医療法人 東永内科リウマチ科

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...第24回膠原病症例検討会にて発表して参りました!(後編)

...第24回膠原病症例検討会にて発表して参りました!(後編)

前編の続きで…左手関節が強い炎症シグナルを検出するも『痛みの症状 関節の腫れ 血液所見 関節エコー所見は一致しない』低活動性DAS28-CRPが1.13の関節リウマチ患者さんにどう対応するか…
  
EULARの関節エコーのリコメンデーションに沿って診療しますと臨床症状が改善していても関節炎が残存していたら、治療変更もしくは治療強化?となりますが…治療変更は簡単にできるものでは無く、まして全く自覚症状の無い関節炎に対してメソトレキセートを増量すると副作用の可能性が…
  
生物学製剤の導入となりますと高額である事から経済的負担を患者さんに強いてしまう事から、ここはリウマチ内科医としてはリスクを恐れず 技術を身に着け 患者さんの為に低コストの関節注射を行うべきとお話しました。手関節でも難易度の高い尺骨遠位端と遠位橈尺関節からアプローチして関節注射を行う際は固有小指伸筋腱を傷つけない様 慎重に行う手技も紹介致しました。
  
提示した3症例も含めて、関節エコー診療の重要さをお話しましたが 最近になり関節エコー不要論が浮上…とあるリウマチ研究会に於いてARCTIC試験で『関節エコータイトコントール群vs従来の触診でのタイトコントール群で最終的に治療結果が同じであった』と報告された事から『関節エコーなぞ不要であり、患者を喜ばすだけの商売道具』とまで皮肉られた事もお話しました。
  
しかしARCTIC試験の背景を細かく分析しますと(関節エコーの権威の岡野匡志先生や三崎健太先生 大野滋先生 鈴木毅先生 成田明宏先生のコメントも引用しますと)、まず治療抵抗性が高い女性が関節エコー群に1.4倍も多く含まれており2群間でこの時点で不公平状態である事を説明。またDAS28CRPが4.4以上とかなり重症のリウマチ患者ばかりが対象手指関節は肩関節が評価に含まれていない最終治療評価にエコーを用いていないステロイドの内服薬を最大で1日15mg×7週間とかなり長期に大量投与されいる…
  
その他、腫れている関節に対して片っ端から関節注射を行っており、ステロイドの経口投与量を併せても日常のリウマチ診療ではありえないストラテジーである事も説明しました。一方で関節エコーの炎症シグナルが消失率が有意に関節エコー群が勝っており、今回の評価期間が2年間である事から3年以上であればエコー群の有意性が示される可能性もお話しました。また2016年のサブ解析ではエコー寛解の達成率が関節エコー群が勝っていた事も紹介。
  
2017年のサブ解析でも構造的寛解に最も重要となるのが関節エコーに於ける滑膜肥厚所見と炎症シグナル所見であった事が報告されていた事もお話し、結論としてARCTIC試験では関節エコーは不要と論じるのは早計であるとお話しました。そしてリウマチ町医者としては大変悔しい『関節エコーは客寄せの商売道具』と揶揄された事を反論すべく、順天堂大学教授の田村直人先生のグループが執筆された『関節エコーがリウマチ性疾患の患者さんの病状理解に大変重要であった』文献を紹介。
  
リウマチ性疾患の患者さん+関節炎精査中の患者さん100名に関節エコーを施行しエコー検査に対する満足度を調査」。7項目の質問に対して強く同意する程点数が高く(5点)同意が低い程点数が低い(1点)として平均点算出し、年齢別(65歳未満vs65歳以上) 予定検査vs随時検査 多数関節の検査vsピンポイント観察を行いました。結果的には80%以上の被験者が、「より容易な理解」、「より良いコミュニケーション」「関節エコーの医療機関の選択」に貢献した(P=0.013)。高齢者に於いてより満足度が高い結果となりました。画像優位性効果を有する関節エコーはICと筋骨格系の症候性患者の意思決定を共有するのに必須の検査であるとの結論から、関節エコーの有用性をしっかりあぴアピールして参りました。
  
その他早期関節リウマチ患者に於いて、関節エコーの滑膜肥厚や炎症シグナル所見と血管増殖因子やリンパ管新生因子の遺伝子発現が強く相関炎症誘発性の細胞およびサイトカインプロファイル強く関連している文献も報告。病理所見の観点からも臨床診療に於いて関節エコーによる滑膜炎の評価は大変有用である事もお話しました。最後に関節リウマチの早期診断に於いて、重要な所見をMRIでどこまで検出されるか…の文献で、腱鞘滑膜炎の検出が最も早期関節リウマチの発症因子と関連していた事を報告。
  
これらを応用し関節エコーで腱鞘滑膜炎を検出する事で早期の関節リウマチ患者を発見できる可能性もお話しました。その他…『関節エコ-を積極的に行うリウマチ医としないリウマチ医では、エコーを積極的に行うリウマチ医の方が診断まで0.23月vs1.38月と有意(P=0.014)に(平均で4週間)早かった。』『治療介入するまでの期間も関節エコーを用いる方が0.46月vs1.81月(P=0.003)(平均で6週間)と有意に早かった。』…と数多くの関節エコーの有用性を示した文献も紹介しました。
  
まとめとしてエコー診療が患者の理解度 満足度を上げ早期RAの診断、病状評価、鑑別診断にも有用で今後もリウマチ診療に関節エコーを多用したいと締め括り、関節エコーガイド下関節注射の普及に努めて参りたい事と、『とうえい関注ミニ道場』を開催し遠方から御出で頂く先生に関節注射をレクチャーしている事もお話しました。
  
持ち時間ピッタリの30分で口演発表は終了し、たくさんの建設的な質問を頂戴し大変有意義な発表となりました。座長を御務め頂きました淀川キリスト教病院 リウマチセンター長 庄田武司先生を始め主催メーカー様に深謝致します<(_ _)>。

2020-02-23 13:05:00

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