医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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骨粗鬆症のお話その3


以下の項目をクリックで、同項目をご覧になれます。

骨粗しょう症治療薬の種類  

 

その3は骨粗鬆症の最新治療のお話。


最終編は骨粗鬆症のこれまでの治療、薬効、副作用、最新治療についてのお話です。
骨粗鬆症の予防や、続発性骨粗鬆症の原因となる最初の病気(副甲状腺機能亢進症 関節リウマチ 動脈硬化症 慢性腎臓病(CKD)慢性閉塞性肺疾患(COPD)糖尿病などの生活習慣病)の治療をしても骨量が減少し、前号で御紹介した治療適応となった場合 治療はどうなるのでしょうか?薬の効能も含め解り易く解説します。まず、骨折には場所に因り2種類の骨折があり、骨粗鬆症の治療薬もその作用によって4種類に分けられます。


骨粗しょう症治療薬の種類

腸管からのCa(カルシウム)の吸収を促進し、体内Ca量を増やす薬=活性型ビタミンD製剤(商品名 アルファカシドール®) ★超活性型ビタミンD エディロール®(東永内科リウマチ科採用)

骨形成を促進する薬=ビタミンK製剤(商品名グラケー® 東永内科リウマチ科採用

骨からのCaの流出を抑制する薬=女性ホルモン製剤(エストロゲン)、女性ホルモン改良薬=ラロキシフェン(東永内科リウマチ科 採用商品名エビスタ®)

破骨細胞の活動を阻害(骨吸収抑制)する薬=ビスフォスフォネート製剤(週1回早朝飲む薬 東永内科リウマチ科採用 商品名ベネット®)、カルシトニン製剤(商品名エルシトニン®)

  
当院の主な処方薬
アルファカシドール エディロール  グラケー     エビスタ   ベネット

くすりの副作用は??以下の症状が挙げられます。

①活性型ビタミンD製剤 ★超活性型ビタミンD ⇒血液中のカルシウム濃度が増えすぎる

②骨の形成を促進する薬=ビタミンK製剤⇒ワーファリンを服用していると効き目が減る

③女性ホルモン製剤(エストロゲン)⇒乳癌、子宮体癌の発症率を高める可能性
女性ホルモン改良薬=ラロキシフェン⇒静脈血栓症、肺塞栓症の発症を高める可能性

④ビスフォスフォネート製剤

吐き気や胃痛、特に内服してすぐ横になると、食道潰瘍になるとされています。ごく稀に、顎骨壊死という障害を引き起こすことが あります。服用中にあごや歯に違和感を感じたり、歯科治療を行う場合には外来主治医に相談が必要です。

骨粗鬆症の診断として軽症、中等症であれば、まず薬の内服が勧められます。最初に推奨されるのが、ビスフォスホネート(当院 ベネット®),骨量を増加大腿骨頚部骨折 腰椎骨折 橈骨々折予防にすべて有効とされ、この薬に活性化ビタミンDと併用するのが主流です。

*活性化ビタミンD製剤(当院 アルファカシドール®)だけでは骨量は増加しないと言われています
ビスフォスホネート(当院 フォサマック®)の副作用(吐き気や胃痛 すぐ横になってしまう)で内服できない人は?

女性ホルモン改良剤 + 超活性型ビタミンD製剤+ビタミンKの併用を勧められます

上記の治療でも副作用で継続できなかったり、骨量増加が認められない場合は??

 

飲み薬に比較して、副作用が少なく、骨量を増加 大腿骨頚部骨折 腰椎骨折 橈骨々折 予防に最も有効な ビスフォスホネート(ベネット®の)注射薬が発売されました。
月1回の30分点滴(ボナロン点滴バック®)か、月1回の数分の静脈注射(ボンビバ®静注)で骨量増加と骨折予防が期待されます。しかし!!一番予防効果の強いビスフォスホネート(ベネット®等)も4~5年経過すると薬が骨全体に行き渡りある一定以上骨量は増えません。因って、5年前後で骨粗鬆症の治療の見直しが必要です。骨量増加はもう限界となった場合は??骨量増加はもう限界??そこで新薬が登場しました!

 

骨形成超促進!新薬A、破骨細胞粉砕!新薬Bとは??

 


新薬Aとは 副甲状腺ホルモン製剤 一般名:テリパラチド  
  (商品名 テリボン注射® フォルテオ注射® 東永内科リウマチ科採用)

副甲状腺ホルモンは骨や腎臓などに働き、カルシウム濃度を調整する作用をもつホルモンで、骨密度を著しく増やすことが知られるようになりました。骨の形成を促進する働きを持つ、骨量を増やし、骨折率を低下させます。医療施設でテリボン®週に1回通院で注射を受ける薬で1年半フォルテオ®は、自宅で少量を皮下に自己注射し2年と長期ですが投与期間限定で投与されます。

テリパラチドのもう一つのお薬、フォルテオ®はそれ以上の効果を持ち、脊椎骨折の予防効果は絶大であります。自分での注射を怖がって敬遠される方もおられますが、注射針は米粒程で大変小さくて細く、痛みも殆どありません。慣れれば殆どの方が継続できます。(メーカーさんのお話では90%以上は継続できるとの事です。)

 

自己注射の費用負担以上に、脊椎骨折の予防効果は絶大であり、治療開始後の新規の椎体骨折を顕著に抑制します。)

新規椎体骨折の発生率を軽度で84%中等度で90%高度の椎体骨折を100%予防します。また、骨折の予防効果だけでは無く、骨形成(骨の造成)が促進する事より椎体骨折に伴う疼痛も改善します

副作用としては、血液中のカルシウム濃度が増えすぎる場合があります。この場合には食欲不振、全身倦怠感などが見られ、カルシウム剤と活性型ビタミンD3製剤を併用している場合に副作用が出やすいと言われています。薬の値段は高価であり、1割負担で約5,000円/月、3割負担で約15,000円/月で(週1回の飲み薬ベネット®4錠/月⇒1割負担300円/月、3割で900円/月)掛かります。

この薬のもう一つの問題点は、海綿骨の骨量増加⇒腰椎圧迫骨折の予防効果は絶大ですが、皮質骨増量効果は無く⇒残念ながら、現在の臨床データでは大腿骨々折、前腕骨々折の予防効果はありません。(下の図2参照) 、しかし最近の知見では、皮質骨の増量効果の報告もあり、今後の皮質骨の骨折予防も証明されるかもしれません。

現に骨粗鬆症に因って起こった大腿骨々折に対して、手術と同時にテリパラチド(フォルテオ®)を使用する事で、仮骨形成が促進。従来の手術単独に比べて手術+テリパラチドの方が、歩行できるまでの期間が約半分近くまで短縮しました。


もう一つのテリパラチドであるテリボン®も超強力な骨折抑制効果を持ち合わせており、フォルテオ®に比して週1回の皮下注射で、1年半継続して治療を行います。

投与終了時点で実に80%の椎体骨折を抑制します。最新の報告では、投与を継続する事でより骨折率をさらに抑制し、1年以降から投与終了時の1年半では新規の脊椎骨折を100%予防します。

フォルテ®同様テリボン®も治療終了後に、直ぐに骨密度が減少したりはしませんが、長期に治療を中断すると再び骨折率が上昇してきます。由って地固めとして、テリパラチド終了後の後療法も大変重要であります。理想としまして骨形成を十分に促すテリパラチドを使用した後に、骨吸収を効率的に抑制する下記の新薬B デノスマブ(プラリア®)にスイッチする事が理想と言えます。(後に詳細を記載します)


新薬Bとは 破骨細胞が活性に必要な蛋白を標的とし、破壊するヒト型抗体薬
一般名:デノスマブ 商品名はプラリア®(東永内科リウマチ科採用)

破骨細胞の活性化に絶対必要な「ランクル」と言うタンパク質を標的とした世界で初の抗体薬です。破骨細胞が働かないよう強く抑制する効果があります。破骨細胞を抑制する目的としては、これまでの治療薬のビスホスホネート(当院 ベネット®)と同じですが、ベネット®が 破骨細胞に直接作用して 阻害する薬ですが、デノスマブは破骨細胞の元気の元「ランクル」タンパク質に作用し、破骨細胞の動きを封じ込めます。6ヶ月に1回で良い注射薬です。


図1デノスマブ投与2年後の各部位の骨量増加率 腰椎において特に骨量を増やす働きが強い
(Tsai JN,et al.Lancet,2013;May14 6736(13) 60856-60859医学論文から抜粋 一部改編)

何も薬を投与していない群(プラセボ群)と比較して、2年後の骨密度が腰椎で11%、大腿骨近位部で5.7%、大腿骨頸部で5.1%、橈骨(前腕骨)で2.3%高く⇒海綿骨、皮質骨共に骨量増加と骨折抑制する事が明らかになっています。 バランス良い効果が期待できます。


 

副作用として1.0%以下ですが、一時的に手が痺れる 低カルシウム血症が認められることがあり最初の2週間は十分な注意が必要と言えます。特に腎臓の悪い人にはかなり重症の低カルシウム血症が現れる事があり注意が必要です。その他肝臓障害、湿疹、関節痛、歯科治療の後に顎骨壊死1例(18,000例中)報告があり、発売されまだ2年未満から、絶対的安全性を証明するにはまだ年月が浅い状態です。しかし、腰椎、大腿骨、前腕骨に対し、大変バランスの良い骨折予防効果を認め、注射の回数が半年に1回で、経済的負担も考える(図3)と、非常に良い薬と言えます。


図2 各骨部位における、新薬A(テリパラチド)新薬B(デノスマブ)従来の週1回薬(ベネット®)の骨量増加の比較
(The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 2014;Feb 16 at22:17医学論文から抜粋 一部改編)

薬の値段は新薬Aと比較してかなりの安価で、半年に1回の注射で、1割負担 約3,000円/6ヶ月
月割り⇒1ヶ月の治療費が500円 3割負担 約9,000円/6ヶ月(月割り⇒1ヶ月の治療費が1,500円)
(ちなみに新薬A=テリパラチドは4回注射/月、又は毎日自宅で注射を行い⇒1割負担で約5,000円、週1回の飲み薬ベネット®で4錠/月⇒ 1割負担で300円/月)

 
新薬Aと新薬Bの医療 コストと薬剤効果を比 較検討すると、安全面 をクリアできれば新薬B (デノスマブ=プラリア®) に軍配か??

新薬A副甲状腺ホルモン剤 新薬Bデノスマブは骨量を増やす強力な薬ですが、新薬Aは腰椎(海綿骨)骨折予防効果1番ですが、薬代が高価で、皮質骨々折の予防出来ないのが難点です新薬B低価格で、皮質骨海綿骨の両方が増加大変バランスが良いお薬です。しかし!現時点では治療を中断すると、投与前の元の骨量に戻って(場合に依っては反動で元の骨量より減って)しまいます。それに比し新薬Aは治療を中断しても、元の骨量にすぐ戻らず、骨折抑制効果は暫く続きますが、やはり無治療のままですと骨折率が上昇します。

新薬A、新薬Bの使い分けはどうするべきでしょうか?その答えが2015年6月にかの有名な医学雑誌Lancetに掲載されました。

Denosumab and teriparatide transitions in postmenopausal osteoporosis (the DATA-Switch study): extension of a randomised controlled trial.

Leder BZ1, Tsai JN2, Uihlein AV2, Wallace PM2, Lee H3, Neer RM2, Burnett-Bowie SM2.

緑は新薬Aテリパラチドと新薬Bデノスマブを同時に4年投与 
赤は先に新薬Bを2年使用して⇒後に新薬Aに切り替え2年投与
青は先に新薬Aを2年使用して⇒後に新薬Bに切り替え2年投与(縦軸は骨密度 横軸は投与期間)




もっとも優れた治療は、緑の新薬Aテリパラチドと新薬Bデノスマブを同時投与。しかし薬剤が高価すぎる為、本邦では併用治療が医療保険で認められていません。結論的には前腕骨に於いては先に新薬Aもしくは先に新薬Bを使用しても、切り替える事で、骨密度の増加が認め難い結果となり、上述のご説明通り、最初から新薬Bを使用し続ける事が前腕骨の骨折予防に有効と考えます。

それ以外の腰椎圧迫骨折や、寝たきりの最大の原因となる大腿骨々折骨盤骨折については、先に新薬Bを使用してから新薬Aに切り替えると、半年から1年でガクッと骨密度が減少してしまいます。その後は骨密度が増加に転じますが、最終的には青色治療には劣る結果となりました。

保険診療を用いた、最も有用である治療は、青の新薬Aを2年使用して⇒後に新薬Bに切り替える治療が最も有用と結論付けています。



当院でも可能であれば『新薬Aを2年使用して⇒後に新薬Bに切り替え治療』を全患者さんに行いたいところです。

しかし…医療費の高騰や、新薬Aの治療中に大腿骨や前腕骨を骨折する危険性の高い患者様には、当院に於いては最初から新薬Bを投与しております。途中で切り替えなければ骨密度は増加が十分期待でき、2015年の日本骨粗鬆症学会の治療ガイドラインでもデノスマブ全ての部位の骨折予防の評価が得られました。その根拠となった最新の医学論文を下記に掲載します。

2年間 新薬AB併用療法(Combo)新薬A(テリパラチドTPTD)単剤新薬B(デノスマブDMAB)単剤の最新の比較試験です。(J Clin Endocrinol Metab. 2014 May;99(5):1694-700. から抜粋)




Two years of Denosumab and teriparatide administration in postmenopausal women with osteoporosis(The DATA Extension Study): a randomized controlled trial.
(Leder BZ1, Tsai JN, Uihlein AV, Burnett-Bowie SA, Zhu Y, Foley K, Lee H, Neer RM. )

2年間の投与にて、併用療法よりは劣りますが、海綿骨である腰椎、皮質骨である前腕骨、大腿骨、腸骨に於いて、すべて骨密度の増加が認められました。

2年投与から5年投与した経過の論文の報告もあります。 (J Bone Miner Res. 2012Mar;27(3):694-701.から抜粋)


Five years of denosumab exposure in women with postmenopausal osteoporosis: results from the first two years of the FREEDOM extension. 
Papapoulos S1, Chapurlat R, Libanati C, Brandi ML, Brown JP, Czerwiński E, Krieg MA, Man Z, Mellström D,

この文献では5年間で腰椎の骨密度が約14%増加、その他に腸骨(骨盤骨)約7%、大腿骨約6%、前腕骨約2.5%の増加が認められました。途中3年で治療を遅れて開始すると、骨密度の増加は認められますが、増加率は悪く、前腕骨では増加が全く認められませんでした。重症骨粗鬆症に対する治療の早期介入が必要と言えます。

当院では上記の如く、治療の有効性から、新薬デノスマブを重症骨粗鬆症患者さんに積極的に投与しております。副作用は比較的少ないのですが、低カルシウム血症が大変重要であり、特に腎臓障害を持つ患者さんには使用を控えるべきと考えます。何故腎臓の悪い人(腎不全患者さん)に使えないのでしょうか?   




腎臓の悪い患者さんは、①腎機能が低下しているため、慢性的にビタミンD活性が低下、し腸管からのカルシウム(Ca)の吸収、血液への移行が低下しています。また、②腎臓が悪いとP(リン)の排泄が低下し血液中にリンが停滞 ⇒折角吸収されたCaがこの停滞しているP(リン)と結合してしまい、血管などに沈着し動脈硬化を引き起こします。ただでさえ血液のCaの量が少ないのに、デノスマブを投与すると③骨からのCa動員(Ca流出)を著明に抑制され、この①②③が重なると重症の低カルシウム血症を来してしまうのです。
 

当院では投与前に十分な腎機能評価を行っております。

新薬Aも新薬Bも基本的には重症の骨粗鬆症患者さんのみに適応とされ、それぞれの特性を考えますと、使用の適応を十分検討すべきと言えます。そもそも骨粗鬆症の重症の定義とは??

①骨密度=骨量70%以下+ 1個以上の脆弱性(ぜいじゃく)骨折がある人
②腰椎骨密度=骨量60%以下+2個以上の背骨の腰椎圧迫骨折のある人


従来の薬に加え、これらの新しい薬を、患者さんの病状や、年齢、治療に対する理解度、家族などの協力できうる環境にあるかを考案、検討の上、当院を含めた専門医療機関での治療が望ましいと言えます。特に、ぜい弱骨折患者さんの既往歴のある場合の患者さんには可能な限りこれらを用いた強力な予防治療が必要と言えます。



ここからステロイド骨粗鬆症の治療のお話

一般骨粗鬆症とステロイド骨粗鬆症とは基本的に治療薬は同じであります。しかし治療効果や副作用の出現、治療適応の基準が異なります。今までの一般骨粗鬆症の治療薬と作用機序のおさらいをしますと・・・・


となります。


ステロイド骨粗鬆症は一般的な骨粗鬆症と比べると、治療の効果が十分発揮されず、使用できる治療薬が限られてきます。2014年4月に日本骨粗鬆症学会にて策定されたステロイド骨粗鬆症治療薬推奨度発表されました。医学研究論文の集計にて有効とされる根拠がある薬剤を推奨度A、効果がありの可能性はあるが、根拠不十分な薬剤は推奨度B、効果の根拠が無い薬剤を 推奨度Cで表わすと…。以下の様な区分になります。

結論的には有効とされる推奨度Aリセドロネート(ベネット®)、アレンドロネート(フォサマック®)のみであり、新薬テリパラチド(テリボン®)も新薬デノスマブ(プラリア®)も未だ効果があると言う根拠が乏しい状況で、他の薬剤も含め残念ながら推奨度C。活性型ビタミンD製剤(アルファカシドール®)と毎日注射が必要な副甲状腺ホルモン剤(新薬Aテリボン®の前に発売された薬)は何とか推奨度B



 

ステロイド骨粗鬆症に治療に於ける、腰椎 大腿骨の骨折予防効果

ビスフォスフォネート剤と呼ばれるリセドロネート(ベネット®)、アレンドロネート(フォサマック®)は、堅実に腰椎、大腿骨共に予防効果があり推奨度A。副甲状腺ホルモン剤(遺伝子組み換えテリパラチド⇒毎日の注射薬 フォルテオ®)は腰椎(海面骨)骨折予防には絶大でありますが、大腿骨(皮質骨)骨折は寧ろ骨折率が上昇してしまい、現状は推奨度Bであります。週1回投与のテリパラチドは新薬Aであるテリボン®は論文データが乏しくこちらは 推奨度Cであります。

ビタミンD製剤も単独では十分な骨折予防効果は期待出来ず、ベネット®と併用が望まれます。一方でステロイドホルモン剤はCaカルシウムを尿に排泄させる性格を持ち、活性型ビタミンD製剤を多く内服すると、ステロイドに因ってCaが骨に移行せず、

尿中にCaがどんどん移行してしまい骨量を寧ろ減らすのでは??と言う報告と、尿管結石を発症する率が上昇してしまうという報告も多数存在します。現在のところは確実に予防出来うるのは、ビスフォスフォネート剤(BF剤)のリセドロネート(ベネット®)、アレンドロネート(フォサマック®)のみであります。しかし前号でお話した様にBF剤は3年間内服で骨量がピークに達し、5年経つと骨量が増加しなくなります。



ステロイド骨粗鬆症骨折の最大の予防方法は、ステロイドの減量⇒中止であります。ステロイド完全中止にて骨量は1年で骨強度は2~3年で元に回復すると言われています。しかし病気によってはステロイドの減量中止は難しく、リウマチ、膠原病、気管支喘息等は比較的若い女性患者さんに多い為、長期間に渡り骨折危険性が存在してしまいます。BF剤で骨量が頭打ちなって以降の治療が問題となり、今後の更なる新薬の登場、現在治験中の薬の効果に期待したいところです。



まとめ

 

①骨粗しょう症の診断がついた場合、軽症、中等症、重症の病状を理解しましょう!
②皮質骨々折、海面骨々折を理解し、適正な治療を受けましょう!
③飲み薬が可能なら、最初は週1回早朝内服のビスホスホネートが推奨されます!
④ビタミンD製剤だけでは骨量増加が期待できません!ステロイド内服中は結石に注意です!
⑤副作用などで薬が合わない場合は、治療を中断せず、副作用が出ない薬に変更しましょう!
⑥重症の骨粗鬆症の患者さんは主治医と相談して新薬で骨の強化療法を検討しましょう!
⑦ステロイド骨粗鬆症患者さんは1mgでも減量に努めましょう!
⑧骨粗鬆症の治療は4~5年を目途に1度見直しをしましょう!

正しい知識に基づいた適切な治療の為のガイドライン 本年10月開催されます骨粗鬆症学会に参加して参ります!