医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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...社外講師勉強会にて講演して参りました。

...社外講師勉強会にて講演して参りました。

6月6日に医療関連施設からリウマチに関する講演の依頼を頂きお話しして参りました(^_^)/。今回はいつもの関節エコーの有用性やトリアムシノロンの関節注射の効能の御話しは少しに留め、私見も交えて抗リウマチ薬の中でも特に生物学製剤について全般的に御話しして参りました。
  
まずは生物学製剤の抗体製剤と非抗体製剤の違い、インフリキシマブ、トシリズマブ、ゴリムマブ…これら名称の語源や識別方法について解説。生物学製剤としてこの世に最初に登場したインフリキシマブがマウス抗体とヒト抗体が遺伝子組み換えにて生成されキメラ抗体と呼ばれる語源についても解説しました。
  
キメラは実在しない『顔がライオン、体が馬』であるギリシャ神話の動物が語源である事と、『顔がおば様で体がチーター』の大阪ガメラ…じゃなくて大阪キメラが各街に点在します…のギャグに大爆笑を頂きました。キメラ抗体の抗原(TNF)に対する喰いつきが良いのを『おば様 最恐抗体』の噛みつき凄まじさに例えて話したところこちらも大いに笑って頂けました(漫談に行っているわけでありませんが(^^;))。
  
抗体製剤でも効果が減少するような中和抗体が出来ない様遺伝子組み換えでヒト化したり、トランスジェニックマウス等を使用し完全ヒト型にしたり、最近発売されたサリルマブは更に免疫原性の強い野生マウスに匹敵するvelocimmuneマウスを用いて遺伝子組み換えを行っていることを解説。第一選択薬としてよく使用されるTNF製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、エタナルセプト)の使い分けと各製剤の当院での位置付けについても御話ししました。
  
生物学製剤の中でも副作用が比較的少ないとされるエタナルセプトの効能や他のTNF製剤の作用機序の違い、エフェクター細胞への細胞障害のメカニズムについても解説致しました。続いて高齢関節リウマチ患者さんに頻用されるアバタセプトとノーベル賞に匹敵する大阪大学免疫フロンティアセンター教授の坂口志文先生が発見された制御性T細胞に関する最新の話題。アバタセプトが樹状細胞と細胞障害性T細胞と結合する更に上流で免疫の見張り番である樹状細胞に大きく関与し免疫を制御している御話しもして参りました。
  
また、抗CCP抗体産生に直接関わるとされるCXCR5を放出するCD28陽性Tfh細胞にも作用する為、抗CCP抗体が高値の患者さんにアバタセプトが使用される根拠も解説致しました。当院でも頻用しております抗IL-6受容体製剤でありますトシリズマブの効能とヒト化抗体から完全ヒト型抗体へ進化を遂げたサリルマブについても御話しました。
  
メソトレキセート非併用の状態でのアダリムマブとサリルマブのガチンコ対決した最新の論文を紹介。結果的にはサリルマブに軍配があがり、従来の抗IL-6受容体製剤の『効き目が緩やか』を払拭するほど効果の発現が早い事も紹介。高齢者のCRP高値の患者さんに是非使用したいところですが、論文の年齢層が50歳代と若いのとリウマチの病状評価に骨破壊の目安となるX線検査が含まれていない事に少し注文を付けました。
  
メソトレキセートが使用できない高齢者の生物学製剤の選択と、高齢者の方々は元々関節機能が弱っているのに、そこに活動性のリウマチと骨粗鬆症が加わると短期間で寝たきりなる可能性があり、効果の即効性と安全性の両立ができる薬剤を期待したいと御話ししました。
  
今度は妊娠と生物学製剤の話に移りました。インフリキシマブやアダリムマブは胎盤移行性が大変強く関節リウマチの妊婦さんには禁忌であり、胎盤移行性が強い原因として抗体の根っこの部分(Fc領域)と胎盤の親和性が高い事が原因と解説。一方でFc部分を有さないセルトリズマブぺゴルは胎盤と結合しない事から妊娠希望の関節リウマチ患者さんには最も安心で、Fc領域を有するも胎盤親和性が低いエタナルセプトも次に安心である事も解説。しかし分子構造が近いアバタセプトは胎盤移行性が高く、妊娠希望の方には使用できない事も報告しました。
  
セリトリズママブぺゴルはFc部分が無いのでアレルギー細胞と結合し難く注射部反応が少ない事より、生物学製剤にアレルギー反応が出やすい人に有効。又ペグ化により分子量が小さく可溶性である➡血中濃度安定➡中和抗体が出来にくい…はずですが実際はMTX非併用では中和抗体の出現率が高く、細胞障害活性を有さない事からあくまで私見ですが他のTNF製剤よりも効果がやや低い印象である事も御話しました。続いて2016年の関節リウマチ治療のリコメンデーションに於いてでフェーズ1、フェーズ2で効果が無かった症例に対して…
  
フェーズ3としてJAK阻害剤を使用し著効した患者さんの症例を紹介(フェーズ2でもJAK阻害剤は使用可能です)。またJAK阻害剤効能、分子生物学的な作用機序といった基礎的な内容も御話ししました。生物学製剤と比較して帯状疱疹ヘルペスの発症が多い事と、最初にJAK阻害剤(トファシチニブ)が登場した時発がん性が懸念されましたが、結果的には現在の生物学製剤と頻度は変わらず、また当院でも投与しておりますバリシチニブは寧ろ発がん性が低い結果に。まとめとして当院の生物学製剤とJAK阻害剤の位置づけについても詳しく御話し致しました。
  
最後に当院の生物学製剤の使用状況と抗リウマチ薬の作用機序の整理、各薬剤の安全性と有効性の位置づけ、有効性と対比用効果の位置づけについても御話しました。特に当院のイチオシトリアムシノロンの関節注射は安全性 有効性 経済性を最も高い位置づけとしました(^^;)。
  
1時間の講演が『おば様とチーター』のガメラ抗体…じゃなくてキメラ抗体等要らん話が多すぎて(寧ろ面白くて解り易かったと好評頂けましたが(^^;))7分超過してしまいました。講演終了後はトリアムシノロンの関節注射の効能や関節エコーの有用性、新規生物学製剤のサリルマブの何に期待しますか?等多くの質問を頂けました。皆様ご清聴ありがとうございました<(_ _)>。

2018-06-10 15:18:00

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