医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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...第8回リウマチケアの会にて講演して参りました

...第8回リウマチケアの会にて講演して参りました

3月15日(水)に第8回リウマチケアの会にて講演して参りました。今回はWEBと現地のハイブリッド開催で40名以上の方が御参加下さいました。
  
講演の前半は関節エコーを用いた当院の診療の取り組みついてお話し、後半は関節リウマチの予防の研究論文の御話を致しました。関節リウマチの発症と増悪に関わるのが従来から言われております喫煙であります。重喫煙者は抗CCP抗体陽性の関節リウマチ発症の可能性が高く、喫煙継続に由り気管支肺胞洗浄液細胞でのシトルリン化蛋白の発現亢進⇒免疫応答促進⇒関節炎の発症と重症化するとされています。
  
また子供が受動喫煙により成人で喫煙しなくても関節リウマチの発症リスクが大きく上昇すると言う北欧の論文を紹介。次に関節リウマチの発症の要因とされるのが歯周病です。歯周病の原因菌とされるポルフィロモナス菌 ジンジバリス菌抗CCP抗体の産生を誘導⇒関節リウマチ発症の可能性が示唆されています。重度の歯周病を有する関節リウマチ患者治療群vs未治療群患者と比較したところ...
  
治療群においてリウマチの活動性の有意な低下が見られ、血清TNF-α値も有意に減少したとされています。また現在の大阪公立大学 リウマチ膠原病内科の橋本教授の論文では歯周病有関節リウマチ患者群 VS 歯周病無患者群にて歯周病有群が有意に関節炎の活動性が高くフォローアップ中にメトトレキサート導入するリスクが高かったと報告。 歯周病重症度に比例しMTX導入率は増加し 一方でジンジバリス菌の存在は、リウマチ関節炎の活動性、MTX 導入率 とは関連しなかった事を御話しました。
  
続いて現在関節リウマチの発症と関連しているとされる腸内細菌のコプリ菌について大阪大学 遺伝子統計学の岡田教授の論文を紹介。プレボテラ属である日和見菌のコプリ菌は関節リウマチ患者の便を調べたところ健常者 21.4%(6/28 名) 関節リウマチ患者 75%(33/44 名)治療中リウマチ患者11.5%(3/26名)大きな差が見られ、新規発症の関節リウマチ患者に特に多くのコプリ菌が検出され、腸管内の炎症細胞活性化⇒関節リウマチ発症の可能性を示唆されている事も御話しました。
  
続いてリウマチ因子抗CCP抗体についてお話をしました。リウマチ因子はIgG-Fcに対する自己抗体であり、関節リウマチをはじめとする様々自己免疫疾患と関りが深い免疫グロブリンであり、リウマチ膠原病以外の疾患でもしばしば陽性となり、リウマチ因子が陰性でも関節リウマチを発症するとお話しました。又抗CCP抗体も同様であり、健常者でも時に陽性となり関節リウマチ患者さんの実に4分の1の25%が同抗体が陰性で発症する事を御話しました。
  
よく人間ドックでリウマチ因子の上昇を指摘され、関節リウマチを心配されている患者様に対してどの様にお話をしているか、論文を中心にお話しました。2240人の献血ドナーの血清を保存 関節リウマチ発症時のリウマチ因子と抗CCP抗体を定量し5年以内の発症率を解析した大規模疫学調査しましたところ…
  
リウマチ因子正常の3倍以下(45以下の場合は)5年以内の発症率は1.5%であり抗体CCP抗体においても正常の3倍以下(15以下)では5年以内の発症率が5%程度お話しました。リウマチ因子が3倍以上の単独陽性で高力価の場合は5年発症率が37.7%まで上昇し(私見としてはリウマチ因子が2桁であれば高力価では無い傾向にあると説明)抗CCP抗体では69.4%とかなり上昇するとお話しました。
  
リウマチ因子と抗CCP抗体が両方とも強陽性ですとほぼ100%発症しますが、両方とも3倍以下の陽性であれば私見としては発症しない事が多いことも御話しました。続いて遺伝子と発症因子の御話としてHLAーDR1遺伝子と関節リウマチの発症が強く示唆されており、特に0401遺伝子を有する場合は重症化するとされているとお話しました。また11,519人のスウェーデン登録者に対して家族間一卵性双生児の関節リウマチの発症率を疫学的に調査し家族間の発症率についても御話しました。
  
また当院で多用しております生物学製剤についての基礎的なお話から作用機序使い分けについてもイラストを交えて分かり易く?説明致しました。実臨床では生物学製剤の課題であります感染症の合併や抗体製剤の宿命で中和抗体がリウマチ患者さんの体内で産生されてしまい最初は効いていても後に効果が失活し病状が悪化する事も御話しました。
  
また正常免疫から関節リウマチの異常免疫に至るメカニズムについても御話し基礎的な好中球ナチュラルキラー細胞(NK細胞)を中心とした細胞性(自然)免疫と抗原を捕食し免疫情報を伝達するマクロファージや樹状細胞、細胞性障害性Tリンパ球や抗体を産生するBリンパ球を中心とした液性(獲得)免疫についても釈迦に説法的な内容ですが抗体製剤の効能をより理解する為にイラストを交えて御話ししました。
  
関西の6大学病院5種TNF製剤(レミケード® ヒュミラ® エンブレル® シムジア® シンポニー®) IL-6製剤(アクテムラ®) CTLA‐4製剤(オレンシア®)の7剤でどの薬剤が副作用なく効果が減弱する事なく長期に持続した薬剤がオレンシア®であった事を報告。その理由としまして生物学製剤の中でも、抗体製剤ではないので中和抗体が産生され難細胞性免疫抑制されない事が理由の一つと説明しました。
  
当院で多く関節リウマチ患者様を診療しておりますが、関節リウマチ発症前段階の病変とされておりますMCP関節(付け根の関節)の腱炎や手掌の屈筋腱の腱鞘滑膜炎 尺側手根伸筋の腱鞘滑膜炎 手指背側骨間筋の異常血流を有する患者さんを数多く存在しており、これらのPre-Clinical RAとされる患者様に対して抗リウマチ薬生物学製剤が予防的に効果が得られるか様々な臨床試験が行われている事を紹介。

  
その中でもオレンシアに於いては6か月の予防治療にて分類不能型関節炎超早期関節リウマチ患者の一部に対しX線MRI所見にて骨破壊の進行抑止効果を示し、治療中止6か月後もその効果持続。関節リウマチの初期段階でT細胞共鳴抑止が関節破壊の進行を阻止する可能性が示唆されたと報告しました。相当数のスライドを作成した事から講演が3分程遅延してしまい講演は終了となりました。   

2023-03-30 00:21:00

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