医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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...第2回IL-6エキスパートサミットにて関節注射について講演して参りました!(後編)

...第2回IL-6エキスパートサミットにて関節注射について講演して参りました!(後編)

第2回IL-6エキスパートサミットでの関節注射の講演の後編は下肢腱鞘滑膜と難易度の高い肩関節 肘関節 足趾のリスフラン関節 ショパール関節の局注療法について御話いたしました。
  
日常生活に大きく支障を来す関節リウマチ由来の肩関節炎ですが、特に肩峰上窩滑液包炎上腕二頭筋長頭腱への局注療法についてレクチャー致しました。滑液包に大きく滑液が多く貯留しますと比較的容易に穿刺注入は可能となります。
  
上腕二頭筋長頭腱も同様でありますが、肩峰上窩滑液包への穿刺と比較して穿刺角度が鋭角となります為、針が見え難くなるのが特徴であります。特に皮下の脂肪の多い方は針がより見難くなる兆候があり二頭筋長頭腱に針が当たらない様注意が必要です。
  
本患者さんの場合は二頭筋長頭腱がしっかり腫れており、脂肪の少ない方ですので、穿刺針が明確に描出され、針先が腱に当たっていない事を確認しながらトリアムシノロンアセトニドの注入を行います(赤矢印が薬液が充填している部位です)。
  
逆に皮下脂肪が多い方は脂肪組織と針の区別が非常に判り難く注射針を動かしながら脂肪の動きを確認し二頭筋長頭腱へアプローチをします。注射針の先が分り難い場合は二頭筋長頭腱を貫く時に『プチッ』と言う感覚が分りますので、貫通後はエコープローブで針先を探し腱の手前から慎重にトリアムシノロンアセトニドを注入します。
  
続いて肘関節の穿刺についてお話しました。基本的には血管や神経等の穿刺時のリスクが高い部位は避け、リスクの少ない肘頭窩からアプローチします。こちらもエコープローブと穿刺針が真水平にしないと筋肉を貫通する針の描出が分り難くなる事を説明しました。
  
左側の写真はエコープローブと穿刺針が平行している場合と右側の写真プローブ注射針が平行でない場合⇒針先端(赤矢印)が肘頭窩の関節包に到達するも針全体が描出されていない状況である事を解説しました。
  
関節包に注射針が到達後はトリアムシノロンアセトニドを慎重に注入し、薬液が関節包全体に拡散しているか(緑矢印)を確認します。続いて早期関節リウマチの好発部位であります後頚骨筋腱の腱鞘滑膜炎に対する局注療法について解説致しました。
  
縦断軸でも横断軸でもどちらでも穿刺可能ですが、横断軸の方が腱と腱鞘滑膜の境界が分り易く薬液を注入する場合も安全に針先が確認し易いとお話しました。腓骨筋腱の局注療法も同じく穿刺する場合は腱鞘滑膜へのアプローチ(穿刺ルート)を決定した後にマーキング行い、穿刺時はエコープローブと穿刺針が真水平にして穿刺し(特に針を寝かせて穿刺しますと)かなり分かり易く穿刺針が描出される事を御話しました。
  
後頚骨筋腱も腓骨筋腱も穿刺距離が短く、筋層を貫通しないことから、手技的には比較的容易であり、下肢腱鞘滑膜炎は足関節 足趾関節炎以上に生活機能を貶めますが、トリアムシノロンアセトニドの局注療法にて劇的に痛みと歩行障害が改善する事から積極的に注射を行うべきとお話しました。
  
前回の講演にて関節リウマチの好発部位であります足趾MTP関節への穿刺手技をレクチャー致しましたが、今回は意外と罹患頻度が高いリスフラン関節(中足部関節)ショパール関節(後足部関節)への穿刺方法についてレクチャー致しました。
  
リスフラン関節、ショパール関節の直上に足趾伸筋腱や足背動脈 表在静脈等が多く走行しており、局注療法に於いては難易度高い部位である事を説明しました。縦断で穿刺せず、血管や伸筋腱が当たらない様に横断で腱や血管を潜る様に穿刺する事をレクチャーしました。
  
血管や伸筋腱の位置が分かりにくい場合は、ドプラーモードで血管の位置を把握し伸筋腱はプローブを倒して腱と皮下組織を区別(プローブを倒すと伸筋腱は黒く映り、皮下組織は白く映ります)しながら関節包までアプローチし、到達後はトリアムシノロンアセトニド注入にて薬液が流入しますとドプラーが強力に出てしまい針の位置が分からなくなる為 Bモードに戻して注入すること事をレクチャーしました。
  
続いて、難易度は高くないのですが、危険度の高いアキレス腱付着部炎(後踵骨滑液包炎)に対する穿刺方法をレクチャー致しました。アキレス腱を誤って傷をつける事でアキレス腱断裂という非常に高リスクな合併症が出現す可能性があり、関節エコーを用いて穿刺する滑液包までの深さを慎重に確認しマーキングの上 穿刺する事が重要であるとお話しました。
  
アキレス腱付着部への穿刺は経験と多少の技術が必要となります為、最初は後踵骨滑液包が大きく腫れている症例から始め(左写真)慣れて来ましたら小さい踵骨滑液包(右写真)にチャレンジしていくべきとレクチャー致しました。アキレス腱付着部炎も関節リウマチに於いてしばしば見られ歩行障害の原因となり、局注療法を行う事で劇的に改善する部位である事もお話しました。
  
最後に前回時間の都合上 提示出来なかった母趾関節に対する局注療法についてレクチャー致しました。痛風性関節炎の場合にも有効であり、小趾関節と同様に真水平に穿刺する手技を紹介しました。『まとめ』としてエコーガイド下 関節内注射(IAGCI)はリウマチ医の必須の手技であり、VAS HAQの著明な改善が期待れる腱鞘滑膜炎への局注療法も是非 習得して頂きたい…

  
IAGCIは対費用効果大変高く、局注せず放置する事で、寛解率の低下 疾患活動性の高まり QOLが低下する事が示唆されおり。IAGCIは早期関節リウマチだけで無く、『リウマチ性疾患に於ける診療不可欠な存在』とお話しし1時間の講演は終了しました。この講演を機会に関節注射が広まる事を期待したいところです。本会のスポンサーを担当してくださった〇〇〇ファーマ様には重ねて御礼申し上げます<(_ _)>

2022-04-08 00:35:00

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