医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
医療法人 東永内科リウマチ科

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...局所注射手技のより技術の向上へ

...局所注射手技のより技術の向上へ

コロナウイルスの感染拡大の為、リウマチ研究会 講演会も全て中止となり 第64回日本リウマチ学会学術集会も4月➡8月に延期が決定しました。講演を聴講するのも自分が発表する時も多くの『新しいリウマチ学の知識』を獲得する絶好の機会なのですが...全くリウマチ関連の会が開催されず、自身の知識の低下を心配しております。現在は知識面よりも技術面に?重点を置き 局注療法の技術向上に取り組んでおります。
 
当院でのトリアムシノロンアセトニドの局注は関節変形や骨破壊の予防として殆どが『関節内』に注入しますが、痛みや可動域制限の原因となりますリウマチ由来の腱鞘炎(腱鞘滑膜炎)に対して『腱鞘内』にもしばしばトリアムシノロンを注入します。関節と比較して投与量は少量で済みますが、絶対傷をつけてはいけない『屈筋腱』に0.4㎜の極細針を2㎜に満たない腱鞘の隙間に留置し投与する為(1mm深く刺すと腱を傷つけ1mm手前に引くと皮下に漏れて脂肪陥没のリスクから)かなり慎重さを要します。主に『ばね指』とされます手掌の指の付け根にあります浅指屈筋腱の腱鞘滑膜炎に対して局注療法を行う事で激的に短期間で痛みと可動域が改善(症状の改善に時間の掛かる方も時におられますが…)します。
 
手掌(屈側部)だけではなく、手背(伸側部)にもしばしば腱鞘滑膜炎を発症し特に痛みにより手関節の可動域が強く制限されます。最も第6コンパートメント⇒尺側手根伸筋腱の腱鞘滑膜炎の頻度が高いですが、第3コンパートメント⇒総指伸筋腱も腱鞘滑膜炎をしばしば来し、見た目『手関節炎』と区別がつきません。しかし関節エコーにより『手関節炎』か『腱鞘滑膜炎』かを容易に鑑別でき第3区画に少量のトリアムシノロンを局注する事でこちらも殆どの方が痛みと可動域が速やかに改善します。

相当数局注療法の経験と技術を積んでも…難易度が高いのは手関節屈側腱鞘滑膜炎です。神経や血管がはり巡り、これまでは痛みの原因と炎症の場所を特定が出来ても解剖学的にアプローチが難しい事と、同部位穿刺の経験不足から従来は経過観察としておりました。しかし抗リウマチ薬を増量 追加しても効果が不十分な事が多く、患者さんの痛みと可動域制限を取り去る事ができず悔しい思いをしておりました。しかし画像の解析度の高い関節エコー機器のXarioを導入と技術の向上?にて難易度の高い手関節屈側部の腱鞘滑膜炎の対応も可能となって参りました。

正中神経と動脈に挟まれた手関節屈側部の長母指屈筋腱腱鞘滑膜炎も、絶対傷をつけてはいけない正中神経と動脈をかわしながらアプローチしトリアムシノロン少量を正確に投与する事で激的に即効で病状が改善。多くの患者様から喜びの声を頂きますが、逆に僅か数ミリの腱鞘内の炎症が『フライパンが持てない』『包丁が痛くて切る事が出来ない』などの症状を来す事に驚きを感じます。

しかし解剖学的に、正中神経 浅指屈筋腱 長母指屈筋腱 橈側手根屈筋腱に囲まれ深い場所に位置する深指屈筋腱の腱鞘滑膜炎だけはどうしても治療介入できませんでした。先日左手関節の疼痛に因る屈曲 伸展制限を来し、特に手関節を伸展する時に強い引っ掛かりと痛みが出るとの事で掛かりつけの関節リウマチ患者さんが来院。生物学製剤と抗リウマチ薬に臨床的寛解に至るも関節エコーでは深指屈筋腱の腱鞘滑膜炎を認めました。穿刺は難しいので『様子を見ましょう』の常套句は使用せず、腱鞘滑膜炎がプローブの圧迫により正中神経と長母指屈筋が解離し 表皮と深指屈筋腱の間に1mm強の僅かな隙間を発見。

過去に手関節の背側から関節内にトリアムシノロンを投与し(緑色ラインのアプローチ)し手関節から広がった薬剤の間接的な効果に期待するのも方法でありますがやはり直接腱鞘に局注する方が圧倒的に効果的で、屈側アプローチの経験は無いが青色ラインの穿刺アプローチが可能である可能性から患者さん御許可を頂き慎重に穿刺を開始。正中神経 橈骨手根屈筋腱 長母指屈筋腱 浅指屈筋腱を回避しながら深指屈筋腱 腱鞘に無事アプローチできトリアムシノロンを注入。穿刺前後の痺れや痛みもなく安全に投与が出来ました。

後日別件で当院から患者様に連絡した際に、注射後すぐに病状が改善し引っ掛かりも無く痛くて出来なかったし、調理も可能となったと喜びの声と今回の局注療法についての掲載の御許可を頂きました。コロナウイルスでリウマチ研究会 講演会が無い間はしっかり技術を積んで参ります<(_ _)>。

2020-03-18 08:59:00

とうえい外来   |  コメント(0)

 

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