医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
医療法人 東永内科リウマチ科

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リウマチ膠原病と妊娠のお話


どこよりも解り易い?リウマチ膠原病と妊娠



関節リウマチにおいて、妊娠により体内からステロイドが放出される為、病状が改善する事が多く、妊娠中は病状が安定する事が多いと言われています。逆に妊娠前に寛解していないと妊娠中にリウマチが悪化する可能性が高く膠原病においても寛解不十分の状態では妊娠継続は不可能な場合が多いと言えます。仮に妊娠を継続しても膠原病そのものが悪化してしまう事がしばしばあります。よって関節リウマチ膠原病を発症して間もない時期や、コントロールが十分でない時には妊娠を延期して病状のコントロールをしっかりつけ、十分に病状が安定(維持量のステロイドで半年以上の完全寛解且つ臓器病変無し)してから妊娠を考えましょう。

関節リウマチでは妊娠前3ヶ月から薬を減量し妊娠中 産後 授乳期を経ますと約2年間は最小限のリウマチの治療となります。3人以上の出産となりますと積極的リウマチ治療が6年以上も空いてしまう為、骨病変の進行が3人未満と比較して4.8倍もリスクが高くなります。

よって可能な限り妊娠直前まで治療のコントロールが重要と言えます。また妊娠直前まで可能な薬、そうで無い薬、妊娠中でも母乳中でも内服可能な薬、そうで無い薬をきちんと区分けする必要があります。
まずは消炎鎮痛剤

続いてよく頻用される抗リウマチ薬の場合は如何でしょうか?


妊娠判明直前までMTX内服していても、正常出産率は3ヶ月前から中止群と一般妊婦さん群と比較しても、10%程度劣る結果となりましたが、80%は正常の赤ちゃんを出産しているが報告されました。
男性側でも、2013年のドイツのデータでありますが。受胎直前までMTXを内服していた父親113例と
3ヶ月前から中止例359例、一般男性402例を比較すると・・・

奇形発生率、流産率共に受胎直前群、3ヶ月前中止群、一般男性群と有意差は認めない(直前まで内服しても大丈夫)という結果となりました。本邦の国立成育医療研究センター専門医の先生方は、MTX内服中の妊娠に対する安易な人工中絶には否定的なコメントを出しています。予期せぬ妊娠判明時は妊娠と薬についてのカウンセリングを受ける事と、精密胎児エコーによるフォローを推奨しています。


リウマチ治療の革命的進歩を遂げた特効薬 生物学製剤の妊娠への安全性はどうでしょうか

TNF阻害剤(レミケード®、ヒュミラ®、エンブレル®、シムジア®)では小規模の研究ながら妊孕性、遺伝子異常に関与せず、奇形発生率は高くないと報告しています。これらの使用下において、妊娠期間中を通して流産 未熟児 奇形の発生率は上昇しませんでした。TNFα阻害薬は妊娠が発覚したらすぐに中止するほうが良いとされていますが、関節リウマチの活動性が非常に高い場合には妊娠20~30週までは使用可能と言われています。出産後の新生児の長期成績はまだ不明です。

骨粗鬆症治療薬は骨量減少を有する関節リウマチや膠原病由来のステロイド骨粗鬆症に対して必須の薬剤ですが、妊娠前後、授乳期と投与は慎重に帰する必要があります。多くの骨粗鬆症治療薬の中から唯一安全性が報告されているのが、週1回(もしくは月1回)内服するビスフォスフォネート剤(BP剤)です。

全身性エリテマトーデス(SLE)では妊娠中、産後のどの時期にあっても増悪する可能性があり、妊娠中毒症、早産が多く、SLEの40%に妊娠出産の妨げとなる抗SS-A抗体、10%に抗リン脂質抗体が陽性になる為、注意が必要です。抗SS-A抗体はシェ―グレン症候群(80%)や、関節リウマチ患者(5~10%)にも希にみられ、健常者(2%)でも極希に抗体陽性者が存在します。

抗SS-A抗体陽性者の10人に1人新生児ループス(赤ちゃんの皮膚が膠原病の様に真っ赤になったり、血小板の減少や肝機能異常を来す)を引き起こしますが、一過性で改善します。一方で重要な合併症として稀であるも赤ちゃんが生涯ペースメーカーが必要となる胎児心臓ブロックを抗SS-A抗体陽性者の100人に1人の割合で出現します。オクタロニー法32倍以上でリスクが上昇すると言われています。健常者を含め関節リウマチ等の無症候性抗体陽性者より、ステロイド治療中の膠原病患者さんの方がリスクは少ないとも言われています。

一度心臓ブロックの患児を出産すると、第2子も発症する確率が高いと言われています。胎児心臓ブロックの予防として、ステロイド剤大量投与や抗SS-A抗体免疫吸着療法、リンパ球除去療法一部有用との報告もありますが、明確な予防法としては確立していません。抗SS-A抗体陽性者は妊娠中(特に18週~26週)胎児心臓超音波専門医フォローが必要となります。


抗リン脂質抗体症候群は病状を公表した、女優の『間下このみさん』も出産で大変苦労されたこの病気は、抗リン脂質抗体に因る血栓症⇒流産の誘発だけでなく、妊娠初期の胎盤形成を障害するより、胎児の発育不全や胎児死亡を引き起こします。診断に含まれる抗カルジオリピン抗体(aCL)、抗β2GP1抗体陽性以上にループスアンチコアグラント(LAC)が陽性であると流産のリスクが急激に上昇すると言われています。治療は血液をサラサラにするへパリン+低用量アスピリンですが、LAC例では治療が効かない場合もあります。

⑤群一番右端の健常者の流産率が3%に対して、④群の抗カルジオリピン抗体(aCL)、抗β2GP1抗体陽性(LAC陰性)APS患者の流産率は8% ③群の④群に全身性エリテマトーデス(SLE)が合併した群でも流産率が13%に対して、群のループスアンチコアグラント(LAC)が陽性群では他の自己抗体や病状に関係なく流産率が43%と一気に跳ね上がり、①群のLAC陽性に、SLEが合併すると60%に近い流産率に!!つまりは、同じ抗リン脂質抗体症群であっても、SLEの合併があったとしても、最も流産率に大きく関与するのはループスアンチコアグラント(LAC)が陽性か否かであるとこの論文は結論付けています。

治療中の関節リウマチ患者さんを初め、抗SS-A抗体価が高い、またはループスアンチコアグラント陽性の患者さんは、リウマチ膠原病内科専門医、産婦人科専門医、小児科専門医との密な連携にある医療機関での管理が大変重要と言えます。全身性エリテマトーデス、関節リウマチ患者さんも含め、当院では病状に応じて妊娠前から授乳期終了まで淀川キリスト教病院リウマチ内科、産婦人科、小児科と共同で治療に当たっています。
妊娠希望される場合は上述の通り、事前に治療薬の選択が重要となりますので、リウマチ膠原病の専門医と相談する事をお勧め致します。またリウマチ膠原病と妊娠に詳しい医療情報機関として国立成育医療研究センターが中心となり妊娠と薬情報センターを設立しています。

気軽に電話や電子メール、FAX等で病状やお薬の相談に妊娠のアドバイス等を受ける事ができます。心配な方は是非活用しましょう。http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.htmlから抜粋)

妊娠と薬情報センター 連絡先 電話番号:電話:03-3416-0181
受付時間:月曜~金曜 10:00~12:00 13:00~16:00

リウマチ膠原病で妊娠を御考え又は御心配な方は当院でも御相談お受け致します