医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
医療法人 東永内科リウマチ科

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糖尿病の最新の話題


糖尿病の最新の話題。新しい薬と古い薬、どっちが良いの?


糖尿病の診断や食事療法、運動療法などは幅広く提唱されており、皆さま御存じの方が多いと思われますので東永内科リウマチ科流に新しい薬であるDPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤と古い薬であるメトホルミン製剤の薬効、海外の最新糖尿病治療のお話をします。

実際糖尿病の治療となりますと、下記の様に現在7種類あり、それぞれの特性を有します。中でも新薬として既に多く処方されているのがDPP-4阻害剤であります。

まず糖尿病の新たな主役となったインクレチンのお話をさせて頂きます。
 

インクレチン(Glucagon-Like Peptide-1:GLP-1)

インクレチンは食事の糖質や脂肪が消化管へ流入すると小腸から分泌されるホルモンです。このホルモンは膵臓のβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を促進させます。

インスリンにて食後高血糖を抑えますが、インクレチンの作用には血糖値が高い時にはインスリンは分泌作用を示しますが、血糖値が低い時はインスリンを分泌させません。血糖値を感知しながらインスリンを調整してくれるので★DPP-4阻害剤を使用した場合副作用としての低血糖が出現することなく安全に高血糖を改善します。本当にインスリンが必要な時にだけ分泌するので、従来のスルホニル尿素薬やグリニド薬のようにむやみにβ細胞を疲れさせないのが最大の利点です。

さらにインクレチンは、インスリン分泌刺激以外の3つの有益な作用を有しています。

①インスリンを分泌する膵臓β細胞の増殖と細胞減少の予防作用があります。(これまでβ細胞が減るのを防ぐ薬はなかったので、DPP4阻害剤たいへん画期的と言えます

α細胞から分泌されるグルカゴンというホルモンの分泌を抑制します。グルカゴンはインスリンとは反対に血糖を上げ、糖尿病患者さんではグルカゴンが増加しています。(DPP-4阻害剤はこの分泌を抑える事で糖尿病を改善させます)

脳神経に働きかけて食欲を抑え肥満を抑えます。(DPP-4阻害剤により更に抑制)

インクレチン(GLP-1)は分泌されて血中に出るとDPP-4という酵素により分解されてしまいます。一方インクレチンを分解するDPP-4の働きを抑えるのが上述のDPP-4阻害薬です。DPP-4を阻害する事に因りインクレチン(GLP-1)を守り、本来のインクレチンの働きを活性化させるのです。

現在発売されているDPP-4阻害薬は、ジャヌビア・グラクティブ・テネリア・エクア・ネシーナ・スイニーの6剤です。

今や糖尿病患者さんの60%ほどの治療に用いられています。当院ではグラクティブ®と腎障害の患者さん専用にテネリア®を採用しております。

DPP-4阻害薬以外にDPP-4から分解され難い様、工夫され人工的に作られた

GLP-1アナログ製剤があります(商品名ビクトーザ バイエッタ)。
胃の中で分解されてしまう為、飲み薬では無く1日1~2回皮下注射をします。


もう一つの新しい糖尿病治療薬SGLT2阻害薬

難しい話ですが、腎臓の近位尿細管と言う場所を通る時、SGLT2と言う穴凹から約90%のブドウ糖を再吸収し、残りの10%をSGLT1言う穴凹から再吸収します。

ブドウ糖は近位尿細管でほぼ完全に再吸収され健常者ではほとんど尿中に糖分は出ません。血糖値が200mg以上になると尿糖として体外に排泄されます。これが糖尿病の根源です。

糖尿病になると健康時に比べて穴凹が約4倍に増加し、糖の再吸収は約3倍に増加します。そのため血糖値がさらに高くなります。最近話題の新薬「SGLT2阻害薬」このSGLT2穴凹を閉じてしまい血糖を低下させる薬です。又1日で約300Kcalの糖分を尿から強制的に排泄させる事で、労せず肥満が軽減されるとも言われていました。

しかし!!2014年4月に発売されて以来、重症の尿路感染症や脱水症、それに伴う脳梗塞、低血糖など多くの副作用が報告され、まだ十分に普及していないのが現状です。

現在使用成績調査が実施され、安全性に関して解析が行われています。もう暫くしますと安全性と適応性、副作用の予見方法など詳細が判明します。それまでは特に高齢者への使用はなるべく控え、処方する場合は経験と知識のある正規の糖尿病学会の専門医からの処方が望ましいと言えます。


古き良き糖尿病治療薬 ビグアナイド系薬(BG薬)メトホルミン

メトホルミン(商品名:メトグルコ、メデット、ジべトスB)は、歴史はかなり古く、なんと!!約60年前(1959年)から存在しますインスリン分泌を促進させる薬とは違う作用機序の治療薬です。
糖尿病患者さんの中でインスリンの効き難くなっている状態をインスリン抵抗性と呼び、このインスリン抵抗性を改善させる薬の一つとしてビグアナイド系薬(BG薬)があります。

①この薬は小腸からの糖分の吸収を抑えます
②肝臓に作用し乳酸からブドウ糖への新生(変換)を抑制します。

筋肉での糖の取り込みを促進させます。血液中の糖が筋肉の中へ入る事で血糖値を下げることができます。

昔々の古い過去に「メトホルミンは副作用として糖分の産生を抑制する為、その前の乳酸が蓄積し乳酸アシドーシス起こり、昔々には死に至る事があり、一時使用が控えられていた時期がありました。

しかし!!現在ではその作用がキチンと見直され、比較的に安全性が高く、薬の値段も安価である事より、糖尿病治療薬として大変多用されている薬の1つとなっています
当院ではメトグルコを採用しております。因みに紹介した3種の薬の価格を比較しますと・・・。

値段はSGLT2阻害薬205円、DPP‐4阻害剤151円、メトホルミン10円値段だけを取ってもメトホルミンは破格の安さであり、インスリンを分泌させない為、膵臓に優しく長期渡り治療が必要と考えますと財布にも大変優しいお薬と言えます。

2015年末に公表されました、★英国立臨床評価研究所の最新の治療指針では・・SGLT2阻害薬は盛り込まれずメトホルミンを可能な限り使用する様に提唱しました。

メトホルミンが使用できない患者さんには、DPP-4阻害剤を使用する様勧告しております。

ヨーロッパの先進国である英国でも、約60年前の古い薬メトホルミン安全性と有効性、経済性の観点から第一選択薬として強く推奨しているのです。古い薬が必ずしも危険で効果が無く、最新の薬が全てに於いて良いとは言えないのです。

近い将来、SGLT-2阻害剤も、現在のメトホルミンと同様、きちんと適応と副作用の予見が明確になり安全に使用できる薬となるでしょう。


皆さん如何だったでしょうか?以上、東永内科リウマチ科流、最新の『糖尿病の最新の話題。新しい薬と古い薬、どっちが良いの?』のお話でした。

当院では糖尿病に対して、最新の安全で有効性の高い医療を提供しております!