医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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骨粗鬆症のお話その4


その4は骨粗鬆症の最新トピックスのお話。


骨量(骨密度)が正常なのに骨折してしまうのは何故でしょうか?また1つの椎体(背骨)骨折から無治療で放置する事により、どんどん骨折していく恐ろしいドミノ骨折が判明!知らない内に寝たきり骨折が進んでいる状況を早期発見する事が重要です!最近背縮んできたら要注意!!骨質と悪玉架橋の最新トピックスです!

あなたの骨は大丈夫ですか??

立位、座位からの転倒に依る脆弱(ぜいじゃく)骨折率が最も高いのが椎体(背骨)骨折です。

1位 椎体骨折 37%
2位 大腿骨頚部骨折 22%
3位 橈骨遠位端骨折 17%
4位 上腕骨折 10%

ところが痛みや痺れが出る、自覚症状がはっきりした症候性骨折は全体の40%
反対に自覚症状の無い、知らない間に背骨の骨折がなんと60%!!


では何故骨折しても痛みが無いの??

ところが圧迫骨折を起こしても…

と言う訳で、知らない間に痛みの無い骨折が起こるのはこの為と言われています。
知らない間に骨折しているのを、治療せずに放置しているとどうなるのでしょうか??
1つの椎体骨折が存在する場合
無治療放置で、多発椎体骨折のない人の危険度1.0に対して
1年以内 無治療放置で骨折危険度2.6倍
1年~2年 無治療放置で骨折危険度5.1倍
2年以上 無治療放置で骨折危険度7.3倍
治療を放置する事で、どんどんと椎体骨折が進んでしまうのです!

これをドミノ骨折と言います。

無治療放置に因り、骨折がどんどん他の椎骨や、上腕骨 大腿骨と他の部位に骨折がドミノ倒しの如く広がっていく事がわかって来ました。知らない間に寝た切りに??

最初の椎体骨折~寝たきりの原因となる大腿骨骨折まで10~15年で引き起こすと言われています。

これらの椎体骨折の箇所の増加が死亡率と強い相関関係が報告されて言います!


予防するにはどうすれば良いのでしょうか??

症状が無くても、骨量が正常でも、背骨のレントゲン検診を受けるのが最も重要です!!椎体骨折が1つでも判明した時点で早期に治療への介入をする。これらが最も有効な予防法と言えます。それでは骨折の定義とは??

椎体骨折評価方法は正常部の前縁又は後縁で中央値を割80%未満で骨折⇒20%
以上凹むと骨折!!①は中央値÷正常後縁=49%51%も凹む重症骨折となり、
②は中央÷正常前縁=81%⇒19%凹みなのでギリギリ正常の脊椎と判定します。

脊椎骨の変形(骨折重症)凹み度 20~25% 軽症 グレード1
25~40% 中等症 グレード2
40%以上 重症 グレード3と分類します。


骨量が正常であっても背骨(脊椎骨)が折れてしまう人の予防法は?

当院の院内報、『骨粗鬆症総集編2』でお話した通り、骨量が十分あっても骨質悪いと骨折を起こしてしまいます。本来しなやかで柔軟性がある善玉架橋が、悪玉架橋を多く含む骨になると、骨量があっても骨が固くてもチョークや瀬戸物のような柔軟性の無い脆い骨となってしまいます。骨量がしっかりある割に骨折してしまう悪玉架橋を多く含む骨折患者さんは、骨折患者さん全体のなんと11%も占めると言われています。

悪玉架橋の筆頭がペントシジンでこれらの蓄積には糖尿病、大量のアルコール、喫煙、ステロイドが大きく関与していると言われています。一旦骨内に蓄積したペントシジンを減少させるのは難しく、悪化しない様アルコール、ステロイドの減量、禁煙が必要と言えます。

最近注目される悪玉架橋の原料となる悪玉アミノ酸、『ホモシステイン』が大変注目されています。体内の細胞を傷害する(DNAメチル化⇒細胞をガン化させる)悪玉アミノ酸があります。このホモシステインが体内に増加すると、骨の中にホモシステインが溜り、上述の様に固いチョークや瀬戸物のような柔軟性の無い(しなりが悪い)脆い骨となってしまいます。骨量正常であって、骨折率が上昇するのは悪玉架橋に因る『しなりの悪さ』が原因と言えます。


悪玉架橋を多く含むと具体的骨折率はどれくらい上昇するのでしょうか??

骨量正常(○)+ホモシステイン正常(○)→骨折危険度1とすると
骨量正常(○)+ホモシステイン上昇(×)→骨折危険度1.5倍
骨量低下(×)+ホモシステイン正常(○)→骨折危険度3.6倍
骨量低下(×)+ホモシステイン上昇(×)→骨折危険度7.8倍!

ホモシステイン単独異常であればさほど危険度は1.5と上昇しませんが、特に骨量低下に加えホモシステイン上昇の人は骨折危険度7.8倍高率の為注意が必要です!しかしホモシステインを減らす予防法があります!悪玉アミノ酸ホモシステインをビタミンB12と葉酸を摂取する事で→善玉アミノ酸メチオニンに変換でき、またビタミンB6摂取ホモシステイン→システインに無毒化する為、ビタミンB群、葉酸摂取も骨折予防に一役かっていると言えます。ビタミンB6,12,葉酸摂取で骨折率29.9%→13.1%まで抑制したと言う報告もあります。


食事からビタミンB群、葉酸を摂取する場合はどんな食物が良いのでしょうか?

葉酸が多く含まれている食品は、ホウレン草などの葉もの野菜、果物、海苔、レバー、緑茶などです。できるだけ加熱しないほうが効率よく摂取できます。葉酸は1日に必要な摂取量は、成人では男女とも200μgです。ビタミンB12は成人男女とも2μgです。ビタミンB6は成人男性が1.1mg、成人女性が1.0mg、ビタミンB6は魚類、にんにく、胡麻やピーナツ、バナナに、ビタミンB12は魚介類、肉類、乳製品などの動物性食品に多く含まれています。ただし動物性食品の中にはホモシステインを多く含む物もあり、動物性食品の摂取にも注意が必要です。ビタミンB6,B12,葉酸は欧米では『長生きビタミントリオ』と言われ認知症の予防効果も認められています。

葉酸とビタミンB12の目安


ビタミンB6,B12,葉酸に偏らず、全体的なビタミンB群を万遍なく摂取する事も重要です。

ホモシステイン以外に骨代謝マーカ―である血液のオステオカルシンを測定する事で骨質強度が予測できます。また異常がある場合は、こちらもビタミンKの摂取で予防可能となります。しかし色々な病気で血液サラサラ薬『ワーファリン』を内服している人はビタミンKの摂取は制限されてしまいます。

悪玉架橋は、加齢 お酒 喫煙 糖尿病によって過剰に作られるようになります。加齢に因る影響は、食事や運動によってある程度は少なくすることができますが、リウマチや糖尿病の人は、まずそれらの治療をしっかり行うことが重要です。善玉架橋を増やすには、葉酸、ビタミンB6やB12を摂取すると共に、運動も大変効果的です。

運動に依り骨に適度な負荷がかかると、骨芽細胞の働きが活発になって骨形成を促します。また運動で骨がたわむと、骨内のコラーゲンからマイナスイオンが出現して骨を覆い、プラスイオンカルシウムが骨に沈着し骨がしなやかになると言われています。最も大事な事は食事と運動を通して、骨折し難い『強くてしなやかな骨』を作る事です!!


まとめ

 

骨量、骨密度を問わず、65歳以上の方、ステロイド内服中の方、リウマチの方は年に一度は背骨(腰椎、胸椎)のレントゲンを撮りましょう!
骨量問わず背骨の骨折が見つかった人は、ホモシステインの検査を受けましょう!
骨質悪化予防、悪玉架橋の予防には高血圧 糖尿 リウマチの治療と、ステロイド減量禁煙、アルコール摂取を控える事が重要です!
骨質低下、悪玉架橋、ホモシステイン増加の予防には、適切なビタミン摂取、運動療法を心掛けましょう!