医療法人 東永内科リウマチ科

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関節エコー総集編と当院の取り組み(研究会での発表)


2015年4月4日に第15回リウマチ病診連携の会で発表して参りました内容について、スライドと講演内容をまとめて掲載致しました。

日本リウマチ学会ソノグラファーとしての関節エコーの取り組み

 

関節リウマチの治療は革新的に進歩しており、めざましい発展を遂げています。一方で早期寛解の為、関節リウマチの早期診断が大変重要であり、関節エコーの診断有用性が高まっています。また、早期診断だけでなくリウマチ治療の強化や減量、バイオ製剤をフリーにする為の評価にも、関節エコーが大変役立ちます。

当院では日本リウマチ学会の関節エコー診療のガイドラインに沿い正確に関節病変を上記の様に評価しております。このフリーページでは、日本リウマチ学会 関節エコーソノグラファーとして、当院での患者様を通しての取り組み8カ条と、関節エコーの診断力の高さをご紹介致します。

当院を受診されました関節リウマチ患者さんの症例

関節リウマチ典型症例

52歳女性 数ヶ月前から手の強張り出現。両手指関節腫脹、右手首の疼痛あり。視診、触診でも両示指MCP(指の付け根)関節左示指PIP(指の2番目)関節 右手関節にも腫脹疼痛あり症状的に対称性多関節炎 RF(以下 リウマチ因子)強陽性、ACPA(以下 抗CCP抗体)強陽性、抗核抗体陰性CRP1.7mg/dl 血沈32mm 関節エコーを使用せず下線の関節所見を診断基準に当てはめますと・・・。

炎症シグナルを診察所見での関節に一致して検出。この様な場合は、触診の診察と血液検査で十分診断可能では?と言われる事もありますが、この様な多関節炎以外の、手首だけの単関節炎では診断に至らない事も臨床の現場ではしばしばあります。これを解消するのが関節エコーなのです。例えば・・・

1関節でも、強い炎症シグナル(PD3)を持つ小関節を見つける事により、早期関節リウマチへの診断に繋がる事がしばしばあります。この患者さんのエコーでの炎症所見をスコア化し、早期関節リウマチの診断基準に当てはめますと

なかなか診断がつかない、関節リウマチの診断に最も重要な事とは?例え1関節でも、強い炎症シグナルを持つ小関節を見つける事です。その為の取り組みに必要な事は?

触診で解らない、怪しい関節に迷わず関節エコーのプローブをあてる事が早期確定診断への第一歩なのです。

歩くと足の指が痛くて来院した患者さん症例

48歳女性。1年以上前から手指の強張りと肩関節痛、歩行時の足底部の痛みを自覚。近医に受診され血液検査にて低力価ながらリウマチ因子陽性、抗CCP抗体陽性を指摘。血沈22mm、関節腫脹なくCRP陰性とレントゲンに異常無い為、複数の医療機関を受診するも使い痛みと診断され経過観察。歩行時の疼痛症状が改善せず当院に来院。初診時に足の指の関節エコーを施行しますと・・・

この足の付け根指の小関節所見を早期の関節リウマチの上の診断表に当てはめてみますと・・・

僅かな2小関節炎を見つける事で関節リウマチの診断に繋がった症例です。さらに治療が奏功する事で、その患者さんのリウマチの特徴と病勢の理解が深まります。日常診療でなかなか診断のつかない隠れ関節リウマチを見つけるのも関節エコーの役割です。早期発見の為の当院の取り組み・・・

バイオ治療中で経過良好の症例

70歳女性。関節リウマチにて治療中。経過良好で自覚症状なし。寛解持続の為治療薬の減量(可能ならバイオ製剤の休薬を)希望。血液検査は特に異常認めずCRP血沈正常、MMP-3のみ軽度上昇。受診時は自覚症状無いものの、右手第2指MCP関節 (指の付け根の関節) と両手首の関節に疼痛を伴わない腫脹を認め、関節エコー施行。

生物学製剤が奏功したと考えられる、全く痛みの無い 僅かな関節腫脹が残る関節に、エコーを当てる事で、関節変形と骨破壊予防に最も重要な構造的寛解を知る事ができます。バイオを完全に中止するバイオフリー寛解にも関節エコーの評価は必須と言われています。触診と、血液検査のみの判定が、時に過小評価となり構造的寛解を見落としてしまう事もあります。より『深い寛解』を目指す当院の取り組み・・・

上記の患者さんのその後の経過は・・・生物学製剤(バイオ)のゴリムマブをアバタセプトに変更・・・

滑膜肥厚は残るも、骨破壊の高リスクである、炎症シグナルはほぼ消失。もし臨床的寛解と考えバイオを中止し構造的寛解を逸すると・・・

不可逆的で元に戻らない骨ビラン(損傷)⇒骨破壊と骨変形が起こってしまいます。

糖尿患者さんの足趾の激痛症例

糖尿病にて内服加療中。数日前から右足趾(親指)に違和感あり、朝になり激痛が出現。歩行困難となり当院来院。来院時は母趾々節間関節の強い圧痛と自発痛を認める。関節エコー施行しますと…診断は・・・ 予測通り

痛風性関節痛は日常診療でしばしば観察されます。骨表面の2重陰影や結晶成分の沈着とそれに一致した炎症シグナルが特徴です。

右手環指全体の強い腫脹と疼痛症例

50歳女性 数ヶ月前から環指全体の腫脹と疼痛を自覚。近医受診され、消炎鎮痛剤の内服と外用湿布にて経過観察するも改善せず、当院来院。膠原病に特徴的な爪上皮の出血点は認めず、抗核抗体陰性、抗CCP抗体陰性、RF因子陰性。膠原病は考え難く血液検査にてCRP0.8mg/dl 血沈28mmと軽度の炎症を認める。関節エコ―を施行しますと・・・

関節炎よりも、伸筋腱周囲の炎症が強く、指全体の炎症、『 指炎 』を認めます。関節リウマチでは絶対出ない、指の先の第一関節の炎症と滑膜肥厚を認めました。リウマチ反応陰性、伸筋腱を中心とした指炎の所見・・・どこかに隠れた皮疹があるはず!後頚部の生え際に・・・

乾癬の皮疹を発見!!キャスパー分類に当てはめ、乾癬性関節炎と診断。上記の様な関節症状の時は皮膚病変の観察が必須で、毛の生え際や目立たない部分に乾癬が隠れている事が多いのです。この症例も関節エコーが診断に役立ったケースですが、関節症状は多々出現するも、全て関節リウマチとは到底言えず、色々な疾患が隠れています関節エコーを一つの診断ツールとしての取り組みとして・・・

患者さんが痛みを訴えている関節にエコー上は異常認めず、症状の無い関節に限って強いパワードプラーシグナルを認める事がしばしば見られます。

適切な病状評価が患者さんの治療に大きく影響します。パワードプラーを認めれば全てリウマチの悪化とは決して限りません。生理血管や病的血管の鑑別も重要であり、リウマチが再燃する場合に血管新生因子が増加し病的な新生血管が滑膜炎発症前に出現する事もしばしばあります。

生理血管、栄養血管と病的新生血管の鑑別は非常に重要と言えます。

血管が侵入する方向⇒一般的に母指 示指は橈骨側、中指 環指 小指は尺骨側から栄養血管が流入します。反対側から関節内に血管が流入する場合は病的血管を疑います。当院の取り組みとして・・・

高齢患者さんの全身の痛みの症例

86歳女性 高血圧症にて通院中。2ヶ月前から頚部痛が出現、その後疼痛が全身の筋肉痛として拡散。発熱は無いものの体重減少も出現。当初は悪性腫瘍を疑うが全身検索にて器質的疾患無し。CRP7.68mg/dl、CPK正常、MMP-3 396.2と異常を認める。リウマチ因子は陰性、抗CCP抗体も陰性。 関節リウマチにしては関節所見が乏しい。自覚症状の強い肩関節に、関節エコーを当てますと・・・診断は?

この患者さんも高齢者の為、胸部~骨盤までCT検査を施行し悪性のガンを否定。その他の血液検査から他の疾患を除外し2012年のリウマチ性多発筋痛症の新基準( 関節エコー所見あり )からリウマチ性多発筋痛症と診断。早期からステロイドホルモン剤の治療を開始。

少量ステロイドの内服治療にて、関節エコー所見も含め劇的に病状が改善しました。現在は半量まで減量し経過良好。リウマチ性多発筋痛症(PMR)は欧米に多く(150人/10万人)日本人は少ない(20~30人/10万人)と言われていました。しかし関節エコーの普及と共に実際は罹患者がもっと多い事が知られ(70~110人/10万人)、当院としましてもPMRの早期発見の取り組みを行っています。

関節エコーで最も重要であり、当院が一番大切と考えている取り組みは・・・

そしてもう一つ重要な事は・・・関節エコーの手技は個人のリウマチ医が特化した物では決してないのです。日本全国のリウマチ医が関節エコーを施行する事で日本のリウマチ診療の質の向上に繋がると確信しています。その日が少しでも早く来るように当院の取り組みは・・・

学会や研究会 ハンズオンセミナーを通して積極的に関節エコーの有用性の講演、講義、実技指導を含めた広報普及活動を行っています。

以上、日本リウマチ学会 関節エコーソノグラファーとして、当院の取り組み8カ条をご紹介しました。
これからも関節エコーを介して、患者様にお役立ち出来ればと思います。

 2015年4月4日(土) 第15回 リウマチ病診連携の会
東永内科リウマチ科 兪 炳碩
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