医療法人 東永内科リウマチ科

大阪市東淀川区の 内科,リウマチ科(リウマチ,膠原病,骨粗鬆症)
医療法人 東永内科リウマチ科

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骨粗鬆症の最新の予防方法 食事療法 運動療法を中心に


 

...10月8日に市民公開講座として骨粗鬆症についてお話して参りました!(その① 疫学 診断編)

講演前日に晩酌しながら遅くまでスライドチェックしておりますと、いつもの悪い癖で物足りなくなってきて、結局4枚ほど発表寸前にスライドを追加してしまい、夜中になんとか完成。やや睡眠不足状態で1時間20分のスライドを抱えて会場に向かいました。
  
天神橋筋六丁目駅の3番出口を出ますとクレオ子育て館に直結。エレベーターにて7階に上がりますと、既に多くの方が待機されており(◎_◎;)、皆様の骨粗鬆症に対する熱心さが伝わる感がありました。
  
まずは骨粗鬆症の疫学を中心にお話をし、治療が必要な骨粗鬆症患者さんが1280万人(@_@)もおられその多くの方がいつのまにか骨折に気付かず放置している状態。治療を介入しないまま放置する事で大腿骨々折を発症し寿命が短縮する疫学調査の文献を紹介。
  
普通に何の症状もない方が当院に来院され、背骨腰骨(胸椎腰椎)のレントゲンを撮影すると…既に多発骨折を起こしている患者さんが多く存在する事も紹介。実際の症状の全く無いのに腰椎がペチャンコになった実物のX線画像をお見せしたところ、会場の皆様は大変ビックリ(◎_◎;)されておられました。骨密度が少ないなら専門医へ受診するきっかけとなりますが、痛みも無く骨密度が正常なのに糖尿病などの生活習慣病や、リウマチの罹患 ステロイドの内服状態から隠れ骨折患者さんがたくさん隠れいている事もお話しました。
  
何故??骨密度が正常からそれ以上なのに骨折してしまうの??骨強度には骨密度だけではなく、住宅で言いますとセメント(骨密度)が強固でも柱となる鉄筋部分(骨架橋)が錆びて(ステロイド 糖尿病 慢性疾患等で)弱体化すると容易に脆弱骨折が起こる原理を説明。それを分析する方法は残念ながら限られており、一つの画像診断方法として最新型のHR-pQCTが有用である事を紹介。見かけの骨の断端をHR-pQCTにて精密に画像化するとスッカスカ(◎_◎;)状態が判明。
  
また、この最新型HR-pQCT7はなんと!3億円以上(◎_◎;)の超高額な機器であり東京大学と長崎大学しか設置されておらず、最近になり名古屋市の骨粗鬆症 総合クリニックにて導入された事を紹介。『当院もこれを機会に来月からこの3億円の新型CTを導入する予定…という夢を見てウナされて今朝目が覚めました』とのギャグに結構反応頂きました(^_^)/。

高価な検査機器を使用せずとも自治体の検診を受ける事で早期発見につながり、受診率の高い県と大腿骨発生率の高い県との関連性もお話しました。受診率の低い県として大分県を間違えて長崎県と記してしまい、後のアンケートに間違いのご指摘を頂きました<(_ _)>。
  
検診を受けに行かなくても、スマホやパソコンで簡単に骨粗鬆症のリスクを判定できる便利な検査ツール『FRAX』を紹介。年齢 性別 家族歴 病歴 嗜好品等の有無をチェックするだけ、骨密度を計測しなくても簡単に骨粗鬆症骨折の発症リスクが判定できます(詳細➡https://www.sheffield.ac.uk/FRAX/tool.aspx?country=3)。今日の参加者は全員女性でありましたが、『本日IKKOさんの様なオネぇ系の方がおられましたら男性にチェックを!オネぇ歴の長い おすぎさんやピーコさんの様な方がおられましたら、そーっと女性にチェックしてください!』とのネタにかなりウケました(^_^)/。(…別にウケを狙いに講演しに行っている訳ではありませんが(^ ^;)
  
お酒 タバコ ステロイド等の薬剤 閉経等沢山の骨折リスク因子が多く存在し、それらが何故に骨粗鬆症を招くかも詳しく解かり易く「解説しました。またその中で最も高い骨折リスクとなるのが『血縁での大腿骨々折の家族歴』である事を強くお話しました。遺伝率が実に80%であり家族歴➡女系の血縁者に大腿骨々折をされた方がおられる場合は早い段階での検診の受診や予防が重要である事もお話致しました。
  
原発性骨粗鬆症以外に最初に病気がありそれが原因で発症する続発性骨粗鬆症にても解説。実際に当院の日常診療で遭遇した疾患やその経過を説明。病気ではありませんが妊娠や授乳も骨粗鬆症の危険因子となり、妊娠中と母乳にてかなりのお母さんのカルシウムが赤ちゃんに移行し一時的に母体がCa不足になる事を紹介。1年から長くて4年で元の骨密度のなると言われておりますが…昔は日焼けがお洒落で健康な証であった時代『ガングロ世代 松◎しげるさん世代』の人は極端に減少し『美白 美肌世代』の方が急増。日光に当らず(➡Caの吸収が低下)、体重を気にしてCaが豊富な乳製品も摂らず(Ca摂取量の低下)…
  
これに加えて世界保健機構(WHO)が危惧する若年女性の運動不足に警鐘を鳴らす程、ここに運動不足(Caの骨への動員が低下悪条件が重なりますともう若い年齢で骨がスカスカ状態(◎_◎;)に!➡ここで妊娠出産➡授乳によるCaの減少➡更年期後の閉経➡骨を弱くする破骨細胞から骨を守るエストロゲン(女性ホルモン)の著減➡加齢性変化も加わりますと。。。日本の現在の若年女性が高齢になる前に寝た切り(◎_◎;)になってしまうと日本骨粗鬆症学会が重要懸念事項としている事も報告しました。

しか~し!まだ間に合います(^_^)/!まだまだ間に合います(^^)v!と御話は続きの『その② 食事療法 運動療法を通しての予防編』へ…。 続編の講演内容は近日中にとうえいブログにて公開致します!

...市民公開講座として骨粗鬆症についてお話して参りました!(その② 食時と運動療法による予防編)

前回の骨粗鬆症の疫学と診断に続き、今回のメインでもありますが骨粗鬆症に対する食事療法 運動療法による予防の取り組みについて御話し致しました。
  
やはり骨粗鬆症と言いますとまずはカルシウム摂取が重要で、厚生労働省の推奨するCa摂取量は500~700㎎が理想とされています。又カルシウム摂取だけでは骨にCaが移行しないので、Caを運搬するトラックの役割をするビタミンDの摂取も重要です。しかし、Caを一度に大量に摂取すると血管内皮細胞にCaが過剰に取り込まれ➡動脈硬化や狭心症のリスクが上昇します(@_@)ので注意が必要です。
  
ビタミンDの摂取後の適度な日光浴も重要➡ビタミンD(トラック)が紫外線で活性化しない(ソーラーエネルギーが無い)とCaを骨に運ぶことができません➡であり、Caの吸収を促進させる観点から最低限の日光浴(手のひらサイズで15分程度)が必要とされています。一方で東京大学の研究グループが調査した所、女性の全年齢層に於いて8割の人がビタミンD欠乏もしくは不足症の状態(◎_◎;)である事が判明しました。こちらも過剰摂取は禁物ですが、理想の摂取量と多く含まれ食物について解説致しました。
  
CaやビタミンD以外にも『骨のしなり』に必要なマグネシウムや亜鉛の摂取の重要性についても解説。こちらも必要推奨量と過剰摂取による神経毒性や消化器症状の出現に注意する事を御話ししました。
  
その他ビオチンやパントテン酸などの善玉アミノ酸の摂取も重要である事を解説。診断編にてお話ししました骨の強度を低下させる錆びの原因となるペントシジン以外に動脈硬化や認知症の原因となる悪玉アミノ酸であるホモシステインについて解説。骨密度が低値でホモシステインが高値ですとかなり骨折を来す率が高くなる事もお話ししました。この悪玉アミノ酸ホモシステインを解毒するには??
  
ホモシステインは適量の葉酸とビタミン12の摂取によって無害であるメチオニンというアミノ酸に代謝され、適量のビタミンB6の摂取によりシステインという、こちらも無害のアミノ酸に代謝する事を解説しました。食物からの栄養源やミネラルやサプリメントにて骨形成作用➡骨芽細胞を応援する事は可能ですが、骨吸収作用➡破骨細胞をやっつける食物やサプリメントの発見や開発は難しい事を解説。

最近の話題としまして大阪大学の西川教授が発見した紅茶に含まれるテアフラビンと言う成分が破骨細胞の撃退に有効である研究内容を紹介。紅茶を飲めば骨粗鬆症の予防になるのでは…と期待しましたが、1日紅茶を15杯以上飲まないといけない事から現実的な予防法としては難しく、テアフラビンを含むサプリメントの開発に期待したいと御話ししました。
  
続いて講演内容は運動療法による予防対策へ…。当初はラグビーをやっていましたが3年前の両膝関節の怪我で引退を余儀なくされ、スイマーを志すも泳ぎの上手なオバ様軍団にプールから追い出され、塩素アレルギーを発症し断念。現在はロードバイクにハマっている私のエピソードを紹介。水泳もロードバイクも有酸素運動と筋力アップには有効ですが、重力がかからない分骨密度上昇には期待できないと解説。厚生省が推奨する運動療法ですと大股歩行を毎日休みなく50分歩くことが推奨されておりますが…体力的にも時間的にも難しく、膝や腰の故障の原因となる事も心配されます。
   
そこで雨の日や台風の日(台風21号はキツかった(>_<))でも自宅で気軽にできるフラミンゴ体操を紹介。僅か5cm片足を挙げて1分間静止。右足立ちと左足立ちとを各1分間を1日3回繰り返すだけで、速歩50分に相当(◎_◎;)する事を解説。筋力トレーニングとジャンプ運動によって筋量と骨密度が有意に増加し、転倒率 骨折率が有意に低下した日本骨粗鬆症学会誌に掲載された文献も報告しました。
   
  (⇑日本骨粗鬆症学会雑誌2018年第2巻から掲載⇑)
更に効率よく骨密度を増やす運動療法として…2017年2月にNHKテレビ『ためしてガッテン』にても放映された(詳細➡http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20170215/index.html日本骨粗鬆症学会 前理事長で山王女性医療センター長の太田博明先生監修の『かかと落とし運動』が大変有用です。血液中の骨ホルモン(オステオカルシン)の量が少ない人は、血糖値が高い傾向にある事が最近の研究で明らかになりつつあり『タンパク質の糖化』という現象が大きく関わっていると考えられています。
 
(*福岡歯科大学客員教授 平田雅人先生の『“骨ホルモン”で健康寿命を延ばす! 1日1分「かかと落とし」健康法』から抜粋*)
血糖値が高めの人はすでに骨ホルモンが少なくなっている可能性があり、運動と共に「かかと落とし」による骨への刺激➡骨ホルモン(オステオカルシン)の増加➡骨質の改善だけでなく糖尿病にも改善に繋がると言われています。その他、かかと落とし運動による骨への衝撃が骨芽細胞の働きを低下させるスクレロチンという物質を抑制➡骨芽細胞を活性化➡骨密度増加させるとの報告もあります。私も何度もこの運動を実践し当日は皆様と一緒に『かかと落とし運動』を行いました(^_^)/。…最後に③病状評価と治療編に続きます(^O^)/。