医療法人 東永内科リウマチ科

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...リンヴォックライブセミナーにて講演して参りました。

...リンヴォックライブセミナーにて講演して参りました。

東京都リウマチ専門の実地医先生方を対象としましたセミナーが急遽開催が決定し発表して参りました。当初は聴講頂ける先生が20名程度とお聴きしておりましたが、会が始まりますと40名以上(◎_◎;)の先生方に御聴講頂きました<(_ _)>
  
関節リウマチ治療の変遷として、2003年まではメトトレキサートを含めた抗リウマチ薬+ステロイド 消炎鎮痛剤が関節リウマチ治療の主体であり2000年の時点では寛解率は1割程度(◎_◎;)でありましたが、2003年初の分子標的治療薬 インフリキシマブ(レミケード®)が登場して以降 関節リウマチの寛解率が一気に向上しました。
  
その後 数々の生物学製剤が登場し平成末期に初の経口分子標的治療薬JAK阻害剤 トファシチニブ(ゼルヤンツ®)が登場 令和2年に待望のJAK1選択剤のウパダシチニブ(リンヴォック®)が登場寛解+低疾患活動者が80%超えました。しかし未だ20%の方が中活動性以上の状況にあり最近においては難治性関節リウマチD2TRAにこれらの患者さんが含まれている可能性についてお話しました。
  
関節リウマチに対する治療薬もこの20年間でステロイドの処方が減少生物学製剤は増加傾向にあるもJAK阻害剤は大学病院でも全体の2%程度であり単一のサイトカインを抑止しても治療効果が得られないD2TRAに病態に対して様々なサイトカインを抑止可能なJAK阻害剤が有用である可能性について最新の文献を交えて御話しました。
   
また最近の知見ではD2TRAの原因としてリウマチ因子(リウマチIgM抗体)の高力価がリスク因子として挙げられており、その原因として抗体製剤の末端のFC領域にリウマチ因子が結合標的部位へ移行を阻止⇒効果が減弱する可能性についてお話しました。一方でJAK阻害剤は生物学製剤の300分の1の分子量で当然FC領域を有さない事から…
   
リウマチ因子に捕捉される事なく標的部位に速やかに結合し迅速な効果が得られる事も御話しました。もう一つのD2TRAのリスク因子として肺病変が挙げられ、日本人のRA患者集団で胸部CT評価にて約10%にILD(間質性肺炎)が見られ、高齢 喫煙 ACPA高値 男性 RAコントロール不良者がリスク因子であった事、RAの寛解または低疾患活動性の達成は関節機能予後のみならずRA-ILDの急性増悪予防の観点から重要であるとの最新の文献も紹介ししました。
   
ではどの薬剤がRA-ILD(間質性肺炎合併関節リウマチ)の病態に有効で安全なのだろうか??本年5月大規模臨床調査が行われ各生物学製剤+JAK阻害剤(トファシチニブ)との間質性肺炎の発症を比較したところJAK阻害剤が最も低かった事が報告されました。以前から機序は不明であるがRA-ILDでは特発性肺線維症に比して病変局所にJAK-STAT経路の発現亢進が認められた事からこれをJAK阻害剤が選択的に抑制間質性肺炎の発症の減少に繋がった可能性を御話しました。
   
トファシチニブはJAK3選択制薬剤であり、最新の知見ではJAK3ではなくJAK2‐STAT3パスウェイが間質性肺炎の発症に繋がる可能性が報告されており、健常者と比較して肺線維症患者ではJAK2 STAT3が肺組織内に強く発現。動物実験でも強い肺線維症を引き起こすブレオマイシンを投与したところ肺組織内は強い線維化を起こし、組織内もJAK2 STAT3だらけになるも…
   
JAK2-STAT3を抑制する薬剤をブレオマイシンに混ぜてマウスに摂取させたところ、ブレオマイシン非投与マウス変わらない程 肺組織は線維化せずJAK2-STAT3も殆ど発現しなかった事も報告しました。またイタリアの関節リウマチ専門の医療機関においてRA-ILDに対してJAK阻害剤を投与されている患者において多くが肺病変(CT画像 肺拡散能 努力肺活量)は 悪化せず経過した事を報告。
   
本文献はJAK2選択制の高いバリシチニブ投与患者が最も多く、間質性肺炎発症率も低い結果となるも、本研究においては、フィルゴチニブやウパダシチニブサンプルが少なく又 追跡期間が短い事、各患者のRAの活動性の調整が行えていない事は問題であるがJAK阻害剤がILD合併RA患者にとって安全な治療選択肢で、ILDの病態の実質的な安定化と肺機能の悪化を防ぐ可能性があることが示唆され今後は大規模な長期的コホートスタディが必要とされると結論づけていたとお話しました。
   
3剤以上の生物学製剤の効果が得られない病態をVERY D2TRAと提唱されており、このVD2TRA患者の滑膜組織において免疫担当細胞以上に滑膜線維芽細胞のシグネチャー(DKK3 CD90)が高発現しており、この滑膜線維芽細胞を標的とした治療薬の開発がVD2TRA治療の鍵となる可能性について世界最高峰の医学論文であるNature Medicineに掲載された事を報告。
  
VD2TRA患者滑膜線維芽細胞表面分子としてJAK1が発現されており、JAK阻害剤がD2TRAに対し有効性が示された一因である可能性を説いた東京女子医大の保田晋助先生著の文献も紹介。『まとめ』として様々な権威ある医学誌に加えて信頼度の高い多くのRCTにおいてもJAKiの中でウパダシチニブが最も有効性が高いとの報告(+長期安全性可能性の報告も含め)とD2TRAにおいてリウマチ因子に捕捉されない滑膜線維芽細胞のJAK1の発現RA-ILDに対する安全性の可能性からD2TRA患者に対し早期にウパダシチニブ導入を考慮したいとし50分キッカリで講演は終了しました<(_ _)>

2023-11-24 03:45:00

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