医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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...第24回リウマチ病診連携の会にて講演して参りました(第4編)

...第24回リウマチ病診連携の会にて講演して参りました(第4編)

第3編の続きですが、MTX関連リンパ腫を組織のタイプ別にEBV+DLCBL=EBウイルス陽性 瀰漫性B細胞型リンパ腫、DLBCL‐NOS=EBウイルス陰性 瀰漫性B細胞型リンパ腫、CHL=古典的 ホジキン型リンパ腫、P-LPD=多型性リンパ腫、EBV+MUCU=EBウイルス陽性 粘膜節外型リンパ腫、NS-LPD=非特異型リンパ腫の6種類に群別し、①消退群 ②再発群 ③残存非消退群 ④急速全身進行群と組み合わせますと…
 
全体的には①消退群が多くを占める印象ですが…組織のタイプによっては抗がん剤(化学療法)が必要な黄色や赤が(再発群や進行群)目立つグループ認められます。やはり進行群が多いタイプはEBウイルスと関連の無い瀰漫性B細胞型リンパ腫で、EBウイルス陽性のB細胞型リンパ腫と消退率が大きく異なるのがわかります。また、原発性悪性リンパ腫で最も予後良いとされるホジキン型(中心のリードシュテルンベルグ細胞のみが悪性で、周囲の異形成細胞は反応性に異形が認められる為 腫瘍全体の量が大変少ないとされています)が、MTX関連リンパ腫では消退率が低く治療も難渋することが多い状況です。又、粘膜節外病変もEBウイルス陽性から消退群が多く、当院2例目の症例と同じタイプとされるも非特異型リンパ腫も消退群が多い結果に。
 
最も重要とされます、MTX-LPD発症後に化学療法を受け生存率が比較的高いのはEBウイルス陽性 瀰漫性B細胞型リンパ腫、非特異型リンパ腫、EBウイルス陽性 粘膜節外型リンパ腫であり一方で、様々な組織を有する多型性リンパ腫はタイプによっては生存率が低く、EBウイルス陰性 瀰漫性B細胞型リンパ腫の再発群 残存非消退群、古典的 ホジキン型リンパ腫の再発群 進行群の生存率が低いのが気になるところです。これらの生存率の低いタイプの多くはEBウイルス陰性のタイプが多くを占め、EBウイルスとMTX-LPDとの関連性は低いと言う報告もありますが、徳平先生の文献ではやはりEBウイルスとの関連が重要と言えそうです。
  
単純に掛け算 割り算で数字を出すものでは無いですが、225例のうち消退したのが50%を切っており(48%)、MTX-LPDにて半数以上が抗がん剤(化学療法)の適応とはかなり厳しい数字であり、しかも化学療法を行った患者さんの3割弱(28%)が亡くなっているのは個人の感想としましても『医原性としての生存率が大変低く』由々しき事態と言えそうです。化学療法の線引きとなる危険因子としてEBウイルス以外の関連性は?
   
徳平先生の論文の報告では完全に証明されていませんが、リウマチ罹病歴が長い人(慢性炎症の持続している状態)や高齢女性(加齢性変化から免疫異常が出やすい)、白血球の遺伝子多型を挙げておりました。特筆べき点としましては一番の消退型では『第1編』でお話しましたEBウイルスの監視役のCD8陽性の細胞障害型Tリンパ細胞がNK細胞と共に減少した後に増加回復する事が判明しており、今後CD8陽性T細胞の回復の仕組みが判明すれば、再発型 残存非消退型の進展の予防が可能となりそうです。
   

MTX-LPD発症時に自然消退するか、再発 残存し化学療法の適応となるかのもう一つの目安となるのが『発症時の可溶性IL-2レセプターの値、CRP値 高熱』が重要と報告されている文献を紹介。可溶性IL-2レセプター値が4000以上(相当高値(_;)CRP5.0/dl以上、発熱の状態にて消退群になるか、再発群 残存非消退群になるかが予見されるとの事。当院の自然消退群の患者さんはやはり発症時に発熱無く、CRPも1~2㎎/dl台で可溶性IL-2レセプター値も886U/ml1052U/ml4000台には至らない低値の為 消退したかと推察できます。

  
もっと発症する前に予防できる所はないのでしょうか?何年までなら内服したら大丈夫、累積量で何㎎までなら大丈夫…といったデータに期待したいところですが…東北大学病院が発表した胃粘膜瀰漫性B細胞リンパ腫の患者さんはたった6ヶ月内服、その他の学会報告では3か月の内服で化学療法が必要なMTX-LPDを発症したとの報告もありあります。一方で30年近く内服してLPD発症したケースもあり、MTX内服期間が5~10年が平均的に多いと報告されるも発症年数の幅が広く内服量や内服期間の面でも安全性が証明できない状況です。

得平先生がまとめたMTX-LPDの一般的臨床像 病理学的特徴 臨床的特徴 予後因子 今後の調査すべき研究にてついては上記の通りです。臨床像 病理像 予後転帰は少しずつ解明されつつありますが、最も知りたいところは何人に1人発症するかの点です。100人あたり1~2人?と漠然とした報告から日本リウマチ学会に於いては『報告数は増加しているが、年々発症者が増加している事はない。海外の疫学調査ではMTXを使用する前と現在のリンパ腫発症の頻度は変わっていないと報告されている。と明記している一方で、日本人は欧米人と比して『最大で10倍発症率が高いとの報告』もあり、具体的な発症頻度の調査結果を待ちたいところです。
  
単純計算でまったく科学的根拠はありませんが、当院で361名の通院患者さんでMTX内服患者さんが278名ですと70人に1人発症する計算となり決して稀な合併症とは言えません。しかしこれだけでMTXが危険な薬とは到底断言できず数多くの関節リウマチ患者さんがMTXによって関節破壊や生活機能の低下から救われた事は紛れもない事実です。LPDを恐れてむやみにMTXを中止し関節リウマチが悪化⇒骨破壊 関節破壊 生活機能の低下となっては本末転倒と言えるでしょう。
  
ここから私見ですが、MTXをこれまで通りリウマチ診療の第一線で使用するスタイルは変わる事はありません。しかし患者さんには頻度は低いもののリンパ腫になる可能性がある事をきちんと説明し責任を持って処方する事が重要と考えます。また、早期発見早期治療に努めMTXにて寛解後は漫然と投与せず、積極的に減量 可能であればドラッグフリー(完全休薬)へ減量にて局所再発時はエコーガイド下でしっかり関節局注療法を行い、痛みと関節破壊を抑止の上 MTXに代わるイグラチモド(ケアラム®)、ジェネリックの登場でかなり安価になったタクロリムス(プログラフ®)を代用し、患者さんの意見をしっかりと聴いて希望があればMTXをさらに減量 中止を行うべきかと考えます。
 

長期MTX内服され罹病期間が長い患者さんに対しても漫然とMTXを投与せず、特に病期が進んでおりLPDの発症リスクが高い場合も積極的MTXの減量 可能であれば休薬し、その他の抗リウマチ薬を代用、医療コストはかかってもMTX非併用可能な生物学製剤や経口JAK阻害剤の使用を検討し、既に生物学製剤(JAK阻害剤)とMTX併用中の場合は積極的MTXの休薬、再燃時は生物学製剤(低用量であればJAKも)投与量を増やす、トリアムシノロンアセトニド局所療法を積極的に行うべきかと考えます。

 

MTX関連LPDにはまだまだ不明な点が多く、今後安心安全にMTXを内服して頂く為にもより具体的な研究調査が進むことを祈念しております。以上4編に及びましたが第24回リウマチ病診連携の会の講演内容の御報告を致します<(_ _)>。

2019-11-21 01:03:00

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