医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
医療法人 東永内科リウマチ科

〒533-0014 大阪府大阪市東淀川区豊新5-6-19
TEL 06-6329-0276

当院の専門外来
関節リウマチ外来のご案内
日本リウマチ学会専門医
指導医による4つのポイントを重視した関節リウマチの 専門診療を行っております。

 

土曜午前9:00-午後3:00関節
リウマチ専門外来のご案内
平日お忙しい患者様を対象とした関節リウマチに特化しました土曜専門外来です!

 

骨粗鬆症専門外来の案内
日本骨粗鬆症学会認定医による骨粗鬆症 リウマチ性疾患の骨折予防の為の専門外来を行っています!

 

関節エコー外来の案内
リウマチは早期診断、早期治療、早期寛解が大変重要です!!正確な早期診断の為、専門外来を診療中です!

 

診療についてのご案内
関節リウマチ、膠原病
関節リウマチ、膠原病に関するご案内

 

内科
当院の内科診療に関するご案内

 

骨粗鬆症、抗加齢医学
骨粗鬆症、抗加齢医学に関するご案内

 

※上記QRコードを読み取ると携帯サイトを閲覧することが出来ます。
アクセスカウンター

トップページ»  とうえいブログ»  講演・学会発表関連»  ...リウマチ治療の会にて講演して参りました。

...リウマチ治療の会にて講演して参りました。

...リウマチ治療の会にて講演して参りました。

9月18日土曜日、大先輩の杉山昌史先生に座長を御務めいただき、JAK阻害剤について講演して参りました。最近は殆どが当院からのライブ配信でありましたが、かなり久しぶりに梅田の大阪第一ホテル(丸ビル)まで行ってまいりました。
  
当日は外来診療はさほど混雑せず、時間通りに会場に到着し杉山先生が時間差で来場され時間通り会が始まりました。JAK阻害剤は未だ一般リウマチ診療に於いて処方数が少なく、当院では重症(生物学製剤の多剤耐性)患者さんが多数来院されます為 必然的にJAK阻害剤の処方数が増加し3年前と比較し処方量が10倍以上に増加している事を報告しました。
  
現在45例にJAK阻害剤を処方しておりますが、今回の講演では当院で2番目に処方の多いバリシチニブ(オルミエント)についての有効性と安全性について大変権威ある医学論文に掲載されております大規模臨床試験を紹介しました。まず最初に慶應義塾大学の竹内勤教授が代表者として発表されましたRA‐Begin試験。年齢やリウマチの病状、罹病期間、性別の偏りなくMTX単独群210例とバリシチニブ4㎎単独群159例、バリシチニブ+MTX併用群215例の3群に均等に振り分け52週間の治療効果を判定する大規模臨床試験であります。
  
結果としましてはバリシチニブ単独群では予想以上に治療効果ACR20)、リウマチの活動性のコントロール(DAS28-CRP)、生活機能の改善(HAQ-DI)、厳しいリウマチ寛解基準(SDAI)の全てにおいてバリシチニブ+MTX群に遜色無いほどが有意に病状の改善を認めました。しかし骨破壊の抑制効果(レントゲンでの骨破壊の進行度、骨びらんの抑制効果、軟骨浸食の抑制効果)はバリシチニブ単独群がバリシチニブ+MTX併用群より劣る結果となりました。52週での軟骨浸食は有意差は無いもののMTX単独群より抑制効果が低い?傾向に。しかし全体的な結果で言いますとバリシチニブ単剤でも十分効果が出ていると言えます。
  
続いてこちらも大変権威ある医学論文(NEJM)に掲載されました産業医大 田中良哉教授が代表責任者として発表されておりますRA-BEAM試験。年齢やリウマチの病状、罹病期間、性別の偏りなくプラセボ群(MTXのみ)488例とバリシチニブ4㎎+MTX群487例、アダリムマブ40㎎+MTX群330例の3群に均等に振り分け52週間の治療効果を判定する大規模臨床試験であります。結果としましてはバリシチニブ+MTX群が早期に治療効果を認め、厳しいリウマチ寛解基準(SDAI)においてもバリシチニブ使用群が有意に病状の改善を認めました。骨破壊の抑制効果(レントゲンでの骨破壊の進行度)、骨びらんの抑制効果軟骨浸食の抑制効果バリシチニブ投与群が有意にその効果を認めました。ここまでですとバリシチニブとMTX併用にての治療効果がかなり期待できそうです。
  
日本リウマチ学会 関節リウマチ診療ガイドライン2020が発表され、十分な抗リウマチ薬でも効果が無く、Phase1→Phase2へ移行する際は安全性や経済性を重視しJAK阻害剤ではなく生物学製剤の選択を勧めれておりますが、生物学製剤の効果が無くなるとPhase3への移行となりここでJAK阻害剤が登場します。権威ある医学論文の中で生物学製剤耐性のリウマチ患者527例に対しプラセボvsバリシチニブ2mgvsバリシチニブ4mgと均等に3群に分けて比較しました大規模臨床試験 RA-BECOMを紹介しました。
  
治療効果のACR20 50 70と生活機能の改善を評価しているHAQ2㎎、4㎎に有意差はありませんでしたが、厳しいリウマチ治療評価のDAS28CRP2.6以下とSDAI3.3以下はやはり4㎎が上回り…また追加の臨床試験の解析として、バリシチニブJAK1 JAK2を選択的に抑制することからJAK2誘導性のIL-6を抑制する為 抗IL-6受容体製剤の2次無効例に有効と考えておりましたがTNF製剤(エタネルセプト アダリムマブ インフリキシマブ)とNon‐TNF製剤(アバタセプト)と比較してもほぼ同等の治療効果が見られました。
  
大規模臨床試験の報告後は当院でのバリシチニブの著効例を紹介。空前絶後の骨破壊マーカーのMMP3値1600以上の患者に対し抗IL-6受容体製剤投与し一旦病状は改善するも効果は頭打ち状態に…ここでバリシチニブ4㎎投与を行ったところ劇的に著効MMP3値が4週間で1236.6→194、投与4週間後には41.6と正常値まで改善し、初回投与後1年2か月が経過した現在も関節エコー寛解が持続しており2㎎まで減量するも経過良好と報告致しました。
  
まとめとしまして本邦に於いてバリシチニブを始めとする5種類のJAK阻害剤が使用が可能となり、腎排泄性 肝排泄性を考慮し年齢と病状に応じた使い分けが重要である事、バリシチニブの効果は速効性でありアダリムマブと比較しても骨破壊の進行抑止効果も含め 勝るとも劣らぬ薬剤であり帯状疱疹ヘルペス以外(ヨーロッパリウマチ学会では心血管イベントや血栓症のリスクが低かったとの報告もあり)の安全性にも期待できうる薬剤である事、当院の難治性の関節リウマチ患者に対し短期間で寛解が得られ、長期安全性も確保されつつあり今後も適応患者に対しバリシチニブを使用したいと締め括り、最後は杉山先生とリウマチ治療の様々な観点から熱い?ディスカッションを行い、会は無事終了となりました。

2021-10-07 08:00:00

講演・学会発表関連   |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント