医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
医療法人 東永内科リウマチ科

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よくある質問

ホームページ掲載のリウマチ 膠原病 についてのよくある質問

 

Q1. 朝に手がこわばり、関節が痛い時があるのですが、リウマチでしょうか?

A1. 手のこわばりの時間が徐々に長くなり、手指の2番目の関節や、指の付け根の関節が複数腫れ、手首に広がる場合や、関節症状に加え微熱や倦怠感が続く場合もリウマチを疑います。日本リウマチ学会策定の早期リウマチの診断基準を用いることがありますが、最近は抗CCP抗体検査でリウマチが判明する事多くなりました。しかし血液検査で抗CCP抗体やリウマチ因子が陰性でも、リウマチの場合がしばしば診られます。病状の経過や関節所見、血液検査、関節エコーに依る滑膜炎の評価から総合的に判断する事で診断に至ります。特に関節エコーは早期診断に威力を発揮し当院では関節エコー機器を3台用いて早期診断 早期治療介入を行っております。2013年に関節エコー導入後の検査数は2024年6月末の時点25,130件に至っております。

 

Q2. 血液検査で、自己抗体(抗核抗体)が高く、膠原病の素因があると言われました。大丈夫でしょうか?

A2. 一般的に抗核抗体をよく検査しますが、この抗体の値が陽性だけで膠原病とは言えず、抗核抗体×40~×160程度であれば健常者でもしばしば観察されます。微熱、関節痛、発疹、脱毛、口内炎等の膠原病様の症状なければ、病的意義は無い事がほとんどです。自己抗体の中にも上記のリウマチの抗CCP抗体や強皮症の特異抗体であるScle-70抗体、抗セントロメア抗体、抗SS-A抗体が陽性の場合は将来膠原病出現の可能性があると言われています。しかし特異抗体が偶然陽性でも発症しない患者さんも臨床の現場ではよく目にします。

 

Q3. リウマチはなぜ起こるのでしょうか? 原因は何でしょうか?

A3. 原因については、未だに不明な点が多く明らかにはされていません。リウマチは関節内の『滑膜』という組織に慢性的な炎症が起こり、関節に痛みや腫れが生じる病気です。一般的な炎症とは、体の一部が様々な原因で障害を受けた時、悪いものを攻撃し、組織を修復しようとして働く反応(通常免疫反応)を指します。しかしその攻撃と修復過程において、外傷、ウイルス感染や喫煙、化学物質、環境ストレス、紫外線、遺伝的素因(家系、特定の白血球遺伝子タイプ等)が引き金になり、免疫が過剰に働いてしまいます。この過剰免疫が攻撃や修復の度を超し、敵と味方を間違ってしまい、関節や骨に対して破壊行動や変形を引き起こしてしまう(自己免疫反応)、これがリウマチの本態と言えます。

 

Q4. リウマチ、膠原病は遺伝するのでしょうか?

A4. 代々遺伝するリウマチ膠原病疾患は存在しません。一番患者さんの多いリウマチの研究でも、全く同一遺伝子の一卵性双生児で片方がリウマチを発症した場合、もう片方に発症する確率は30%以下と言われています。環境素因が重要であり明確な遺伝性はありません。しかし傾向として膠原病、リウマチ家系の人は発症の可能性が高い場合もあります。

 

Q5. リウマチは治る病気ですか?

A5. 最低限の薬で正常と変わらない生活ができる病状を『寛解』と言い、薬を一切止めても病気が出てこない事を『治る=治癒』と言います。リウマチに於いて『治癒』は難しいとされていましたが、10年前に比べて格段に治療成績が良くなりました。関節エコーを含めた早期診断からメソトレキセレート(以下MTX等で積極的に早期治療する事で、薬を中止しても再燃せず『治癒』する患者さんが多く見られるようになってきました。科学的な数字(医学論文の報告)としては、5年間の同じ治療にて病状安定、寛解維持できた場合、薬を中止しても再燃しない(治癒)人は全体の40%でした。60%の人が残念ながら再燃しましたが、同じ治療で70~80%の人が再び寛解し病状が安定しました。きちんとした治療で『治る』もしくは『寛解維持』ができる病気になってきました。

 

Q6. 生物学製剤はそもそも何故高価なのですか?  長期に渡る治療費の高騰に対応策はありますか?

A6. バイオ製剤は、飲み薬の様に大きな工場で大量生産されるものでは無く、厳密に管理された研究施設の環境下でリウマチ標的抗体を産生する細胞を育て、最新のバイオテクノロジーを用いた遺伝子組み換え操作により作られる製剤の為、生産技術面も含めコスト高となります。機械工場で大量生産される商品と、熟練職人さんが手作りで一品一品作る商品と比較すると後者の値段が高いのと同じです。医療費の高騰化がバイオ使用の大きな問題の一つです。身体障害者2級以上で費用免除となりますが、身体障害者2級とは、下肢機能全廃に因る車椅子生活上肢に至っては指を欠く、著しい機能障害等がないと認定を受けません。 一方で収入に応じて、医療機関の窓口負担の上限額が設定されており、高額医療であっても支払い額が一定となり患者さん負担軽減に大きく繋がっています。また病状が安定し、2カ月に1回の点滴治療、自己注射と薬の長期処方が可能であればより窓口負担額は経験されます。詳細は最寄りの保健所の福祉相談課等を活用する事をお勧めします。

 

Q7. 生物学(バイオ)製剤は高額でも早期に治療を受けるべきでしょうか?

A7. 特にリウマチに対するバイオ製剤の効果は絶大であり、発症早期からバイオ導入により、早期寛解、治癒する可能性もでてきました。しかし一方ではきめ細やかな副作用の管理と危険な合併症の予見も必要となります。リウマチの活動性が高く、治療抵抗性の患者さんが最も適応となります。治療抵抗性の強く無い、軽度から中等度の早期リウマチ患者さんにおいては、従来のMTXを中心にした飲み薬の併用療法とバイオの治療成績を比較しても同等であり、治療効果、関節予後に差はありません。因って活動性が高くなければ、内服治療で十分と言えます。しかし飲み薬で病状が安定していても、ステロイド剤を5mg以上内服、それに因る糖尿病 骨粗鬆症等の副作用が生じる場合はステロイド剤を減量、中止する為にバイオを使用する事もあります。

 

Q8. 一度始めた高額な生物学(バイオ)製剤治療は止める事は出来ますか?

A8. 治療効果が十分に得られ病状が安定した状態で中止した場合、日本リウマチ学会での総計では約40%~50%の患者さんがバイオ製剤から離脱、再投与せず飲み薬だけでコントロールが出来るようになりました。当院でも約半分の患者さんがバイオを中止する事ができました。 バイオを中止できる可能性の高い人は、薬の効果が早い関節変形が進んでいない臓器合併症が無い バイオを初めて使用、もしくは使用経験が少ない傾向にあります。一方で中止できない人は、治療効果発現が遅い関節変形が進んでいる臓器合併症がある、複数のバイオ使用にて効果が無かった人が挙げられます。

 

Q9. 現在日本で使用されている7種類生物学製剤の中で、最も効果の高い生物学製剤どれですか?

A9.バイオ製剤の中で、レミケード® エンブレル® ヒュミラ® アクテムラ®は最初に使用する事が多い為、治療効果が有効である報告が多いですが、結論的にはほぼ同等の治療効果と言えます。しかしMTXを使用できない患者さんにはアクテムラ®が最も効果があります。シンポニー® オレンシア® シムジア®は最初のバイオに効果が無い場合に使用される為、上述のQ8、A8の如治療効果は第一選択薬よりも下回ります。しかし患者さんの中では大変治療効果があり、ステロイドから離脱できた患者様や、バイオ変更後に劇的に症状が改善する方もおられます。

 

Q10. 12種類の生物学製剤と5種類のJAK阻害剤の中で最も効果効能の高い薬剤、第一選択薬剤はどれですか?

A10. 日本リウマチ学会の治療ガイドラインも含め、世界的にも『まずこの生物学製剤から開始、この薬剤が最も効果がある。』というコンセンサス(複数の医学者、論文に因る意見の一致、見解の統一)はまだ存在しません。しかし実臨床に於いては患者様の炎症の病態、合併症(既存の肺病変 糖尿病や骨粗鬆症等) 年齢 抗CCP抗体価 経済的な背景も考慮し薬剤を選択します。

 

当院にて使用中の生物学製剤

一般名(商品名) 治療の標的 投与法 投与間隔
インフリキシマブ (レミケード) TNF(腫瘍障害因子) 点滴 初回は2週→6週→8週毎
エタネルセプト (エンブレル) TNF(腫瘍障害因子)受容体 皮下注射 月に2~4回
アダリムマブ  (ヒュミラ) TNF(腫瘍障害因子) 皮下注射 2週毎
トシリズマブ (アクテムラ) IL-6(インターロイキン6) 点滴又は皮下注射 点滴4週毎 皮下注は2週~毎週
アバタセプト (オレンシア) 抗原提示細胞 点滴又は皮下注射 点滴4週毎 皮下注毎週
ゴリムマブ (シンポニー) TNF(腫瘍障害因子) 皮下注射 4週毎
セルトリズマブぺゴール(シムジア) TNF(腫瘍障害因子) 皮下注射 2週毎
トファシチニブ (ゼルヤンツ) JAK1,3阻害剤 経口薬 毎日
バリシチニブ (オルミエント) JAK1,2阻害剤 経口薬 毎日
サリルマブ (ケブザラ) IL-6(インターロイキン6) 皮下注射 2週毎
エタネルセプトBS(バイオシミラー) TNF(腫瘍障害因子)受容体 皮下注射 月に2~4回
ペフィシチニブ (スマイラフ) JAK1,2,3,TYk2阻害剤 経口薬 毎日
ウパダシチニブ (リンヴォック) JAK1阻害剤 経口薬 毎日
フィルゴチニブ (ジセレカ) JAK1阻害剤 経口薬 毎日
アダリムマブBS(バイオシミラー) TNF(腫瘍障害因子) 皮下注射 2週毎
オゾラリズマブ(ナノゾラ) TNF(腫瘍障害因子) 皮下注射 4週毎

 

生物学製剤や経口JAK阻害剤は大変高価であり、所得に応じて窓口支払い額が異なりますが、高額医療費制度、限度額適用認定症を発行、提示する事で実際の窓口負担額は上記費用より安くなります。詳細は主治医に御相談又は高額医療費制度のサイトでご確認下さい。
全国保険協会(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3020/r151)をクリック

 

Q11. 治療の現場で、実際にどういった基準にて生物学製剤やJAK阻害剤を選択 使い分けをしていますか?

A11. 当院の生物学製剤の使い分けとして下記の基準にて選択をしています。

①インフリキシマブ(IFM レミケード®) ⇒MTX内服が条件となりますが効果が比較的早く強力な作用がある事より活動性が大変高く、また骨破壊が急激に進行する場合に使用。最近は皮下注製剤が主流となり、処方数は減少しつつあります。

②トシリズマブ(TCZアクテムラ®) ⇒バイオ製剤単独の治療奏功率が非常に高く、MTXを使用できない、血液の炎症マーカー(CRP)が高く、関節破壊が強い場合に第一選択薬として使用します。純国産型のバイオ製剤であり、対費用効果が高い薬剤です。

③アダリムマブ(ADA ヒュミラ®) ⇒MTX6㎎/週以上十分内服できる事が必要で、疾患活動性が高い場合に使用します。インフリキシマブと同様に細胞障害活性が強く、効果の発現が早い事から、海外では最も多く使用されている製剤です。

④エタナルセプト(ETN エンブレル® ETNBS エタナルセプトBS) ⇒対費用効果が最も高い為、経済性を重視する場合はこの2剤を選択します。投与量の調整が可能であり当院で最も処方が多く、関節破壊は軽微で臨床的寛解を優先する場合にも使用。

⑤アバタセプト(ABT オレンシア®) ⇒抗CCP抗体が特に高値の場合に有効とされています。制御性T細胞と同じ作用を有し多方面から免疫系を抑制しますが、細胞障害活性を有さず副作用が少ない事から高齢の方に使用します。

⑥セルトリズマブペゴル(CZP シムジア®) ⇒肝障害やアレルギー症状が出現しやすい場合に、ペグ化(副作用の出難い部分成分だけを抽出)している事から本剤を使用します。妊娠期 授乳期を含めて安全に使用でき挙児希の場合に積極的に使用します。

⑦ゴリムマブ(GLM シンポニ®) ⇒高度な遺伝子操作に因り、生物学製剤の中で最も生体に近い『抗ヒト化抗体』として精製されており、MTX併用無しでも使用可能。又副作用が少ない事から高齢者のリウマチ患者に使用します。

⑧サリルマブ(SAR ケブザラ®)⇒トシリズマブ(アクテムラ®)と同じ位置付けですが、トシリズマブが2次無効となった時に使用すると有効。TCZよりも効果の発現が早いとされ、疼痛と炎症症状 CRP高値の場合に速効性の効果が期待できる薬剤です。

⑨経口JAK阻害剤(ウパダシチニブ バリシチニブ ペフィシチニブ トファシチニブ フィルゴチニブ)⇒低分子化合物の経口製剤ですが、ADAと効果は同等で従来はTNF製剤 IL-6受容体製剤共に無効な場合に使用していましたが、現在は生物学製剤よりも優先に使用できる様になりました。又、注射製剤にて皮内反応が出現し易い場合にも使用され 特にバリシチニブは効果の発現が早く痛みの強い場合に有効新薬ウパダシチニブは難治性多剤抵抗性の関節リウマチに威力を発揮します

オゾラリズマブ(ナノゾラ®)2022年12月に発売された最新型TNF製剤でIgG抗体の重鎖のFab領域先端部位抗原結合部位を切断。この切断部位をVHH抗体ナノボディと称し通常の抗体薬よりかなり分子量が小さく血清アルブミンと結合する事で血中半減期が延長され、関節内においてより長時間作用できると考えられています。

*ETN-BS=エタネルセプトバイオシミラー® Upaウパダシチニブ=リンヴォック® TCZトシリズマブ=アクテムラ®  SAR サリルマブ=ケブザラ® Filgoフィルゴチニブ=ジセレカ® Bariバリシチニブ=オルミエント® ABTアバタセプト=オレンシア® GLMゴリムマブ=シンポニー® ADAアダリムマブ=ヒュミラ® OZRオゾラリズマブ=ナノゾラ® ETNエタネルセプト=エンブレル® CZPセリトリツマブ・ペゴル=シムジア® ADA-BS=アダリムマブバイオシミラー® T,P,I=Tofaトファシチニブ=ゼルヤンツ® Pefiペフィシチニブ=スマイラフ® IFXインフリキシマブ=レミケード®*

5種類のJAK阻害剤の使い分けとしては、痛みの強度炎症マーカー(CRP 赤沈 MMP3)の数値、これまでの薬剤使用歴 2次無効を来たした薬剤から各患者に於けるサイトカインプロファイルの病態を推察し各JAK阻害剤の薬剤排泄経路(腎排泄か肝排泄か)を考慮し薬剤を選択します。

 

Q12. 治療中断出来る可能性の一番高い生物学製剤はどれですか?

A12. TNF-αが標的のレミケード® エンブレル® ヒュミラ®の中断率は40~50%とほぼ同等です。一方でIL-6(インターロイキン6)が標的のアクテムラ®の中断率は15~20%と低いと報告されています。しかしアクテムラ®使用中に血液のL-6濃度とMMP-3(マトリックスメタロプロテナーゼ-3)よく下がる人はレミケード® エンブレル® ヒュミラ®と同様の40~50%まで中断率が上昇する事がわかってきました。シンポニー® オレンシア® シムジア®は第一選択薬に効果が無い場合に使用する為、上述のQ9、A9治療効果と同様、中断率共に低下します。しかし患者さんの中では大変治療効果があり、中断出来る方がおられるのも事実です。

 

Q13. 生物学製剤は長期投与しても身体には安全ですか?

A13. レミケード®が発売されてから10年以上が経過しました。バイオ製剤使用にて、結核菌やB型肝炎、カリニ肺炎等に因る感染症で重症化される方が一部おられるのは事実ですが、感染症に対する予防法もかなり確立されてきており、きちんとした医療側の管理により安心安全に使用できる様になってきました。また悪性腫瘍の出現も懸念されてきましたが、現時点でバイオに因る悪性腫瘍発症の明らかな増加は認められませんでした。発売され5年満たない薬もありますのでこれからの新しい臨床研究で安全性がより実践される事が期待できます。

 

Q14. リウマチや膠原病でも妊娠可能ですか?

A14. 結論から言いますと病状が安定していれば十分妊娠可能です。妊娠しても内服し続けて安心なリウマチの薬、途中から中止しても十分安心な薬、使うべきではない危険な薬が疫学的にかなり明確に示される様になりました。しかし病状経過を観察しながら薬剤の調整は必要ですので、リウマチ専門医の管理の下での妊娠が望ましいです。一方でこれまでリウマチ薬(免疫抑制剤)に因る女性不妊ばかりが研究されてきましたが、男性のリウマチ患者さんの増加と共に、リウマチ薬に因る男性不妊の研究も進んできています関節リウマチに対するサルファスルファピリジン(アザルフィジン®)の男性不妊や、メソトレキセレート、アザチオプリン、ベーチェット病に対するコルヒチン、SLEに対するシクロフォスファミドに因る男性生殖器障害も問題となり、挙児希望の場合は男性に於いても専門医での管理が望ましいと言えます。当院のHPにも詳細に掲載しております。
http://www.touei-clinic.jp/original27.html
 

 

Q15. リウマチ発症の予防方法はありますか?

A15. リウマチの基準を満たさずとも、疑いのある患者さんにおいては、予防でもっとも重要なのが『禁煙』です。喫煙する事により肺胞(肺の酸素を交換する袋)シトルリンという蛋白が蓄積し、リウマチを引き起こす自己反応性(自分の細胞を傷害する)リンパ球が興奮し病気が発症し易くなる事が強く理論づけされています。その他、歯周病の治療をする事で雑菌の体内への侵入を防ぎ、リンパ球の過剰な免疫反応が改善する報告もあります。最近に肥満に因るインスリン分泌障害リウマチの病勢悪化の関係が指摘され、適度体重コントロールがリウマチ発症予防に繋がる報告もあります。
(詳細:http://www.touei-clinic.jp/app/Blogarticleview/index/ArticleId/369

 

Q16. リウマチ、膠原病にサプリメントは効果がありますか?

A16. 膠原病、リウマチ問わず、健康増進の為、はっきりした根拠の無いサプリメントを大量に摂取する方がおられますが(月に数万円も購入する方もおられますが・・・)、十分な効果は証明されていません。動物実験や、個人的に飲んでリウマチや膠原病が良くなったと言う根拠で発売されており、日本やアメリカ等における国立研究所にて科学的検証が行われましたが、リウマチ膠原病に有効であると言うサプリメントは存在しませんでした。むしろ『免疫力が向上する』と言われるサプリメントでリウマチや膠原病が悪化したケースもあり、サプリメントを摂取する場合は専門医に相談する事をお勧めします。

 

Q17. メトトレキサートを内服する事で悪性リンパ腫になる可能性はありますか?

A17.結論から申し上げますと可能性はあります。元々関節リウマチの患者さんは健常者と比較して少し免疫異常が存在することから悪性リンパ腫の発症率は一般人口よりやや多いとされています。しかし最近ではメトトレキサートの服用に因る悪性リンパ腫の発症の報告が多数あり、一方でメトトレキサートを中止する事でリンパ腫が消失する例も半数近く認められ日本リウマチ学会も2017年10月から調査を開始したばかりでまだ発症頻度を含めて具体的な事はわかっていません。今後の詳細な報告が望まれます。当院のHPにメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患について詳しく掲載しております。⇒http://www.touei-clinic.jp/original66.html

 

Q18. ステロイド(トリアムシノロンアセトニド)の関節注射の効果は有用ですか?

A18.抗リウマチ薬や生物学製剤を用いても、時に全ての関節の痛みや腫れ、骨破壊や骨変形を予防できない事もあります。患者さんが関節の強い痛みや腫れを訴えても『血液検査が正常だから様子を見ましょう』と様子を見る事で骨破壊や変形が進行することがしばしばあります。また痛みが無いのに骨破壊が進む恐ろしいケースもあり、これらの病状に対する速やかな疼痛緩和と骨破壊を抑止する専門手技こそがトリアムシノロンアセトニドの関節内注射なのです。(http://www.touei-clinic.jp/original57.html

 

多くの論文でその効能が報告されており、効果は絶大で関節エコーを用いる事でより安全に炎症を抑制する事が可能となりました。海外でも積極的に行われており当院でもトリアムシノロンアセトニドの局注療法を積極的に関節リウマチ診療に取り入れ2015年から2024年6月までの10年間で5,080関節施行しております。
http://www.touei-clinic.jp/app/Blogarticleview/index/ArticleId/957