医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
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サプリメントの効能について


サプリメントの効能について


テレビCM、新聞広告などでお馴染みのサプリメトや健康食品ですが、本当に効果はあるのでしょうか?購入の際必要な知識を御紹介いたします。


サプリメントの語源は英語の「Dietary Supplement」を略した物です。「Dietary = 食事」「Supplement = 補う」、つまり食事を補う、補完する物という意味です。  サプリメントとは「日々の食事からだけでは充分に取りきれない微量栄養素(ビタミン・ミネラル)や、体の老化の原因となる活性酸素を打ち消す機能性食材の成分を摂取することで体が全体的に調子よくなる…というのが謳い文句です。
微量栄養素のビタミン・ミネラル・必須脂肪酸(DHA、EPA)、食物繊維、(前号でも紹介しました)機能性食材など含んだ食品は以下の様に3つに分かれます。

特定保健用食品(通称トクホ)厚生労働省から公正なデータの科学的な信憑性が認められ、販売認可を得ることで、特定の保健用途における効能を表示することが可能です。

栄養機能食品12種類のビタミンと5種類のミネラルのいずれかが一定量 含まれ、その栄養素の機能を厚生労働省に届出や申請なし(科学的なデータを開示しなくても)販売できる健康食品。

一般食品 上述以外の食品を指し、効果・効能を書くと薬事法違反となる。

広告などで独自に宣伝している健康食品、サプリメントは殆どが②の栄養機能食品に当たります。①特定保健用食品(通称トクホ)はきちんと摂取する事で、血圧が下がる、血糖や悪玉コレステロールが低下するなど、科学的、具体的効能(きちんと一定人数での比較臨床試験を行い、学術的に効果を証明している)を示すのに対して、②栄養機能食品は健康感が増す、なんとなく元気になるという漠然とした効能と、数人の個人的な体験談を示す事が一部に見られます。

サプリメントでも200種類以上存在し、どれも一定効果は証明されています。しかし、試験管の実験での効果や、動物実験での有効性だけで販売されている健康食品もたくさん存在します。サプリメントを選ぶポイントとして、大事な事は・・・

①なんとなく元気になる・・・と言う漠然とした効能で選ぶのでは無く、心臓病予防、認知症予防、更年期障害予防など具体的な効能を見て選ぶ

②個人的な感想で選ぶのでは無く、きちんとある一定以上の臨床試験が行われ、科学的な根拠のあるものを選ぶ。具体的に1日どれくらい摂取(葉酸ならば400マイクログラム、グルコサミンなら1500mg・・・など)すれば効果があるかを知っておく

③副作用について知っておく。今内服中の薬と併用して問題ないか、摂取する事で、反って健康を害する事が無いか・・・。

この①~③を満たすものとすれば、やはり特定保健用食品(通称トクホ)が一番お勧めと言えます。

サプリメントとして販売されている上記内容を記したものを一部紹介しますと・・・

代表的なサプリメントの効能、科学的検証、副作用

コエンザイムQ10 治療薬として既に使用されている
【俗に期待されている効能】
狭心症、心筋梗塞などの心臓病や生活習慣病の予防・改善。乳がん治療の補助的効果。疲労回復や美肌効果。

【科学的に検証すると・・・?】
心臓病への効果を示した臨床試験は多く、心不全予防となる。ユビデカレノンという医薬品として、現在も心不全治療に使用されています。外用クリームには美肌作用効果も証明されている。

【副作用】 
特に大きな副作用が無いですが、大量に摂取すると吐き気、下痢症状
 
βカロチン 喫煙者が摂取すると反って発がん性が上昇
【俗に期待されている効能】 がん予防、心臓血管疾患の予防など。

【科学的に検証すると・・・?】
がん予防効果は、食事からの摂取とサプリメントで可否が分かれます。

【副作用】
通常の食事からβカロチンを摂取することで、問題となる副作用はないようです。しかし、サプリメントを喫煙者が多量に摂取すると、肺がんや前立腺がんによるリスクが高くなることが示唆されています。また、妊娠中や授乳中の女性も多量摂取を控えるべきです。
 
ビタミンB6 古典的なビタミン剤
【俗に期待されている効能】
動脈硬化、妊娠中毒症、口内炎、肌荒れなどの予防。抗がん効果。

【科学的に検証すると・・・?】
抗がん効果に関して、科学的信頼度の高い研究報告が少なくありません。

【副作用】
過剰摂取すると、知覚神経障害、光過敏症、精子数減少、頭痛、吐き気などを起こす可能性があります。
 
大豆イソフラボン 日本人が古来から摂取している成分
【俗に期待されている効能】
更年期障害の改善など、女性ホルモンと同じような効果があるとされています。

【科学的に検証すると・・・?】
がんに対する有効性を示した臨床試験は見当たりません。通常量を摂取する事で認知機能向上に繋がるという臨床試験は多く見られます。

【副作用】
大豆イソフラボンは女性ホルモンとよく似た構造をもつため、胎児の発育に影響する危険性があります。妊娠中の女性が過剰に摂取することは避けたほうがいいでしよう。また、ホルモンが関係する乳がんの患者さんや家族歴のある人はサプリメントの摂取に注意すべきです。
 
リコピン 最近話題になっている抗酸化成分
【俗に期待されている効能】
前立腺がんや肺がんなどの予防と改善。動脈硬化、冠動脈心疾患の予防。

【科学的に検証すると・・・?】   
前立腺がん、頭頸部がん、肺がん、胃がんなどへの効果が、疫学的研究や臨床試験で示されています。

【副作用】
適切な摂取なら、特に問題となる副作用はありません。慢性的に大量摂取すると、皮膚が濃いオレンジ色に変色することがあります。
 
にんにく 昔から滋養強壮成分とし有名
【俗に期待されている効能】
抗がん作用。高血圧や高脂血症、動脈硬化などの循環器系の病気の改善のほか、血液サラサラ効果が期待されています。

【科学的に検証すると・・・?】
前立腺がん、大腸がん、直腸がんの予防効果を示唆する臨床研究があります。ただし、高血圧や動脈硬化については定まっていません。

【副作用】
刺激が強く、生で食べ過ぎると胃の粘膜を傷つける恐れがあります。消化器の炎症を患っている人は注意が必要です。血液の凝固能に異常がある人には禁忌です。妊娠中、授乳中の人は注意が必要です。
 
ブロッコリー 野菜の中で抗酸化成分を多く含む筆頭格
【俗に期待されている効能】
抗がん作用、抗酸化作用、ピロリ菌の殺菌作用。高血圧、心臓病の予防効果。

【科学的に検証すると・・・?】  
胃潰瘍や胃がんの原因となるピロリ菌への殺菌作用があり、薬剤耐性ピロリ菌にも有効。また 肝臓がん予防に有効との報告もあり。緑黄色野菜の中でもビタミンKが豊富で、骨を強くする働きがあります。今後、抗酸化作用を強く持つ食材として研究が期待されています。

【副作用】
ビタミンKが血液を固まらせる成分の生成に関係するため、血液を固まりにくくする薬をのんでいる人は、過剰に取り過ぎないように注意。
 
グルコサミン 超有名な医学論文でその効能が証明される
【俗に期待されている効能】  
変形性膝関節症に対する進行予防効果

【科学的に検証すると・・・?】  
医学界を揺るがす論文にて効能が証明され、グルコサミン1500mgを服用する事で、関節軟骨の摩耗が80%予防でき、関節疼痛、機能改善に有効である事が証明される。(院内報VOL3で紹介しました)

【副作用】
血液を固まらせる成分の生成に関係するため、血液を固まりにくくする薬をのんでいる人には、摂取に注意が必要
 
葉酸 最近のアルツハイマー発症予防成分の筆頭格
【俗に期待されている効能】
大腸がんの予防効果、認知症の予防効果

【科学的に検証すると・・・?】
毎日葉酸400マイクログラム摂取する事で、アルツハイマー病発症率が55%以上も低下したという臨床データが最近発表され話題を呼んでいます。

【副作用】
特になし 大量に摂取すると吐き気や下痢症状あり
 

これらはほんの一部です。多くのサプリメントは一定の効果は認められますが、人体において科学的に証明されていない物も数多くあります。また効能あるサプリメントと言えども、何種類も長期に渡り摂取する事は、現実的にも、経済的にも難しいと言えます。サプリメントの語源通り、食事で摂取出来ない物を摂るという事なので、食事で十分摂取できておれば「Supplement = 補う」必要は無いと言う事になります。機能性食材を知り、一日摂取量を知る事で、近くのスーパーに行けばたくさんのサプリメントが食品として販売されています。

 

まとめ

其の一 健康食品買うなら、トクホがお勧めです。
其の二 購入前に効能を熟知してから買いましょう。
其の三 医食同源!スーパーはサプリメントの宝庫。

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