医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
医療法人 東永内科リウマチ科

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第5回 関西エコーエキスパートサミット(SAKURAの会)にて参加発表


 

...第5回関西エコーエキスパートサミット(SAKURAの会)にて参加発表して参りました!その①

9月9日(土)に第5回関西エコーエキスパートサミット(SAKURAの会)が開催され、今回も症例発表を行って参りました(^O^)/。

今回は世界に於いて関節エコーで最も権威ある医学者の一人グラッシー教授がイタリアから来日され症例検討をディスカッションして頂けるとの事。特別講演も含め 今回第5回SAKURAの会は正に超ビッグイベントと言った感じでした(^_^)/。超御高名がグラッシー先生にお会いできるかなど 一生に一度あるかないか、次に阪神タイガースが甲子園で日本一になるか位のチャンスなのです。(by虎キチ…10日甲子園に行ってきやした(^_^;)
 
会場はいつも大学の会議室で行われますが、今回はグラッシー先生の来日とあって梅田の有名ホテルで開催されました!第5回は6演題が採択され、筋膜リリースで大変有名な先生も名古屋から発表に駆け付けて来られました(^O^)/。わたくし前回は大沈没でしたが、今回は自信を持って発表して参りました!
 
今回私が発表した症例は関節エコーが無いとまず解らない『2か月という短期間で中手骨基部が破壊され、しかも大変な痛みを伴うのに血液検査にもレントゲンにも異常を来さない』症例であります。決して珍しい症例では全く無く、日常診療に大変多く存在する可能性が高い事より、啓発的症例として発表して参りました。
  
一枚目はグラッシー先生への『オモテナシのスライド』で、グラッシー先生のチョッとブラックな名言であります『関節エコーをしないリウマチ医は目の見えない皮膚科医と同じだ!』に対して、グラッシー先生ようこそ!日本へ!!先生の論文を沢山読む事で、だんだんわたくしの目も見える様になってきました!とジョークを入れた所、早速笑って頂けました(^O^)/。
 
つかみはオッケー!(もうかなり古いですね(-_-メ))』と言う事で早速東永内科リウマチ科の症例を提示。自覚症状は右手関節の痛みのみであり、血液検査もレントゲンも異常無し。原因不明との事で当院へ本年4月に紹介来院となりました。CRP 血沈  MMP3を含めて血液の炎症反応は全く正常で、病状を照らし合わせますとギリギリで関節リウマチの診断基準を満たしましたが…関節エコーでは手関節内がしっかり炎上しておりました。
 
血沈が12mmを超し、血液検査にて僅かに異常を認めた時点でSASP1000㎎から開始。しかし病状は改善せず。手関節内の炎症と思いきや、もう少し遠位部の手根中手関節(中手骨基部と有鈎骨)の間に炎症シグナルが強く出ていることが判明。MTX4mg追加でも効果なくトリアムシノロンの関節内の拡散を期待しエコーガイド下にて病変部手前で手関節内に注射を施行!
 
注射後18日が経過し再診にて来院。痛みがかなりましとの事で期待してエコーしますと…実際エコーでは大炎上状態でした。エコー所見と自覚症状は相関しない事が多々あり、痛みに関係なく炎症シグナルが骨破壊の鍵となる。痛みの無い炎症シグナルを有する関節が最も危険とグラッシー先生が警告されている論文を紹介。

 
手関節内のトリアムシノロン注射は不発に終わってしまい、MTXを4➡8㎎への増量を提案するも薬の副作用(消化器症状)で増量出来ず、現在レントゲンでは明らかに異常は無いので(異常が出てくる様ではかなり進行しているのですが…(-_-メ))様子を見る事に。
 
経過観察するも初回の関節注射から6週間経過(初診から2か月経過)後、血液検査まで改善しているのに、関節エコーでは炎症シグナルが変化無く残存し2ヶ月で第4中手骨基部が破壊されている状態に(◎_◎;)!
 
この様な骨破壊が起こり続ける事を放置する事は出来ず、しかし副作用からMTXの増量は難しい。高額な生物学製剤の使用となりますと血液検査が基準内である事と対費用効果から難しい…。他の副作用の少ない抗リウマチ薬の併用も当然ながら選択肢ですが、短期間で急速に骨破壊が進行する事より、薬剤の効果を待機している間に病状が悪化するのでは…。

 
このジレンマを解消するべく、患者さんには正直に300症例近く関節内注射の経験はあるも、手根中手関節への局所注射経験は無し(同級生の整形外科専門医もそんな所にした事ないと(-_-メ))。しかしこのまま痛みと破壊を放置できないので、エコーガイド下で手根中手関節内に注射をさせていただく事をお願いし施行しました。解剖学的にも難易度が大変高く1度目は上手い事関節内に到達できず、2度目で成功。症状は劇的に回復し、3週間後のエコーでは難敵炎症シグナルが完全消失(^_^)/。

 
炎症は完全に鎮火しましたが、上段の健側に比べて下段の病側では中骨基部の一部が欠損している状態に。レントゲンでも骨の透過性が亢進しており僅かでも骨破壊がレントゲンでも観察できる結果に。2回目の関節注射(手根中手関節)後10週(2か月超)は再発も無く、痛みも全くない状況が持続しています。患者さんも大変喜んでおられますが、次また別の関節に再燃した場合にはどうするか?
 
特に骨びらんの予防に最適デノスマブ位置付けはどうか?最も強調したかった骨や関節に隣接する炎症シグナルをどう捉えるかの考察に入りました(^_^)/。今日のブログ更新はこの辺で...グラッシー先生の特別講演(私の考察とリンクしており、大変嬉しい限りでした)も含め又報告します(^O^)/。
 

..第5回関西エコーエキスパートサミット(SAKURAの会)にて参加発表して参りました!その②

症例を提出した後は短期間で骨びらんを発症する症例に対して今後どう治療するべきか。びらんを強力に抑制するデノスマブの位置づけは如何なものか。会場のフロアからは40~50歳代のデノスマブの使用している先生はおられない様でした。

デノスマブを2年間投与後の変化を記したドライブ試験を始め有効性と安全性の両面の文献を提示。最後はグラッシー先生から総括のコメントを頂きました。やはり再燃する可能性が高い事から、消化器症状を来さない抗リウマチ薬の併用や後に講演されが骨表面に付着するが炎症シグナルを詳細に観察し、ステロイドの局所注射も含め治療抵抗性であればバイオ製剤も選択肢と御教授頂きました。
 
痛みを伴う患者さんに対して、関節エコーで評価を行い詳細に観察の上 手技の難しい関節への穿刺を行い痛みをしっかりとる事は素晴らしいこと。コングラチュレーション!!と最後にお褒めのコメントを頂きました。症例検討会終了後、続いていよいよグラッシー先生の特別講演が始まりました。リウマチ性疾患には多くのアグレッシブな診断が必要であり関節エコーは0.1㎜で炎症を捉える事ができる事から大変有用な検査診断ツールである。
 
関節エコーはこれからもドンドン進歩進化するでしょう。患者さんの自覚症状➡臨床所見➡関節エコー➡採血➡レントゲン➡MRI➡確定診断という診療ビジョンが基本である。関節エコーの普及と機械の進化により過去は2~3mmの炎症シグナルが現在0.5㎜の炎症シグナルを見つける事が可能なった。関節エコーの医療機器の進歩も重要であるが機器高価となるのが問題。しかし最も重要なのはソノグラファーの経験と技術であると仰いました。
 
関節エコーは大変有用ですが、まだ十分な標準化できず経験に差が出ると診断にも差が出てしまうのが課題であると論説。今回最も伝えたい重要な事は、骨に隣接する炎症シグナルが骨破壊 軟骨破壊が進行させていく。これらを早期に見つける事が関節エコーの最も重要なところです。今回の私が発表した症例とその考察と大変近い内容でありグラッシー先生が執筆された文献を一編口演スライドの中に入れておりました。
 

ボウボウ状態の炎症シグナルを有する関節に対してはタイトコントロールが重要。炎症が消えても骨ビランが残存する関節は3か月6か月と長期に渡りモニターするべきとの事。時間単位で炎症の出方が異なるドプラーは危険なものであり、炎症シグナルが骨表面にくっつく異常血流がトラの爪の様に骨をスクラッチして骨をびらん➡破壊へと貶める。炎症シグナルの度合いも重要であるが、0.1㎜、0.2mmのミクロの宇宙にもしっかりと注目すべきとの事。骨に隣接する炎症シグナルを放置する事で、関節リウマチと言う病気が勝者となり、守り切れなかったらリウマチ医が敗者となってしまうと講演されました。

 
講演会終了の後の懇親会では『我が家の家宝』となるツーショット写真を撮って頂けました。会の終了後はソノグラファーの先生方と集合写真撮影(赤➡が私です(^_^.))致しました。会の終了後はグラッシー先生の折角の来日ですので有志で2次会として『すき焼きとしゃぶしゃぶ』の有名なお店へと皆で参りました。

グラッシー先生からは関節エコーへの熱い思いから、御当地グルメのピザのお話、ちょっとブラックなイタリアンマフィアのお話までたくさんお聞かせ頂きました。美味しい食事と楽しいトークで時間はあっという間に過ぎてしまい、2次会終了後には残念ながらお別れとなってしまいました(T_T)。またお会いできる事楽しみにしていますと固い握手を交わし帰路につきました。私が言うのも何ですが、今回の第5回SAKURAの会はいつも以上に大変有意義で素晴らしい会でありました。会を企画して頂いた岡野匡志先生、会場の設営から準備まで御尽力頂いた共催メーカーの皆様 誠にありがとうございました<m(_ _)m>。