医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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...最新知見に基づいた新たな関節リウマチの治療戦略についての聴講して参りました。

...最新知見に基づいた新たな関節リウマチの治療戦略についての聴講して参りました。

『最新知見に基づいた新たな関節リウマチの治療戦略』につきまして浜松聖隷病院膠原病リウマチ内科 部長の宮本俊明先生の御講演を聴講して参りました(^_^)/。

3月は学会発表等が無い事より『聴講集中月間』と題し毎週御高名な先生方の講演を聴講しておりますが、専門医や指導医の資格を取得しても最新の学術的知見や知っておかないといけない知識はテンコ盛り状態であり
日々研鑽と鍛錬が必要と痛感いたします(-_-;)。

 

さて今回のテーマは如何に早く『関節リウマチ発症の初期段階で診断し治療介入を行うか』についてのお話でありました。構造的寛解➡身体機能の正常化➡リウマチ発症以前の姿を取り戻す治療を目指す事が最大の目標と冒頭でお話しされました。。

関節リウマチの発症直後には様々な治療法の可能性があり『最適な関節リウマチ治療の窓➡  window of opportunity』が全開になっていますが、診断や治療が遅れる事で治療の可能性の窓がドンドン小さくなってしまうのです。

window of opportunityを閉じさせない為に発症後最初の2年が勝負と言われてきましたが…今や発症後2か月が勝負とされており早期関節リウマチの早期発見と診断には関節エコーが絶対必須と言えます。早期関節リウマチの診断がされた場合のリウマチ治療のポイントは?メソトレキセート(以下MTX)を如何に上手くどう使用するかが大変重要であると宮本先生は力説されておられました。

MTXは副作用が多く怖い薬とのイメージはありますが、1mgを増量する毎に11%の主作用が増し、一方で副作用の上昇度2.9%に留まりMTXは決して副作用が強くない 有用性が上回る薬剤であると御話されました。『治療の窓』が開放している間にしっかりMTXを使用する事がリウマチ治療に於いて最も重要であるとコメントされておりました。初期段階で8mg/週を使用し副作用が無ければ短期間で➡12mg/週まで葉酸製剤(フォリアミン®)併用の下増量する。平均12mgはベネフィットは上昇するが14~16mg/週では寧ろリスクが上昇するとの事(私の経験上も激しく同意!)。

副作用として自覚症状 特に発熱や白血球減少等の骨髄障害を疑う場合は➡休薬等の病状管理が大変重要との事。肝障害と消化器症状にて減量止む無しの場合もしばしばありますが、フォリアミン®薄めて連日投与(7分割)を行う事でかなり消化器症状が軽減され、一方でフォリアミン®を7分割(院内処方で葉酸分割の調剤が難しい場合はパンビタン末®️2g/日(分1)で葉酸含有700mg×7日≒5mgにて代用も可能です。)したところ治療効果減弱や副作用の増加等は一切認められませんでした
  (⇐1回量2g)

当院でも宮本先生葉酸分割(パンビタン®連日投与)方式にて消化器症状が改善し多くのリウマチ患者さんが再び十分量のメソトレキセートの内服が可能となり、関節注射の併用にて早期の構造的寛解やバイオ製剤導入回避に繋がったのです!是非皆々様お試し下さい!(*1回2gのパンビタン®は少し量的に多いですが、量の多さよりも副作用の軽減が遥かに上回るので当院の患者様は皆 特に問題無く継続内服できております(^_^)/。)
  (←緑マークは葉酸)
その他MTXを1日で2分割(6錠なら朝3錠 夕3錠)するよりも2日に跨がって(朝2錠 夕2錠 翌朝2錠)3分割にすると主作用を減じる事なく副作用…特に消化器症状が軽減すると御教授頂きました。少しでもMTXを身体的に負担の無い様々な方策を御教示頂き宮本先生誠にありがとうございました<(_ _)>。宮本先生の自験例でも25例1か月以内 6例が2か月 1例が3か月で消化器症状が改善したとの事でありました。

メソトレキセートを12mg/週をしっかり使用する事でリウマチ治療の道が開け、リスクより遥かにベネフィットが上回るのですが…
 
ここからは私見でありますが、先日聴講したMTXを長期服用する事で肝臓の検査に異常なく肝硬変が進行する場合http://www.touei-clinic.jp/app/Blogarticleview/index/ArticleId/350やMTX服用中に突然リンパ腫を引き起こすhttp://www.touei-clinic.jp/app/Blogarticleview/index/ArticleId/201可能性も存在する事より(当院でもMTX関連リンパ腫を2例経験➡いずれも軽快治癒)、知識と経験の下でそれぞれの患者さんに応じたMTXの使用をする事が大変重要と思われます。

次の御話として、MTXを十分量使用し患者さんの自覚症状が寛解しても血液検査等でまだまだ炎症所見が残っている場合、主治医のゴールと患者さんのゴールに開きが出る事がしばしばあります。MTXと生物学製剤を併用する事の事前の説明が重要であり、その必要性を共有する事が更に重要であると御話されました。

 

最初に治療ゴールの共有が無いままギャップが埋めれず様子を見ている内に病状が進行してしまう事が大変問題であり、治療の合間にしっかりとしたコミュニケーションが必要と御話されました(当院では関節エコー所見を患者さんに小まめに御示する事で主治医と患者さんとの病状共有に力を入れております)。

最後に生物学製剤の選択についてお話されました。早期にバイオ製剤を投与しても、症状が強くなった後で生物学製剤を投与しても臨床的寛解指数の結果は同じ早期関節リウマチに於いて従来の抗リウマチ薬(MTX)のみとアダリムマブ(ADA)を早期導入した場合の臨床試験HOPEFUL試験があります)。しかし構造的寛解(骨破壊の予防効果はADA併用群の勝ち)には大きく差があり。生物学製剤の早期使用の見極めが大変重要と御話されました。
 
ここからマタマタ私見でありますが…経済的に余裕があり、感染症の心配がなければ関節リウマチの診断されたその日から是非生物学製剤を患者さん全員に使用したいところです。しかしいきなり月額4~5万円の治療薬の開始となりますとかなり医療費的にキツイですし、かといって抗リウマチ薬だけで経過を見ていると骨破壊が進行しても困ります…。このジレンマを埋めるべく2年越しのMTX+関節注射 vs ADA使用群と比較して、骨破壊+軟骨破壊の合計スコアの有意差が無かった事から当院ではトリアムシノロンの関節注射+MTXを積極的に行っております(詳細はhttp://www.touei-clinic.jp/original56.html#anc04http://www.touei-clinic.jp/original57.htmlをご参照ください。)

宮本先生の御話からかなり脱線してしまいましたが…生物学製剤選択肢につきましては4月7日のリウマチ病診連携の会の内容を含めてお話致します。宮本先生大変貴重な御講演誠にありがとうございました<(_ _)>。

2018-04-03 22:41:00

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