進行するとの事でした。

シムジア®を使用する事で早期に関節シグナルが消失する事、(当院でも臨床研究中ですが)罹病機関が短い患者さん程炎症シグナルが早く消失するとの事です。因みに胎盤移行性が大変少ないので、エンブレル®と同じく妊娠中の高活動性の患者さんに選択できる良い薬ですとお話しておりました。

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2日目の朝一(8時)開始のシンポジウム 関節リウマチ治療Update~生物学製剤を中心に~を聴講して参りました。日本リウマチ学会の重鎮の先生方が集結してお話頂けました。

北海道大学 免疫内科学講座 渥美 達也 教授 
従来は関節破壊がレントゲンで出だしたら治療しましょうとスローペース治療が➡超早期診断超早期治療介入が必要となったとのお話。MTX(メソトレキセレート)とADM(ヒュミラ®)の早期介入試験(PREMIA試験)について解説されました。診断治療初期から両者併用するとより早く改善し、次にADM単剤、MTX単剤だと10年目の活動性には変わりはないが、骨破壊 骨変形の方は2年で限るとやはりMTX+ADMが最も抑止効果が強い。由って早期に両薬剤の併用が勧められるとの事。

しかし、当院では生物学製剤のコスト面やメソトレキセレートを副作用から内服できない患者さんもおられる事より、なかなか治療の最初からいきなり2剤併用開始は難しいかと(-_-;)。
 
 関節破壊が最も進行しやすい時期に如何に早く介入するか?ラルーセン分類3以上(中等度から重度以上で)は生物学製剤が奏功しても膝関節や股関節が等大関節に於いて破壊進行みられる。一旦大関節破壊が中等度進むと途中で良い薬を使っても手術になる可能性が高いとお話されました。如何に悪くなる前に早くリウマチを見つけて治療するかが最重要と仰ってました。
 
発症して4ヵ月以内でACPA(抗CCP抗体)が強陽性患者さんに#1CZP(シムジア)+MTX8➡増量16㎎グループと#2プラセボ(偽薬)+MTXを#1-157例 #2-159例の2群に分けて治療を開始(C-OPERA試験)。 MTXは16㎎の増量は全例難しく多くは消化器肝障害で脱落されMTX内服は11㎎が限界であったとの事...(当院でも10mg以上内服できる方は確かに少ない(-_-;)。

脱落しなかった患者さんの両群を比較しますと1年間での骨破壊抑止効果は#1の併用群は#2の群の約4倍抑止効果あり。やはり早期バイオ介入が重要と考えられますとコメント。
 
この臨床試験の特徴として、2年目で#1群のCZPを完全に中止することで、中止後は両群ともにMTXのみで経過を見る方法をとります。DASスコア(リウマチ指標)3.2以上に脱落するとCZP再開としますが、約半分以上が生物学製剤を再開する事となったそうです。

この試験で46.5%はバイオフリー(休薬)が可能となったとの事。
MTXも高用量でないと再燃するケースが多かったとの事。MMP3値が高い、CRP値が高い、骨びらんの最初から出現する場合は早期に生物学製剤を介入すべきとお話されました。
 
産業医科大学 第一内科講座の田中良哉 教授
MTXとTNF製剤をどう使うかを中心にお話 海外文献では最初から強力に治療し病状が中等度寛解で甘んじてはいけないとされています。長期の高度の治療効果をもって長期寛解を維持し生物学製剤の使用者は、真っ先にステロイドを減量→完全中止が望ましいとお話。低疾患での生物学製剤の中止はダメ、完全に寛解するまで辞めてはダメとの事。この完全な深い寛解を診断するには関節エコーの画像評価も重要であるとお話されておりました。


当院でも行っている様に関節エコーで44関節の観察にて全く異常の無い状況が6か月続けばバイオフリー(生物学製剤を休薬)の可能性が高いと。この方法で早期関節リウマチで50%がバイオフリーとなり、なんと!25%がドラッグフリー(薬剤全中止➡治癒)となった

当院でも上記の文献に則り、積極的に関節エコーを用いた生物学製剤の休薬を行っています(^O^)/

レミケード®の休薬試験では1年投与し半分(55%)がバイオフリー45%は再燃。休薬できるDAS-CRP2.22と深い寛解した患者さんに中止する事できましたが、浅い寛解ではすぐに再燃すると結論。ヒュミラ®休薬試験でも半年でDAS2.6以下となった半分が休薬できたと報告。発症早期で治療介入出来た人、治療の反応が良い人、深い寛解(DASスコア2.22以下)が出来れば半年で得られる人がバイオ製剤の中止が可能となったと話されていました。
 
発症後2年以内に深い寛解となれば半分以上生物学製剤休薬が可能で、2年以上ならかなり厳しいと。抗リウマチ薬も寛解期6か月維持出来れば減量可能。ステロイド内服している人は寛解状態であってもステロイドを内服している時点で寛解とは言わないと辛口コメント。
 
その他ACPA陰性、RF陰性の人 治療短期奏功の人も➡やめやすい。安全性、経済性、病期の治癒を考えると、今後リウマチ治療の休薬を是非進めるべきとお話しておりました。Deepな寛解を得るには関節エコー寛解が重要と仰っておりました。

続いて
兵庫医科大学 リウマチ膠原病内科 松井 聖先生
当院でも多く使用しております、オレンシア®を中心としたお話でした。オレンシアの適応は

①メソトレキセレ―(MTX)と併用できない
②ACPA高い
③骨破壊進行
④高齢者(副作用少ない)


これらの患者さんに有用と言われていました。
 
臨床試験としてABROAD Studyを紹介
中疾患活動性以上の65歳以上の患者さんでも若い人と同様、他の生物学製剤と比較して遜色ない結果と報告。こちらも早期治療介入、罹病期間が短い、ACPA高いとよく効き。 HAQスコア(生活機能)の数字に関係なく良く効いたとの事(とうえいブログのオレンシアサミットにも記載)。若い人はMTX併用が良く効く可能性ありと。オレンシアは感染症の合併や発がん性の報告も少なく、肺病変を有無には関係なく治療効果は一定➡肺病変(間質性肺炎)があっても使用できると強調。


 
東京女子医大膠原病リウマチセンター 山中 寿教授

高疾患の患者さんは著減し75%は寛解期を迎えている。
今後はどう薬剤を減量していくか。
消炎鎮痛剤の使用が減り、ステロイド使用も減っている。
寛解した先はどうするか?どういった人に薬剤が減らせるか
寛解を目指す時代から、達成した先は?次は?
 
2015年の医療費は41兆円 その半分の20兆円は高騰する薬剤費。平成元年からどんどん長生きし、医療は充実し健康になっても医療費が高くつき過ぎて財政が破綻し国が崩壊しては元も子もないとコメント。GDPの8%が医療費であり対費用効果の検討が今後は必要と。

 
深い寛解を半年以上維持 3年間順風満帆で40%は薬を全部止められる可能性。寛解維持はしっかり。寛解中はMTXの休止はダメ。 ステロイド止められる人ほどバイオも止められる傾向にある。骨粗鬆症は慢性腎臓病を有する高齢者は生物学製剤使用の単独が望ましいのではと結論。
 
今後はアクテムラ®の休薬試験ORION試験やドラッグフリー試験を紹介。深い寛解後にドラッグフリー(薬を全部中止)を行うと6か月間の経過で35%まで減少し1年間で13%まで減少。なかなか全部やめるのは難しいようです(+_+)。休薬後病状が再燃した時には、再び同じ治療で90%有効性が得られるとの事。投与間隔延長試験4週を➡6、8週と延長試験も実施中。疾患活動性が高いと血中濃度はいるが、下がると高い濃度は要らない。間隔をあけるのが医療経済的に有効とコメント。
 
①免疫原性が低く抗薬物抗体ができにくい
②疾患活動性が評価できる
③寛解維持の観察
④骨破壊の進展の有無の確認


これらをキチンと評価して休薬を行うのがベストであり。完全治癒には まだまだ先は長いとお話されました。

最後に慶応義塾大学 リウマチ内科 竹内 勤 教授 
今後の課題について...

①寛解100%難しい
②副作用は避けられない。
③免疫原性が高いと薬が効かない。
④とにかく薬代が高い。

 
とコメント。こちらもバイオ製剤の休薬試験についての臨床試験を報告されておりました。

新薬の話題として

IL-1β IL17 IL-23を標的とした治療が開発されたが効果は不十分でダメとの事。
マクロファージを活性化させ、TNFαに大きく関連するGM-CSFに対して、その受容体に結合する抗体抗GM-CSFR抗体(Mavrilimumab)が最も有力か??とのお話でした。

多くの先生が早期診断、早期治療の介入。治療評価から薬剤の減量、生物学製剤の休薬には関節エコーは欠かせないとお話しておりました。

かなり長文になりましたが最後まで一読頂きありがとうございます。10年ちょっと前はリウマチ治療の大革命と生物学製剤が話題となり6~7年前から生物学製剤が続々と誕生し、バイオ治療薬の最盛期に。3~4年前から治療薬の高騰から医療経済の話にスイッチされ、昨年頃から生物学製剤の休薬、減薬試験が多く発表されることとなりました。

当院ではこれからも関節エコーを駆使して早期診断、早期治療の介入。治療評価から薬剤の減量、生物学製剤の休薬につなげていきたいと思います(^_^)/

2016-11-01 20:41:00

講習会・勉強会・資格認定   |  コメント(0)

 

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