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便秘治療の最前線
高齢化社会に伴い便秘患者は爆発的に増加しています。
60歳以上になると急激に便秘症状が出現しやすくなり、便秘のゴールは自主的評価が良好になる事。医師と患者の観点が異なるのが問題と言えます。
以前から弛緩型、痙攣型、直腸型にわけられていましたが、現在は結腸通過時間正常型、遅延型、便排泄障害型に分けられます。
慢性便秘の前に大腸ガンや炎症性疾患、巨大結腸症、慢性偽性腸閉塞症などの難治性便秘疾患の鑑別が必要となります。その他パーキンソン病、薬剤(モルヒネ、咳止め、利尿剤、降圧剤⇒Ca阻害剤、抗うつ薬、利尿剤等)
慢性便秘の世界基準は排便回数の減少、週3回未満 排便時に困難状況が生じる
・硬便等による怒責
・頻回便
・肛門部の閉塞感
・残便感など
治療の基本は食物からの繊維成分の摂取であるが、江戸時代は線維成分を1日110g摂っていたが、現在は2gと極々少量。排便をしっかりするためには最低20gの線維成分が必要。では20gとは・・・キャベツ1玉、ニンジン5本、生しいたけ40枚、ゴボウ1本半、カボチャ半分と言われています。
食事摂取以外に大変重要なのが排便環境。直腸の周りに恥骨直腸筋が昔懐かしのブルブルベルトの様に巻きつき洋式トイレに座ると、ベルトである恥骨直腸筋が直腸を引っ張り
それにより直腸の直線形に歪がおきて、便が真っ直ぐに下りなくなります。それを解消するのが前向き35度の前傾姿勢。これに足に台を置くと、恥骨直腸筋であるベルトがゆるみ、
直腸が直線的になる排便が楽になると言われています。そういう意味では和式トイレが普及している時代は便秘が余り問題にならなかったと言えます。和式トイレこそまさに蹲踞の姿勢で排便する為、恥骨直腸筋と直腸がとても良い位置関係になる事から、和式トイレがもっとも望ましいと言えます。
江戸時代は上記の通り、線維成分110g摂取し、『金かくし』便器での排泄から最も理想・・・なのですが、膝やら腰が悪いとしゃがんで立つのは大変ですし、今やトイレの常識のウオシュレット等は和式トイレにはついていません。上記の写真の如く、海外でも広く発売されている足台を用いて35度姿勢での排便は大変望ましいと言えます。
なかなか摂取は難しいため、てっとりばやいのは苦汁、Mg成分を多くとる事。薬剤で有名なのはMg製剤。カマグやマグラックス。しかし上限2gまで。腎臓が悪いと体に蓄積し神経毒となりかねず、認知症を誘発する可能性も。また最近の報告では骨粗鬆症治療が拡散する事より、活性型VitD製剤、週1か月1回のビスフォスフォネート阻害剤、コレステロール(ロスバスタチン)ジギタリス等の強心剤にてMg濃度が上昇するとの報告があります。腎機能少し悪い人、骨粗鬆症の薬を飲んでる人は、時々血清Mgのモニターが必要です。
上記に関係なく、比較的安全なものがセンナの成分(ヨーデル、センナリド等)。大腸のアウエルバッハ神経叢に働き平滑筋を収縮させて強力的に便を排泄させます。しかし依存度(特に精神的)が高く、習慣性に成る事より、漫然と内服せず、週1~月2回程度の『ここぞ』の頓服にするべきと言えます。
最近の新薬として小腸から水分の吸収を抑制するルピプロストンも有効な薬
で、ルビプロストンは、小腸粘膜上皮細胞に存在するタイプ-2 クロライドイオンチャネル(ClC-2)に作用することで、腸管内への水分の分泌を促進し便を軟らかくして排便を促す
まったく新しい機序の便秘の治療薬(商品名アミティーザカプセル®)です。 ベースの少量のMg製剤にルピプロストンを併用し、どうしても駄目ならばセンナがベーシックな治療となります。しかしここで切り札的存在の薬、それが漢方薬です。昔から漢方成分の甘草や特に大黄は便秘に有効と言えます。最も強力なのが
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①大黄甘草湯 84番 大黄成分4g 甘草2g |
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次いで | |||
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②麻子仁丸 126番 大黄4g 芍薬2g |
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それ以下は | |||
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③潤腸湯 51番 大黄2g 甘草1.5g 高齢者 |
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④桂枝加芍薬大黄湯 60番 大黄2g 甘草2g 特に腹部膨満に |
マイルドな効きには | |||
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⑤防風通聖散 62番 大黄1.5g 芍薬1.2g 甘草2g |
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⑥大建中湯 100番 大黄0g カンキョウ5g ニンジン3g 軽い腹部膨満に |
これら従来の治療に併せて行うのが大変有用です。
便の形状が1~7段階あり、ブリストルスケールを参考に便の状態を調べます。
理想の便は4のバナナ型です。
1~3は硬く分割便となり、6~7は便が水様の為、いきんで出しても直腸内で水様便が逆流し残便感が残り反って不快となります。4~5やはり理想は4のバナナ便です結論として健康な便は、量・太さ・硬さもバナナがお手本です。
便の回数には、個人差があります。1日に1回の人もいれば、毎食後排便があり1日3回でるという人もいます。2~3日に1回でも、残便感がなくスッキリしていれば便秘とは言いません。便は形状だけでなく、排便時に不快感や残便感などがないかということもポイントになります。
排便時や排便後の状態も、便秘かどうかの重要なポイントなのです。毎日出るのが理想とされていますが、排便回数には個人差があります。3日に1回の排便でも、残便感がなくすっきりしていれば、それがその人の排便リズムと言えるのです。
食物摂取、排便環境の改善、運動療法、適切な薬の内服、漢方の併用にてバナナの便にしましょう。