医療法人 東永内科リウマチ科

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…大阪ロコモカンファレンスにて講演して参りました!(前編)

…大阪ロコモカンファレンスにて講演して参りました!(前編)

1月19日水曜開催の大阪ロコモカンファレンスにて『関節リウマチに於けるステロイド骨粗鬆症』について講演して参りました。当日は講演会場には15名の先生方にご参加頂きましたが、WEBにて参加頂いた先生方は40名近くおられたと事でした。
  
関節リウマチ罹患患者さんの約半分の方に骨粗鬆症を合併しているとされており、高活動性の関節リウマチは過剰な免疫サイトカインが放出され直接破骨細胞を誘導TNFやIL-6といったサイトカインが滑膜表層細胞に作用しMMP3を過剰に産生させ関節破壊、軟骨破壊だけではなく局所の骨粗鬆症から全身性に骨粗鬆症を引き起こすとされています。
  
関節リウマチ単独の病態でも骨粗鬆症を引き起こすにも関わらず、経口のステロイド剤まで併用となりますと『ステロイド骨粗鬆症』が合併により更なる骨粗鬆症が進行します。日本骨粗鬆症学会のステロイド骨粗鬆症ガイドライン2014年に策定され非常にシンプルで分かり易い反面、軽症から重症まで治療が同じである事から、米国骨粗鬆症学会の指針を紹介しました。
  
ステロイド骨粗鬆症の重症度を40歳以上は骨密度とFRAX法て分類し、それに準じて治療薬剤の選択順位を提言しており、40歳未満は既存骨折とステロイド投与量にて重症度を分類し治療指針を提言しています。
  
2014年にステロイド骨粗鬆症ガイドラインが策定され、8年目となりますが、中々改訂されない状況ですが第一選択薬でありますアレンドロネート、リセドロネート以外にも様々な薬剤でステロイド骨粗鬆症への有効性が示されています。Lancetという大変権威ある医学論文に於いてゾレドロネート(リクラスト®)の報告によりますと…
  
ステロイド骨粗鬆症に対してゾレドロネート5mg415例(治療中272例+予防144例)vs リセドロネート5mg417例(治療中273例+予防144例)12か月投与後の腰椎 大腿骨全体 大腿骨頚部のBMDと骨代謝マーカーの推移をを比較検討した結果…ゾレドロネート投与に於いて治療群 予防群の両群にて腰椎 大腿骨近位部 大腿骨頚部のBMDがリセドロネート群に比して有意に上昇し骨代謝マーカーも有意に抑制された。有害事象に有意差は認められ無かった事からステロイド骨粗鬆症に対するエビデンスの高いゾレドロネートの有効性が示されました。
  
では、代替治療薬の1番目に登場します遺伝子組み換えテリパラチドの効果は?こちらも権威ある医学誌 New England Journal of Medicineステロイド骨粗鬆症に対する遺伝子組み換えテリパラチドの有効性が報告されています。テリパラチド20μg/日214例 vs アレンドロネート10mg214例 18か月投与後の腰椎 大腿骨全体のBMDと骨代謝マーカーの推移をを比較検討した結果…
  
18か月投与にて腰椎 大腿骨近位部の骨密度がアレンドロネート群に比し有意に上昇し、骨代謝マーカーは有意な亢進が見られました。原発性骨粗鬆症では遺伝子組み換えテリパラチドでは大腿骨々密度が増加しないにも関わらず、ステロイド骨粗鬆症の病態に対してはアレンドロネートと比較しても有意に骨密度を増加させたのは意外な結果でありました。ウィークリーテリパラチドはガイドラインには明記されておりませんがその効果は?
  
京都府立医大の川人豊先生が執筆された文献ではその有効性が報告されております。PSL服用中でBP剤不応の膠原病患者9例にW‐TPTDを18か月投与後の腰椎 大腿骨頚部のBMDと骨代謝マーカーの推移 投与前後の骨折イベントを観察する。結果的には腰椎骨密度有意な上昇と投与後の骨折イベントが激減。BP剤不応患者に対し週1回TPTD投与にては十分に許容され、コンプライアンスは良かったと報告。Weekly TPTDが膠原病のGIO患者にとって安全で効果的である事が示唆され、今後より多くの患者集団に於いて更なる研究調査が必要であると結論付けておられました。
  
ステロイド骨粗鬆症のガイドラインに記載されていない、ラロキシフェン ロモソズマブ デノスマブの有効性についてもお話しました。ラロキシフェンはエビデンスは高くは無いものの文献的には骨密度増加効果が示されており、米国骨代謝学会に於いてもステロイド骨粗鬆症の中等症 重症者にラロキシフェンを推奨しております。
  
ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体)原発性 重症骨粗鬆症に於いて腰椎 大腿骨々密度の増加と骨折抑止に凄まじい効果を発揮しますが、ステロイド骨粗鬆症に於いては原発性と病態が大きく異なる事と、関節リウマチを始め自己免疫疾患患者に於いては血清スクレロスチン値が低い事もあり現在ステロイド骨粗鬆症に対するロモソズマブの有効性の報告は無く、米国骨代謝学会にも推奨されておりません。
  
一方でデノスマブ(抗ランクル抗体)は関節リウマチのガイドラインに於いて骨ビランの抑止も含めてその有効性が示されており原発生骨粗鬆症でも腰椎 非椎体 大腿骨骨密度の増加効果と骨折抑止が報告されています。しかしステロイド骨粗鬆症に於いてはガイドラインに記載はされておらず一方でステロイド骨粗鬆症に於いて第一選択薬とされるリセドロネートとの比較試験ではその有効性が示されております。
  
デノスマブ60㎎339例(治療中217例+予防122例)vs リセドロネート5mg 352例(治療中221例+予防131例)12 か月投与後の腰椎 大腿骨近位 大腿骨頚部のBMDと骨代謝マーカーの推移をを比較検討。結果的にはデノスマブ治療群 予防群の両群にて腰椎 大腿骨近位部 大腿骨頚部のBMDがリセドロネート群に比して有意に上昇し骨代謝マーカーも有意に抑制されました。特に未治療群に於いては骨密度の増加効果と骨代謝マーカーの抑止は顕著に見られ有害事象には有意差は認められず、ステロイド骨粗鬆症に対するデノスマブの有効性が示されました。

後編に続く…。

2022-02-23 15:35:00

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