医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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...コロナウイルス最新情報 治療編

...コロナウイルス最新情報 治療編

日に日にコロナウイルス感染症が急速に広がり、大ファンでありました志村けんさん 岡江久美子さんを含めた有名人の方が急逝し大変なる衝撃を与えました。感染拡大予防として非常事態宣言が発令され80%の接触回避を目標とされましたが実際は難しく、また十分なPCR検査が受けれない状況も続いております。ウイルス感染症の重症化の抑制からもコロナウイルスに対するワクチンの開発や治療薬の登場が大変期待されています。
 
治験や臨床試験を含めた現在のコロナウイルス感染症に対して医療の現場で使用されている薬剤は上記があげられ、最初はHIV(エイズウイルス)の治療薬でありますカレトラと言う薬が注目されました。カレトラはHIVウイルスが増殖する過程で、ウイルス本体に組み立てに必要なプロテアーゼという酵素を切断(下図赤矢印⬇️する特性を有します。
 
新型コロナウイルスもHIVと同様にプロテアーゼ活性を介して増殖することから当初は効果が期待されましたが、現在の治験では十分な効果が得られていない様です…文献の報告では『重症のCOVID-19成人患者にカレトラを投与しても、標準治療を超えるベネフィットは得られず悪心や嘔吐 下痢といった消化器系の有害事象の発生頻度が高かった』と結論付けていましたhttps://dime.jp/genre/885102/)。

 
続いては最も期待され現在コロナウイルス治療の救世主となる可能性が高いのがアビガン®であります。富士フィルム株式会社が製造販売している新型インフルエンザ用の薬剤であり、タミフルやイナビルといったインフルエンザウイルスの細胞外への放出抑制作用(青枠)ではなく、ウイルスの増殖に欠かせないRNAポリメラーゼという酵素を強く阻害します。コロナウイルスもインフルエンザと同様RNAポリメラーゼを介して増殖する事から、この酵素を抑制する事で重症化への抑止効果が期待されています。
 
国内の感染症指定病院では各病院の倫理委員会を通して患者さんの同意が得られば使用可能で石田純一さんもこの薬で病状が改善したようです。現在本邦にて200万人分備蓄され急ピッチで製造が進んでいます。日本人専用のアビガンの第Ⅲ相臨床試験が6月末で終了する為https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/04/01/06763/早ければ7月には広く臨床の場で使用できるかもしれません。しかし副作用としましては催奇形性が大変強く妊娠中 妊娠予定の女性には絶対禁忌で、男性の精液中にも薬剤が浸透奇形率を上げる事から服薬中、服薬後の性交渉にも厳密な制限が必要とされます。
 
もう一つ有効性が期待されているのが米国ギリアド社が製造販売してるレムデジビルで詳細な薬効は不明とされていますが、RNAウイルスの増殖抑制の特性を持ち、エボラ出血熱の治療薬として大活躍しました。RNAウイルスである新型コロナウイルスにも効果が期待されましたが中国での臨床試験では『レムデジビルはコロナ感染症に効果なし』と報道。患者層や治験のデザインに問題があるとの事からこの臨床試験の結果にギリアド社が強く反発し、WHOの拠出金の問題 コロナウイルス発生源騒動まで発展し米国vs中国の代理戦争状態に(◎_◎;)。
    
重症コロナウイルス肺炎に対してサイトカインストーム(免疫反応の嵐)を抑制する観点から関節リウマチの治療薬(生物学製剤)でありますトシリズマブが有効である事は前回のブログで御紹介しましたが、私が最も期待しているのは膵炎の治療薬として20年以上前から存在するナファモスタット、カモスタットであります。ウイルスが侵入する時に気道細胞のACE2受容体に結合しTMPRSS2という表面蛋白成分を融解し侵入するとされていますが、それを抑制するのがナファモスタット カモスタットなのです。
 
ノーベル賞級の最高位の科学論文誌『Cell』にカモスタットのコロナウイルス抑制の効果が報告(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32142651)され、現在東京大学や海外ではドイツ スウェーデンといった欧州に於いてもカモスタットの治験が開始されようとしています。呼吸器と感染症専門のエキスパートの実地医の先生が既に多く使用され効果が得られていると報告https://diamond.jp/articles/-/235053?page=2大変安価であり副作用も比較的少なく、催奇形性の報告も無く『慎重投与』ですが妊娠可能な方にも処方が可能です。

 
因みに多くの方が内服されている降圧剤 アンギオテンシン受容体阻害剤 通称ARB…○○サルタン系のお薬は服用することで上記のコロナウイルスが結合するACE2受容体が基礎実験に於いて気道細胞表面に多く発現する可能性が報告されました。コロナ肺炎の重症化のリスク因子の1つとして高血圧症⇒ARB服用患者⇒ACE2受容体発現↑↑⇒コロナ肺炎の重症化…と当初は懸念されましたが しかし臨床研究でコロナウイルス感染症で重症化した患者とそうでない患者の同剤服用率の差が無かったことから降圧剤は中止せず服用すべきと提言されました。

また新しい情報がありましたらご報告します。皆さん頑張ってこの難局を乗り越えましょう(^O^)/

2020-04-26 00:16:00

とうえい外来   |  コメント(0)

 

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