医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
医療法人 東永内科リウマチ科

〒533-0014 大阪府大阪市東淀川区豊新5-6-19
TEL 06-6329-0276

当院の専門外来
関節リウマチ外来のご案内
日本リウマチ学会専門医
指導医による4つのポイントを重視した関節リウマチの 専門診療を行っております。

 

土曜午前9:00-午後3:00関節
リウマチ専門外来のご案内
平日お忙しい患者様を対象とした関節リウマチに特化しました土曜専門外来です!

 

骨粗鬆症専門外来の案内
日本骨粗鬆症学会認定医による骨粗鬆症 リウマチ性疾患の骨折予防の為の専門外来を行っています!

 

関節エコー外来の案内
リウマチは早期診断、早期治療、早期寛解が大変重要です!!正確な早期診断の為、専門外来を診療中です!

 

診療についてのご案内
関節リウマチ、膠原病
関節リウマチ、膠原病に関するご案内

 

内科
当院の内科診療に関するご案内

 

骨粗鬆症、抗加齢医学
骨粗鬆症、抗加齢医学に関するご案内

 

※上記QRコードを読み取ると携帯サイトを閲覧することが出来ます。
アクセスカウンター

トップページ»  とうえいブログ»  講演・学会発表関連»  ...第9回関西関節エコーエキスパートサミット(SAKURAの会)にて発表して参りました!

...第9回関西関節エコーエキスパートサミット(SAKURAの会)にて発表して参りました!

...第9回関西関節エコーエキスパートサミット(SAKURAの会)にて発表して参りました!

第9回関西関節エコーエキスパートサミット(SAKURAの会)にて発表して参りました!今回は最大90名?近いエコーエキスパートの先生に加え メディカルスタッフの超音波技師、看護師の先生方も集結しました。前回討議討論致しました16歳の『特発性若年性関節炎』の患者さんが両膝関節痛に悩まされ、体育授業で走る事が出来ずリウマチ性の関節炎由来か、滑膜ヒダ障害(タナ障害)かの鑑別が必要となり…
  
両膝痛を認めるも、右膝関節の方の痛みが強く 関節エコー上も左と比して右膝の方が膝蓋上嚢に滑膜肥厚を所見を認める事からリウマチ性関節炎も否定できず。関節エコー造影MRIが施行できなかった為 確定診断に至らず議論の末 第8回SAKURAの会では関節鏡にて確定診断を行う事で一致し➡http://www.touei-clinic.jp/app/Blogarticleview/index/ArticleId/541今回は続編として発表を行いました。
  
地理的条件も加味し近畿大学奈良病院 整形外科の森成志先生に御高診と関節鏡にて手術加療を頂きました。詳細な関節鏡所見を御提供頂きましたところ…関節鏡を挿入し大腿骨表面に至った時点で既に滑膜ヒダの増殖を確認できました。
  
一方で右膝関節の膝蓋上嚢に関節鏡を進めますと相当な『リウマチ由来の滑膜増殖』を予想しましたが…僅かな滑膜肥厚に留まる結果に。右膝蓋大腿関節を観察しますと濃厚に生い茂った滑膜ヒダが認められ、機械的刺激(膝の屈伸)にて一部充血した赤色ヒダの所見も認められ十字靭帯周囲も鬱蒼と滑膜ヒダを観察
  
単純MRIの画像所見以上に内側滑膜ヒダの肥厚は顕著であり、膝蓋大腿関節から内側関節包に滑膜ヒダが関節裂隙に干渉➡ヒダが関節に挟まり痛みが悪化…リウマチ由来の関節炎が原因では無く内側滑膜ヒダの増殖と膝蓋大腿関節への干渉が原因と判明しました。
  
これらの増殖しきった滑膜ヒダに対してシェービングで滑膜ヒダを削って吸引を行い、鬱蒼としていた関節内が一気にクリアーとなりました(^_^)/。内側関節包に強く張り出し顕著に増殖している滑膜ヒダに対しては電気メスで照射し止血処置を含めて治療が行われて行きました。
  
かなり増殖している滑膜ヒダに対しては生検も兼ねて鉗子で切除され、左膝関節にも関節鏡が挿入されました。左膝関節の膝蓋上嚢を観察したところ関節エコー所見と同様右膝と比してリウマチ由来の滑膜肥厚は極軽度で疼痛原因に至らず。しかし右膝同様 左膝蓋大腿関節から内側関節包に滑膜ヒダがやはり干渉しており、左膝の痛みの原因も判明。
  
右膝関節同様に左膝関節の滑膜ヒダもシェービングし、みるみるうちに滑膜ヒダにて鬱蒼としていた関節内がクリアーになり、内側関節包の病変は軽微である事から電気メスを使用せず左関節内の手術も無事終了。
  
関節エコーの膝蓋上嚢の所見と実際の関節鏡の所見とは大きく異なったものの、エコー所見を肉眼で観察できた事は関節エコーソノグラファーとしては大変貴重な経験でありました。関節エコーで右膝関節と左膝関節の所見の違いが明確でありましたが、滑膜ヒダの所見が軽微であっても関節鏡所見での左右の所見の違いが実際にしっかり確認出来た事に大いに感動致しました。
  
文献的考察として滑膜ヒダ『タナ障害』のレビュー論文を紹介。古くは1863年にタナ障害が提唱され、今や関節鏡が普及しましたが1938年ではイラストを用いて詳細に滑膜ヒダ所見が報告されていました。今回は診断に難渋しましたが、文献の考察内でも滑膜ヒダに伴う炎症や疼痛の診断は難しく半月板損傷 軟骨損傷 骨軟骨炎等と誤診されやすく『タナ障害』の認識不足により多くの場合診断治療にミスが生じると記載されておりました。
  
和文の論文で小児の『タナ障害』の文献報告あり、本患者さんと同様に膝蓋大腿関節の大きく被るCタイプが最も多く治癒率が32%~55%と低く術後良好の要因として若年 男性 外傷誘因(壁を蹴ってから本患者さんは疼痛出現) Cタイプが挙げられ、本患者さんは全て良好な因子が備わり奈良病院の森茂志先生の手術の腕前も加わり術後激的な症状の改善を認めました。
  
今回の発表の前日に患者さんのお父さんに明日発表させていただく予定である事をお電話したところ『完全に屈曲する事はまだ難しいですが、痛みがウソの様に無くなり日常生活や体育授業には全く影響が無くなりました。御討論頂いた先生方に御礼を御伝えください。』と大変有難い御言葉を頂きました。今回このSAKURAの会を通して一人の患者さんを不自由な生活から解放出来大変嬉しく思っております。

御討議頂けました先生方 診断治療のきっかけの御高診を頂いた原 文彦先生 手術を施行頂いた森 成志先生、SAKURAの会の協賛頂いたメーカー様に深謝致します<(_ _)>。

2019-12-25 14:48:00

講演・学会発表関連   |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント