医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科,リハビリテーション科,リウマチ,膠原病
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平成29年1月からリウマチ専門医による 4つのポイントを重視したリウマチ専門外来を開設致しました!

 

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関節リウマチ、膠原病の最新トピックス



リウマチ治療薬の最新の情報のお話

2年前から本邦で臨床試験が行われ、現在全例調査中の新薬のヤヌスキナーゼ阻害剤、薬品名トファシチニブ(商品名ゼルヤンツ®)は生物学製剤の様な分子量の大きいサイトカインに対する標的治療ではなく、分子量の小さい成分を有し免疫細胞の中に入り込んでサイトカインからのシグナル伝達を丸ごと抑えるお薬です。画期的な新薬であり、飲み薬のバイオ製剤と言われ、新しいリウマチ治療として大変注目されています。

詳しく説明しますと関節を破壊する炎症細胞の増殖やさらにサイトカインを産生する伝令(シグナル)を調整するJAKと言う細胞内蛋白に取り付いて、リン酸化を妨げる事で細胞の重要な核の中の転写を抑制し、免疫活性を根本的に抑制するお薬です。

免疫サイトカインを標的とする生物学製剤の分子量と比較して、JAKに作用する薬剤の分子量は大変小さい為(バイオ製剤の300分の1)、生物学製剤は注射製剤に限られてしまいますが、トファシチニブ(ゼルヤンツ®)は経口薬として創薬が可能となったのです。関節リウマチに対する効果も生物学製剤に劣る事なく、ほぼ同等かそれ以上の効果が得られます。

リウマチの治療改善率


患者さんの関節機能回復率

van Vollenhoven, R. F. et al.:N Engl J Med 367(6):508, 2012から一部改編

飲み薬である事が、患者さんの身体的負担を減らす事ができると言えます。
副作用として問題になるのが、免疫細胞の活性を根本的に抑制する事より、発がん性と感染症が当初懸念されました。発売2年の時点では、投薬の継続により、徐々に発がん率が高くなるのではと予測されましたが、3年から4年経過しても発がん性は上昇しませんでした。


トファシチニブの発がん危険リスク(海外)

日本人のトファシチニブ使用者の発がん危険リスクは、一般健常者のガン危険度を1.0とすると1.28で、海外データ(1.04)と比較して高い数字になっています。しかし、このデータは外国人に大変多い皮膚ガンが含まれておらず、これらに皮膚ガン(特に悪性黒色腫)も含めますと危険度1.20とほぼ同じ結果でありました。


Cancer risk in patients with rheumatoid arthritis treated with anti-tumor necrosis factor alpha therapies: does the risk change with the time since start of treatment? Arthritis Rheum. 2009 Nov;60(11):3180-9. doi: 10.1002/art.24941

Arthritis Rheum. 2011 Jun;63(6):1479-85. doi: 10.1002/art.30310. Tumor necrosis factor therapy and the risk of serious infection and malignancy in patients with early rheumatoid arthritis: a meta-analysis of randomized controlled trials.より一部改編。

他の生物学製剤と比較しても発がん性は特に高いという結果にはなりませんでした。発がん予防としてトファシチニブ使用前にガン検診(胃カメラやCT検査、マンモグラフィー等)が有用であると言われています。もう一つ懸念材料としましては感染症であり、特に帯状疱疹ヘルペスが大変多いと言われています。

一般人が1年間で1,000人当たり、帯状疱疹患者さん発症者が8人(0.8%)に対して、一般的な関節リウマチ患者さんでは倍の16人(1.6%)、トファシチニブ使用患者さんでは10倍の80人(8.0%)とかなり高頻度に起こると言われています。海外で4.5%と比較しても、日本人はトファシチニブ使用にて帯状疱疹が発症しやすいと言えます。

帯状疱疹発症の危険因子として、ステロイド併用、バイオ製剤を過去に2剤以上使用、メソトレキセレート8㎎以上、高齢者、免疫蛋白の低い人が挙げられます。早期に発見し、抗ウイルス剤を早期に使用することで、副作用は十分軽減できます。

薬剤の使用に当たり、副作用はどうしても一定頻度は出現してしまいますが、リスク(危険因子)とべネフィット(有益因子)を十分勘案し、経験あるリウマチ専門医師の下での使用が望まれます。安全面を十分に配慮し適正に使用すれば、大変有用な治療薬と言えます。

トファシチニブは生物学製剤と同じく大変高額な薬剤でありますが、従来の生物学製剤と同様に、高額医療給付制度が利用でき、個人の収入に応じて医療機関の窓口支払いの上限額が設定されています。
全国保険協会(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3020/r151

当院では専門医療機関として、トファシチニブの使用が可能となっています。治療につきましてお気軽に御相談ください。

当院トファシチニブ処方中の患者様、70歳代の大変お元気な女性で、生物学製剤が6剤無効でしたが、現在トファシチニブ投与にて劇的に改善しております。高齢の為、安全面に十分に配慮して使用しておりますが、帯状疱疹等の感染症の合併無く、経過良好です。

トファシチニブ投与前  投与後3週

今後更に安全性と有効性が示されれば、今後のリウマチ治療に大きな変革をもたらす可能性の高いお薬と言えるでしょう。



 


最新の関節エコーのトピックスのお話

Bone erosions in rheumatoid arthritis: ultrasound findings in the early stage of the disease.
Rheumatology (Oxford). 2014 Jun;53(6):1100-7.  Grassi W

At least one US bone erosion was found in 20 (66.7%) of 30 patients with ERA and in 10 (33%) of them it was found on the fifth metatarsal head. Bone erosions were most frequently found on the lateral quadrants of all scanned anatomical sites. If the second and fifth metacarpal heads and the fifth metatarsal head were scanned, an erosive disease could be found in 60% of ERA patients. The first metatarsal head was most frequently involved in the disease control group.

早期関節リウマチ患者の66.7%に関節エコーにて骨糜爛(骨損傷)が検出され、33%に小指(第5指)足趾MTP関節(足指の付け根の関節)に骨びらんの変化が特に側面からの観察によって認められた。第2第5中手骨々頭(手指の付け根の関節)の骨浸食性変化は早期関節リウマチの高頻度に見られ、関節エコーに依る 第2第5中手骨と第5中足骨の観察により、60%の早期リウマチ患者の診断が可能と言えよう。(2014年6月)

欧州の関節エコー領域にて最も権威のある医学者の一人、グラッシー先生が昨年6月に医学論文で発表。リウマチの早期診断には指節関節と足趾関節の観察が欠かせないと報告。多くの関節を観察するのは時間を要する事より、効率良く、リウマチを早期診断する為には、疼痛を自覚しない関節以外に、第2第5の中手骨(指節間関節)と第5中足骨(趾節間関節)の観察が重要と強く理論づけています。当院の日常臨床でも第5中足骨以外に第2中足骨病変もしばしば骨びらん性変化が観察されます。

(上段)小指(第5指)足趾MTP関節 (付け根関節)
(下段) 同関節 側面像
(上段)示指(第2指)骨糜爛を伴う足趾MTP関節
(下段)環指(第4指)正常 足趾MTP関節


当院でも上記の写真の如く、足趾関節の観察にて早期関節リウマチの診断に至る事を多く経験します。関節エコーを駆使して短時間で効率良く早期発見できるよう、有用な医学論文に基づいて、関節エコーの観察部位を選別しています。

何処の関節エコーを観察すれば良いか、色々な論文が報告されています。

   


権威あるグラッシー先生等の最新の医学論文の報告や経験から当院では・・・

小指(第5指)足趾MTP関節  示指(第2指)足趾MTP関節 (付け根関節)を含め、罹患率の高い関節を抽出し、通常の一般診察中でも、関節リウマチを早期診断出来るよう努めております。